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【宅建試験】賃貸借について古民家を借りたりとかに

【宅建試験】賃貸借について古民家を借りたりとかに

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今回は賃貸借について学んでいきます。小屋暮らしや山林暮らしにとっては賃貸借はとくに気にするところではないです。ただ人によっては土地を借りる、田舎暮らしで年単位で土地と古民家を借りているなんて人もいるかもしれません。その場合、少し関係するかもしれませんね。

賃借権とは

賃借権とは賃料を払って物を貸し借りする契約をいいます。貸主を賃貸人、借主を賃借人といいます。民法上賃貸借契約は不動産だけでなく動産の貸し借りも対象としています。不動産の中でも建物所有目的の土地の賃貸借契約や建物の賃貸借契約については原則として借地借家法が民法に優先して適用されます。人の生活にとって欠かせない「住」に関する賃貸借については借主の保護を図る目的で借地借家法が特別に定められているから。今回は民法の賃貸借について。

賃貸借の存続期間

賃貸借の存続期間は最長20年。短期契約に制限はない。更新はできるが更新後も20年が限度。

不動産賃貸借権の対抗要件

例)AがBに土地を賃貸しBがこの土地を資材置き場として使用していたところ、Aがこの時をCに売却した。BはCに対して賃借権に基づき土地の使用を主張できるか?

Bが賃貸借の登記を備えていた時はBはCに対して賃借権の基づき土地の使用を主張することが出来る。この場合賃貸借契約はCB間に移転する。なお、新たな賃貸人となったCはBに対して賃貸人としての地位を主張し賃料を請求するためにはこの土地について所有権移転登記を備える必要がある。AがDにもこの時を二重に売却していたということもあるからだ。このような場合BはCからもDからも賃料を請求され、二重払いを強いられる危険がある。この土地の所有権移転登記を備えている者だけが賃料を請求できるのであれば、このような二重払いの危険を防止することが出来る。賃借権の登記をするには賃貸人の協力が必要ですが、賃貸人にはこの登記に協力する義務はありませんので、実際に賃借権の登記がされている例は多くありません。

賃貸人の権利義務

賃貸人はお金をもらって貸している以上、きちんと使える状態で貸す義務を負っている。したがって賃貸人が修繕義務を負う。他方で修繕しないで放置していれば建物が傷んでしまう可能性がある。そこで賃貸人が建物の修繕をするときは賃借人はこれを拒むことはできないとされている。

賃借人の権利義務

賃貸人は自分でお金を出して修繕することが出来る。しかし修繕は本来賃貸人の義務であることからその費用は賃貸人が負担すべきである。そこで修繕費などのように賃貸借契約の目的物を使う上で必要な費用(必要費)については賃借人は賃貸人に対して直ちに全部請求することが出来る。では賃借人が建物の屋根をトタンから瓦屋根に葺き替えた場合、その費用は賃貸人に請求できるか。この場合は修繕とは異なり目的物を使う上で必要な費用とはいえないので直ちに全額請求することはできません。しかし瓦屋根にすることにより建物の性能は上がり建物の価格が増加している。このように目的物の価格を高める費用を有益費という。有益費は賃貸借契約が終了した時に賃貸人の選択により瓦屋根に変更した際の賃貸借人の支出額または瓦屋根にしたことによる建物の価値の増加額のどちらかを支払えばよいことになっている。

期間の定めのある賃貸借の更新

たとえばAからBが期間一年間で資材置き場として土地を借りる賃貸借契約を結んでいたとする。Bが契約の更新をした場合どうすればよいか。まず、賃貸人と賃借人の間で合意により更新することが出来る(合意更新)。しかし、合意がなくても、期間満了時もBがこの土地を使い続け、Aがそれを知りながら異議を述べないときは、それまでの賃貸借契約と同一の条件で更新したものと推定される(黙示の更新)。ただし、更新後は「期間の定めのない賃貸借契約」となる。
なお、期間の定めのある賃貸借契約は原則として中途解約はできない。その期間内は賃貸人には貸す義務、賃借人には借りる義務があるからだ。ただし解約をする権利を留保する特約をすれば契約期間中でも解約の申し入れが可能だ。

期間の定めのない賃貸借の解約の申入れ

期間の定めのない賃貸借契約において当事者は何時でも解約申入れができ、解約申入れ日から土地の賃貸借の場合は一年間、建物の賃貸借の場合は三カ月経過することによって賃貸借契約が終了する。

賃借権の譲渡・転貸

・賃借権の譲渡
賃借権の譲渡とは賃貸人としての地位を第三者に譲ることをいう。例えばA主夕の建物を賃借しているBが、貸借権をCに譲渡してCが貸借人となる場合、Bを譲渡人、Cを譲受人という。

・転貸
転貸とは貸借人が又貸しをする場合をいう。例えばA所有の建物を賃借しているBがCに又貸しするような場合、BはAとの関係では賃借人のままだが、Cとの関係では転貸人になる。そして又貸しを受けているCを転借人という。

・無断譲渡・転貸による賃貸人の解除権
賃貸権の譲渡または転貸をするには賃貸人の承諾が必要である。借主本人ならば丁寧に扱ってくれると信じて貸したのに、勝手に譲渡や転貸が行われ、乱暴に扱われれば困るからだ。賃貸人に無断で譲渡や転貸が行われ、転貸人もしくは譲渡人がその建物の使用・収益を開始すると、賃貸人の信頼を裏切ったことになるから賃貸人は賃貸借契約を解除して転貸人もしくは譲渡人を追い出すことができる。
しかし無断での譲渡や転貸が行われても必ずしも賃貸人の信頼を裏切ったとは言えない場合がある。例えば賃貸人の承諾を得ずに同居の親族に賃借権を譲渡するような場合。このように信頼を裏切ったといえないような事情があるときは契約を解除できないとされている。

承諾を得て賃貸権が譲渡されると賃借人は賃貸借関係から離脱するため賃貸借関係は終了し、新たな譲渡人との間に賃貸借契約が生まれる。
これに対して承諾を得た転貸の場合、当初の賃貸借契約は存続し、さらに賃貸人と転貸人との間に転貸借契約が成立することになる。
この場合、賃貸人は賃借人のみならず転借人に対しても賃料を請求することができる。ただし賃貸人賃借人と転貸人転借人の賃料を比較し、低い方の金額までしか転借人に請求できない。

敷金関係

敷金とは賃借人の賃料不払いなどの債務不履行に備えてその担保とするために契約の際に賃借人から賃貸人に支払われる金銭をいいます。賃借人の敷金返還請求権は敷金を建物の明け渡しが終了するまでに発生した賃貸人の賃借人に対するすべての債権に充当してなお残額があるときに初めて発生する。

・賃貸人の変更と敷金関係
例えばAが建物をBに賃貸し、Bから敷金を受領した後Aがその建物をCに売却したとする。この場合、敷金からBの不払い賃料などを差し引いた金額がCに引き継がれる。BはCから敷金の返還を受けることとなる。ただし賃貸借契約終了後に賃貸人Aが建物をCに売却した場合、AとCの合意のみでは敷金の関する権利義務はCに引き継がれない。賃貸借契約が終了しているのにこれに付随する敷金関係のみ継承させるのは妥当ではないから。

・賃借人の変更と敷金関係
たとえばAがBに建物を賃貸しBから敷金を受領した後、BがAの承諾を得て賃借権をCに譲渡したとする。この場合、敷金関係は旧賃借人Bと賃貸人Aとの間で新賃借人Cの債務の担保とすることを約束したり、新賃借人Cに対して敷金返還請求権を譲渡したりするなど特段の事情がない限りCには引き継がれない。

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