山林生活

【酒は生きている】奄美黒糖焼酎「らんかん」を飲む

【酒は生きている】奄美黒糖焼酎「らんかん」を飲む

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昨年末に「来年は酒を控える」と宣言しました。宣言した理由は若干肝臓の数値が高かったため。要はドクターストップってやつです。酒を辞めろまでは言われていませんが、「多少お控えになった方がよろしいのではないでしょうか?」といわれてしまったため、昨年12月に酒は飲まないと決めたわけです。そして12月は飲まないで年が明けました。
年明け後も付き合いで飲む程度でしたが、バンコクに行って以降は毎日ビールを飲んでいたのです。それでも酒量は減らしていました。帰ってきてからも家では飲まないことに徹していました。飲むなら飲みに出かけるか外出した時だけと決めていたのです。

しかしどうでしょう。現在、外出して外で飲むことがよろしくない状態になってしまいました。緊急事態宣言が発令され外出自粛。そもそも飲み屋が営業を自粛しているわけです。宣言は解除されたようですがじゃあ晴れて飲みに出かけますか、とはなかなかなれません。

別に、家で飲んでもいいんじゃないか?

このような悪魔のささやきが聞こえるんです。昨年から酒量を控えた結果、数値はだいぶ良くなりました。というよりも以前までは前日に飲んで検査をしていました。昔であればそれでも問題なかったのですが、最近はそれをやるとやばい数値になるんです。おそらく分解する能力が落ちているのでしょう。でも前日のまなければ通常の数値に戻るようです。まぁ以前は前日飲んでいても通常数値だったわけですので肝臓の機能は低下している、そのため酒量は控えた方がよいのでしょうが我慢こそ体に毒です。ということで酒、解禁となりました。
これは緊急事態宣言だからです。宣言が解除され落ち着けば宅飲みは辞めるつもりです(つもりです)。

今回買ってきた酒は焼酎です。黒糖焼酎「らんかん」というものです。富田酒造場というところが作っており、私はこちらの酒造のつくる焼酎が好きでよく買っています。

まずは奄美の黒糖焼酎のお話からしたいと思います。
場所は奄美大島です。人生で一度は行ってみたい場所ですね。この黒糖焼酎は奄美地方で作られています。
黒糖焼酎の原料は黒糖、つまりサトウキビです。サトウキビの生産は1600年ことから始まりました。ここで黒糖が作られるようになったのは年貢を取るためだったようです。
奄美大島は敷地も狭く土地も痩せている。そんなことから米の生産が不適切でした。しかし年貢は取りたい。年貢は米で支払うイメージがありますが、地域によっては別のもので年貢を納めます。例えば東京の大島では塩を年貢としておさめていたそうです。奄美諸島では黒糖が米の代わりだったそうです。それが1745年。それ以降奄美ではサトウキビの生産が主となったそうです。
焼酎といえば沖縄の泡盛があります。奄美諸島でも泡盛が製造されていました。近代化し戦争となり米不足に。その結果泡盛の製造は出来なくなりました。その代わりに黒糖を使ったお酒を作り出したそうです。しかし日本は先の大戦で敗戦し奄美大島はアメリカの統治下におかれました。島にはサトウキビがある、酒が作れる環境がある。そのため奄美大島ではラム酒が製造されたそうです。
沖縄と違って奄美諸島は1953年末に日本に返還されました。統治されたのは2年ほどでしょうか。しかしここで日本とアメリカの法律の違いの問題が出てきます。それは酒税に関して。それまではアメリカ主導の琉球政府のもとで作られた酒税法をもとに税金を支払っていたのですが、返還されたことで日本の酒税法が適用されることとなりました。日本の酒税法における焼酎に黒糖を使ったものが明記されていませんでした。つまり黒糖を使った蒸留酒は黒糖焼酎ではなくスピリッツという扱いになったそうです。焼酎とスピリッツでは税金が3割違います。同じような焼酎なのに原料によって税金が変わってしまうわけです。3割高いので販売に支障が出てしまうわけです。そのため特例を設けたそうです。

奄美諸島のみ、米麹を使用するのを条件に黒糖で作った焼酎を黒糖焼酎とする。

いわゆる既得権益というヤツです。つまり黒糖焼酎というものは奄美でしか作れないんです。同じようなものを東京で作ってもそれは黒糖焼酎ではなくラム酒やスピリッツに分類されるのでしょう。つまり黒糖焼酎は奄美で作られたものしかないわけです。今回購入した「らんかん」を製造する富田酒造場さんも奄美大島に酒造場があります。

この「らんかん」もそうですが、この酒造場が販売している焼酎は作る年によって味が少し違うんです。そのため製造年がラベルに記載されています。黒糖焼酎に使われる原料はサトウキビです。国産のものを使用しているそうですが、サトウキビは植物です。その年の気候によって味や香りも変化するのでしょう。そして酒もまた気温や湿度、酵母の状態など様々な影響があるわけです。全く同じものを提供する大手酒造メーカーもすごいですが、こちらのようにその年によって味が異なるってのも毎年の楽しみができてよいですよね。ボジョレー的な「ここ数年で一番出来が良い」とかできるわけですからね。

製造量が少ないため焼酎をメインで取り扱っている酒屋で買うかネットで買うかしなければなりません。富田酒造場のメイン焼酎である「龍宮」の原酒を二年間貯蔵したものが「らんかん」なんだそうです。

度数は44%と原酒のため少し高めです。無色透明でとろみがあります。
黒糖っぽい苦みが少しありますが甘みが強いです。ラム酒とは少し違います。ホワイトラムよりも濃厚です。濃い味ですね。度数が高いので何かで割った方がよいかもしれません。度数が高いため冷凍庫で保存すればさらにドロッとしたものになります。オンザロックか加水して飲むのが適してそうですが、ラム酒やカシャッサの代用品としても使えそうです。ミントを使ってモヒートにしても良し、ライムを使ってカイピリーニャにしても良し。クセがそこまで強くないので色々な飲み方が楽しめそうです。

今回の新型コロナウイルスの影響で宅飲みに切り替えた人も多くいると思います。焼酎でも種類は様々です。そして「らんかん」のようにラム酒と同じように使える焼酎もあるわけです。是非ご賞味ください。ちなみに個人的には同社の作る「まーらん舟」の方が好きです。

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