【宅建試験】国土利用計画法について覚える
国土利用法は地価の上昇を抑えるための法律ですが、そもそも山林で地価が上昇することは極めて低いです。上昇してほしいのですがまず期待はできません。そのためさらっとここは覚えていきましょう。
国土利用計画法
地上げなどにより土地の値段が上昇すると土地を購入したいと思っても手が届かず、公共施設を造るための用地取得も難しくなる。また投資目的で売買された土地は有効利用されずに放置されることもある。そこでこのような地上げを規制し、地価の不当な上昇を抑え、土地を有効利用する目的でつくられたのが国土利用計画法である。国土利用計画法は地価の上昇の可能性の程度に応じて全国四つの区分に分け、取引後に届け出をさせたり、取引前に届け出をさせたり、都道府県知事の許可が無ければ取引できないとすることで規制を図っている。
国土利用計画法の四つの区域
・事後届出制
地価が不当に上昇する心配のない地域では、土地の取引をした後で届け出をすることになっている。現在の日本では抑えなければならないほど地価が上昇している区域はほとんどないため、この事後届出制が原則となっている。言っていき尾以上の土地の取引について、土地の利用目的をチェックする。しかし取引額については審査しない。
・事前届出制(注視区域)
注視区域とは、地価が相当な程度を超えて上昇し、または上昇する恐れがある区域をいう。ここでは地価の上昇を抑えなければならないから、土地の取引を行う前に届出させ、利用目的ならず予定されている売買の価格についても審査する。
・事前届出制(監視区域)
監視区域とは地価が急激に上昇し、または上昇する恐れがある区域をいう。監視区域は注視区域よりも地価の上昇を抑える必要性が高いため。注視区域よりも小さな面積でも事前届出をしなければならない。利用目的と予定されている売買の価格も審査する。
・許可制(規制区域)
規制区域とは投機的な土地取引により地価が急激に上昇、または上昇する恐れのある区域をいう。ここでは土地取引を規制し地価の上昇を抑えなければならないため、土地の面積に関係なく都道府県知事の許可が必要となる。
事後届出制
・届出が必要な土地の面積を満たしているかどうかの判断
AがBから市街化区域内の2000平米の土地を買ったとする。この場合Aは契約をした日から二週間以内に取引した土地が所在する市区町村長を経由し。都道府県知事に一定事項を届け出なければならない。
分譲業者が複数人に土地を分譲した場合
分譲業者が市街化調整区域内の2000平米の土地を500平米ずつに分割して分譲したとする。この場合権利取得者は届け出が必要な面積に達していないため届け出は不要。
ひとまとまりの土地を時期をずらして複数回に分けて購入する場合
市街化調整区域内の3000平米の土地を1000平米ずつ三回に分けて購入した場合、これが隣接したいくつかの土地を計画的に買ったのであればそれぞれの契約について事後届出をしなければならない。
複数の売主から土地を買い集める場合
複数の場合においてもその土地が隣接しており、計画的に購入したといえる場合はそれぞれの契約について事後届出をしなければならない。
・届出の対象となる取引
土地の取引には売買、交換、賃貸など様々ある。届け出が必要となるのは土地の所有権、地上権、賃借権を対価を得て移転または設定する契約に限る。地価の上昇を抑えることが法の目的の一つだから対価の無い贈与、相続、時効により所有権を取得した場合は必要ない。なお、耐火は金銭に換算できるものであればよく、必ずしも金銭である必要は無い。したがって交換は金銭の授受がなくても届け出の対象となる取引に含まれる。
例えばAが8月1日にBから市街化調整区域内の2000平米の甲土地を5000万円で購入するという売買の予約をすると、Aはこの予約を実行する予約完結権を取得する。8月1日になってAが買いますというとBの承諾が無くても売買契約の効力が発生する。このように予約完結権を取得している場合、届け出は売買の予約をした6月1日が基準となり、その日から二週間以内に事後届け出をしなければならない。
予約完結権は原則として自由に譲渡できる。予約完結権の譲渡は届出が必要な取引に当たる。また金融機関から購入資金を借り入れることができることを停止条件とした売買契約の場合、停止条件付売買契約の締結日から二週間以内に届出が必要。
・届出が必要な面積
市街化区域は2000平米、市街化区域以外の都市計画区域(市街化調整区域、区域区分の定めのない都市計画区域)は5000平米、都市計画区域外の区域(準都市計画区域、都市計画区域および準都市計画区域外の区域)は10000平米。
事前届出制
地価の上昇の恐れがある区域には注視区域または監視区域とし、土地の取引前に届出をすることを義務づけている。事後届出と異なり、予定対価の額も審査の対象となる。なお、注視区域、監視区域は五年以内の期間を定めて都道府県知事が指定する。どちらの区域も都市計画区域の内外を問わず指定することができる。
・届出が必要な土地の面積を満たしているかどうかの判断
分譲業者が市街化調整区域内の2000平米の土地を500平米ずつに分割して分譲したとする。この場合権利取得者は届け出が必要な面積に達していないが、事後届出とは違い、売主である分譲業者の面積が満たしているため事前届出が必要となる。
複数の売主から土地を買い占める場合、それらの土地が隣接していて計画的に購入しようとしている場合、それぞれの契約について事前届出をしなければならない。
山林を買うとなると2000平米とかくらいの土地を買うこともあるかもしれません。でも地価が安いのでこの法律による届け出は不要ですね。しかし条例などで山林を多く取得した場合は事後届出が必要な地域もありますので購入の際は注意しましょう。