【宅建試験】平然且つ公然と条件とか時効とかの勉強
本日は条件と期限、そして時効について勉強していきます。
条件とは
条件とは契約等の効力を発生するかどうかわからない将来の事実にかからせることをいう。「試験に受かったら車をあげよう」というように条件成就により契約の効力が発生するものを停止条件、「試験に落ちたら仕送りをやめる」というように条件成就により効力が消滅する者を解除条件という。
条件の成否未定の間における相手方の利益侵害の禁止
例)Aは現在住んでいる甲建物が売れることを停止条件としてBとの間でB所有の乙建物を購入する売買契約を締結した。ところが条件の成否未定の間にBがAB間の売買契約の目的物である乙土地を故意に、または過失により焼失させてしまい、引き渡すことができなくなってしまった。この場合BはAに対してどのような責任を負うか。
相手方であるAは条件の成否が未定の間も、条件が成就した際には乙建物が手に入ると期待していたはず。そのためAの期待を保護する。条件の成否が未定の間に相手方の利益を侵害した場合は損害賠償責任を負う。
条件成就の妨害
例)Aは自己所有の甲土地が売れることを停止条件としてBとの間でB所有の乙土地を購入する売買契約を締結した。ところが乙土地が値上がりしたため乙土地を契約通りに売却したくなくなったBがAの甲土地の売却を故意に妨げた。この場合AはBに対して何が言えるのか。
Aは停止条件が成就したものと見ない、Bに対してAB間の売買契約の履行を求めることができる。このように条件成就により不利益を受ける者が故意に条件の成就を妨げた時は相手方は条件が成就したとみなすことができる。
条件付き権利義務の相続
停止条件付売買契約は条件が成就するまでの契約の効力が発生しない。しかし契約自体は有効に成立しているため、条件の成否未定の間も当事者間に条件付き権利義務が発生し、この条件付き権利義務は相続が可能である。
期限とは
期限とは契約等の効力を発生することが確実な将来の事実にかからわせることをいう。「2018年8月30日に土地を引き渡す」というように到来することは確実だが、その時期が不確定な不確定期限がある。
時効とは
時間の経過によって他人の土地の所有権を取得したり、貸したお金を返してくれと請求できる権利が消滅したりといった効力が生まれる。前者を取得時効、後者を消滅時効という。
所有権の時効取得の要件
所有の意思をもって、平然且つ公然と、一定期間、占有を継続すると、所有権を時効により取得する。占有の開始時に善意無過失の場合は10年、悪意または善意有過失の場合20年占有を継続すると時効が成立する。
占有は自分で直接行う必要はありません。たとえばAが善意無過失でBの土地を占有、四年間自分で占有しその後Cにこの土地を賃貸。Cが六年賃借人としてこの土地を占有したとする。この場合は合わせて十年になるためBの土地の所有権を時効により取得する。
占有の承継
前占有者から占有を引き継いだ者は事故の占有期間のみ主張することも、前占有者の占有期間をあわせて主張することもできる。ただし前占有者のも合わせて主張する場合、占有開始時の善意・悪意・過失の有無は、前占有者を基準に判断する。
所有権以外の権利の時効取得
AがB所有の土地を勝手にCに貸借した時、これについての契約自体は有効。しかしCが真の所有者Bから明渡請求されればそれに従わなければならない。ところがCが善意無過失で賃貸し、Aに10年間賃料を払い続けたような場合、Cが不動産賃借権を時効により取得し、真の所有者BとCの間に有効な不動産賃貸借が発生する。
消滅時効期間
お金を貸した者は貸金返還請求権をもっているが、請求せずに放置していると時効により権利が消滅してしまう。通常の債権は10年、債権以外の財産権は20年行使しないと時効により消滅する。しかし所有権は時効により消滅することはない。
なお、一定の日常性に有する債権については短期間で時効により消滅する。しかし短期間で消滅する債権であっても、裁判が確定して権利の内容が確定すれば通常の債権と同様に10年間になる。
消滅時効の起算点
消滅時効は権利を行使できるとき、請求できるときから起算する。確定期限のある債権や「死んだら払う」という不確定期限のある債権の場合、期限到来時から起算する。また期限の定めのない債権の場合は債権者は何時でも請求できることから債権成立時から起算する。さらに土地売買契約において売主が引き渡し日に土地の引き渡しをしなかった場合、買主は売主に対して債務不履行を理由とした損害賠償請求権を有するが、この債務不履行を理由とする損害賠償請求権の消滅時効は本来の債務の履行を請求できるとき、すなわち土地の引き渡し日から起算をする。また不法行為を理由とする損害賠償請求権の消滅時効については被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った日から起算する。
取得時効と消滅時効に共通のルール(時効の中断)
お金を貸した者が支払期日から10年間請求せずに放置していると時効により権利が消滅します。お金を貸した債務者が支払期日から9年後に債務者を相手に支払いの訴えを提起した場合については9年進んだ時効までの日にちをゼロにすることができます。これが時効の中断というものです。
取得時効と消滅時効に共通のルール(時効の援用)
時効が完成しても当事者が時効を援用しなければ時効の効力は生じない。事項を利用するかどうかは当事者の自由な判断に任されている。だから時効が完成しても借りたお金を返したい人は時効を援用せずに返済はできる。時効が援用されると時効の効力は起算日にさかのぼり生じる。所有権の取得時効であれば占有開始から所有者であったことになり、消滅時効なのであればそもそも権利はなかったということになる。
取得時効と消滅時効に共通のルール(時効の利益の放棄)
当事者が積極的に時効による利益を放棄することもできる。時効の利益を放棄すると、それ以降は時効の援用ができなくなる。またこの徐行の利益の放棄は時効完成前にはできない。それを認めると、事前に時効利益放棄の約定がなされ、借主に不利だからである。
取得時効については川崎の不法占拠された場所の所で多少理解があります。
やっぱりこんな感じで事実を見て学ぶっていうのが一番ですね。
あそこは悪意なので20年必要です。戦後からなので20年は過ぎています。でも、時効の中断とかを行政の方でも対応しているんでしょうね。そのため取得できていないから問題提起されたのかもしれません。池上町のほうもそのあたりの対応をしているため、あの場所はJFEの土地なのでしょう。私も多摩川の河川敷で「所有の意思をもって、平然且つ公然と、一定期間、占有を継続」しちゃいたいです。