山林生活

【修羅の国】石堂橋より川向こうの千代散歩(ちよさんぽ)

【修羅の国】石堂橋より川向こうの千代散歩(ちよさんぽ)

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博多に来ております。博多といえば中洲。

博多に来たら中洲で豪遊。
あの小さな島にすべてが詰まっているってところが中洲の魅力です。
都内だとアレをするのはこの駅、コレをするのはこの駅って感じで移動しなければなりませんが、中洲だと全てそこで済ませられるっていうのが良いです。

そのため中洲で朝までコースが理想ではありますが、現実はそう甘くありません。

ない袖は振れぬ。

というよりは福岡は九州一の都市。そのため仕事で来ることが多いのです。
言い訳を言うようで恐縮ですが、もう色々見てるんです。
メジャーなところは一応見ているので本日は趣向を凝らしてちょっと違う博多を見てみようと思います。

本日は博多駅からほど近いが、まぁ観光客が行くことが無いような場所です。
せっかくなんで散歩しようかと。

御笠川にかかる石堂橋です。昔は石堂川と呼ばれていたそうです。
近くには石堂大橋がありますが、今日はこちら側の端から向こうに渡ります。
ここには昔、関所があったようで、川のこっち側は博多、向こう側は別の所という状態だったのでしょう。

橋を渡るとすぐの所に「濡衣塚」という名前からしておどろおどろしいところがあります。


どうやらこの「濡衣塚」、「濡れ衣を着せる」の語源の場所のようです。

■750年ころの出来事

・妻と娘とともにこの地に訪れるも妻は他界。
・妻に先立たれた夫はその土地に住む別の女性と結婚。
・その後妻にも子供が出来るができる。
・後妻は前妻との間にできた子供が憎い。
・後妻は漁師と画策し、釣り衣(つりぎぬ)を前妻との間にできた子に盗まれた。と吹聴する。
・後妻は実際に寝ている子供に濡れた衣を着させる。
・それを知り、父親はその子を殺す。
・あとになって、後妻の嘘だと知る。

これが「濡れ衣を着せる」という言葉の始まりなんだとか。
この話の流れだとこの土地に住んでいる漁師や後妻がクズってことですよね。

また近くには「五人合葬之墓」というのもあります。
こちらは浄土真宗の松源寺というところにあります。

■1800年ころの出来事

・博多には芝居小屋があり大変盛況だった。
・酔っぱらった侍が乱入し大暴れ。
・それを見かねた五人が侍を滅多打ち。
・その五人は博多から千代の方に消えていった。
・侍が死亡。そのため犯人探しに。
・五人を出さなければ村を焼き払うと言われる。
・村民を救うため関係ない五人が罪をかぶることに。
・無実の罪で処刑。犯罪者だから葬式もない状態。

これが「寛政義民五人衆」のお話です。
それが浄土真宗の松源寺に供養塔があります。

これも「濡れ衣」にちなんでますね。

つまりは「あらぬ疑いをかけられるような土地」ってことなのでしょう。
この辺は浄土宗、浄土真宗のお寺が多くありますね!

さて、歩きます。

付近は市営住宅があちらこちらで建っております。
住宅地の割には博多駅まで歩ける距離、近くには福岡県庁や県警の本部もあります。
昔は博多から「石堂橋」を渡ってこのまま北九州に抜ける道だったのでしょう。
しかし博多の中心地に近いところだからか道は大幅に変わっています。
なんとなく「ここ旧道だったんだなー」ってわかる程度です。

古き良き(昭和の)日本家屋です。
都内でも北区などの古い町並みが残ってる場所にしか見れなくなりましたね。
昔はこんな長屋が結構あったと思いますが、それは昭和のお話なのでしょう。
消防法やら建築基準法やらでこのような建物や細路地はもう過去のものとなりつつあります。


「力を合わせ、未来をひらく。by日本共産党」


「力を合わせ、未来をひらく。」


「力を合わせ、未来をひらく。」


「ねこー」

個人的には車も入れないような長く続く細路地ってすごい魅力的なんですけどね。

ここに来た理由は事前情報があったからです。

「治安の悪い地域」

というように言われていたため、一体どんなところなんだろうと思いましたが、こんなところでした。
福岡はロケットランチャーがあったり、発砲事件があったりと、北斗の拳顔負けのイメージでしたが、少し見当違いでした。
てっきりモヒカンで肩パッドのバイク兄ちゃんがいるような場所だと思っていたのですが、違うようですね。
ただ、このあたりの家の玄関を見ると「千代流」っていう札が貼ってある家が多くあります。
これについては「北斗神拳」とか「南斗聖拳」とかの流派を汲むやつかなーと思ったのですが、この地域の呼び方みたいですね。
町の集合体を「流」と呼ぶみたいです。中洲では「中洲流」って書いてありました。博多祇園山笠の際の区分けに使われてるっぽいです。

まぁ日中だったんで治安がどうなのかはわからないですよね。
でもあれだけ市営住宅が乱立しているわけですから人も多いのでしょう。
人が多ければトラブルもそれに比例するのではないでしょうか。

ついつい(猫がいたため)長居してしまいました。
といっても歩いたのは千代三丁目、四丁目だけです。
もっと見たかったのですが、歩き疲れてしまいました。

せっかく来たんだからこの辺で飯でも食べていくかーと思いましたが日中でお店もやっていません。
そのため天神に戻り、ランチです。

博多といったらやっぱり「とんこつラーメン」でしょう。
でも今回は趣向を変えて「うどん」にします。

以前までは博多のうどんはコシが無くて嫌いだったのですが、慣れてくるとさぬきうどんとは違った味わいがあります。
体調によってはこっちの柔らかいうどんの方がおいしく感じることもありますね。

濡衣塚とか知らずに行ったのですが、知らない土地を歩くといろんな歴史を感じることが出来ました。
ただの家を見て回っただけですが、これもこれで結構楽しいんですよ。

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