【宅建試験】瑕疵担保責任について
今回は担保責任について。小屋暮らしのために土地を取得したい、山林を買いたいってなった時にこのあたりは注意が必要です。買ったは良いが使い物にならない土地だったなんてこともありますので。
売主の担保責任とは
売主の担保責任とは売主の目的物に欠陥等があった場合に売主が買主に負う責任のことをいいます。そして売主に故意・過失がなくても結果的に各県があれば責任を負う(無過失責任)。売主の担保責任は売買の目的物に欠陥があった場合を含め6種類ある。
抵当権等が設定されている場合
買主は抵当権の設定されている不動産であることを知らずに買った場合(善意)のみならず、知った上で買った場合(悪意)も抵当権が実行され所有権を失ったときは損害賠償請求や解除が出来る。売主側で借金を返済して抵当権を消滅される約束になっていたはずだからだ。買主が売主に対して担保責任を追及できるのは抵当権が実行されて競売により買主が売買の目的物の所有権を失った場合です。単に抵当権が設定されているだけでは担保責任を追及することはできません。
当然抵当権が設定されていればこのようになるのは当然ですよね。でも抵当権が実行されて損害賠償請求や解除の申し出が出来たとしても、そもそも抵当権が実行されるほど困窮している人なわけで回収は難しそうですよね。土地建物を買う上で、やはりこのような権利関係が複雑な物件は望ましくないのでしょう。
全部が他人物の場合
例)AがBに土地を売却したところ、実はその土地の所有者はCでありAがCから土地を取得できなかったためBがその土地を取得できなかった。BはAに対して何が言えるか?
Cの所有地を目的としたAB間の売買契約(他人物売買)は有効。ただしBが所有権を取得するのはAB間の売買契約成立時ではなく、その後AがC所有地を取得した時。売主AがCから土地の所有権を取得できない結果、Bにその土地の所有権を移転できない場合、買い主Bが善意の時は損害賠償請求や解除が出来るが悪意の時は損害賠償請求や解除が出来るが悪意の時は契約解除のみ認められる。悪意の買主はAがCから土地の所有権を取得できないかもしれないことを織り込み済みのはずだからだ。
一部が他人物の場合
例)AがBに土地を売却したところ実はその土地がAとCのお共有であったためBがCの持分を取得できなかった。BはAに対して何が言えるか。
買主Bが善意の時は損害賠償請求が出来る。またCの持分部分が取得できないければ買わなかったときは解除もできる。さらに手に入れることが出来なかったCの持分部分相当額の代金減額請求もできる。これに対し悪意のときは代金減額請求のみ認められます。悪意の買主はCの持分部分を取得できないかもしれないことを織り込み済みだから。なお、売主に対する責任追及期間は買主が善意であった場合は事実を知った時肩、悪意の場合は契約をした時からそれぞれ一年間になる。
数量が不足している場合
例)A所有の土地をBに売却する売買契約で1平方メートル30万円、めんせき100平方メートルという計算で代金を設定した。ところが後で実測してみると90平方メートルしかなかった。この場合、BはAに対して何が言えるか。
買主Bが善意の時は損害賠償請求や代金減額請求が出来る。また数量不測のため契約の目的を達成することができないときは解除もできる。これに対し悪意の時は売主に対して責任追及できない。初めから90平方メートルと土地であると理解した上で購入しているから。なお、買い主が善意の場合の責任追及期間は数量不測を知った時から一年間である。
地上権等が設定されている場合
例)建物を建てる目的でA所有の土地をBが購入したところ、その土地にはCが登記済みの地上権を有していてBは建物を建てることが出来なかった。この場合BはAに対して何が言えるのか。
買主Bが善意の時は損害賠償請求が出来る。また契約の目的を達成できないときは解除もできる。これに対し悪意の時は責任追及できない。なお、買主が善意の場合の責任追及期間は事実を知った時から一年である。
先ほどから善意の場合、悪意の場合と出てきています。当然善意の場合は責任追及できるってのはわかるのですが、これらのケースで善意の場合はあるのでしょうか?上記の地上権についてですが、登記を確認すれば地上権が設定されているのが分かるわけです。買主は何も調べずに買っても構わないってことなのでしょうか。土地や建物って安い買い物ではないので調べますよね?私も山林を買うときは不動産屋に言われたことを信じず、自ら登記簿取って確認をしました。
隠れた瑕疵がある場合
例)AからBが中古の建物を購入したところ、その建物の柱に白アリが発生していてボロボロになっていた。この場合BはAに対して何が言えるか?
売買の目的物の欠陥・キズのことを瑕疵という。そして隠れた瑕疵とは契約時に買主が普通に注意しても気づかなかった瑕疵、つまり買主が契約時に善意無過失であった瑕疵のことをいいます。だから買主が契約時に瑕疵に気付いていたり、普通に注意していれば瑕疵を発見でいたりしたような場合は責任追及できません。
解約所に善意無過失の買主Bは損害賠償請求が出来る。また契約の目的を達成できないときは解除もできる。なお、買主が善意無過失の場合の責任追及期間は瑕疵を知った時から一年間である。
しかし売主が瑕疵の存在に気付かない限り、買主の権利が永久に存続することになり、売主のとっては酷。。そこで判例は瑕疵担保による損害賠償請求権については買主が売買の目的物の引き渡しを受けた時から10年で時効により消滅するとしています。なお。この瑕疵は物理的な欠陥だけでなく、土地を買ったところ都市計画法上の制限のため建物を建てられないなどの法的な瑕疵も含む。
担保責任免責の特約
当事者間でどのような契約を締結しようと本来自由であるから担保責任を負わないという特約も原則有効である。しかしながら相手方を裏切るような契約をする自由まで認めるべきではない。そこで担保責任を負わない旨の特約を結んだ場合でも売主が知っていながら買主に告げなかった瑕疵については売主は担保責任を免れない。
私が山林を買った時もこの特約が書かれていたと思います。山林なんでいろいろとあると思います。みたいな感じで。そもそも土地の広さも正確ではないかもしれないわけです。実際に計ったら小さかった、大きかったってこともあるのでしょう。そんなの気にしていたら山林なって持てないですよ!ってことなのでしょう。
次回は賃借権を学びます。