【インド人を目指せ】CTC製法の茶葉でつくる自作マサラチャイ
今年初めにバンコクに三週間ほど滞在し、帰りに空港で紅茶の茶葉を買って帰りました。その茶葉自体はタイティー用の茶葉でしたが、香辛料と一緒に煮てチャイを作りました。バンコクで買った茶葉ですがおそらく原産国はインドなのでしょう。
それっぽいものはできました。ただチャイで使う茶葉は少し違うものなんだそう。
紅茶も緑茶も同じ茶の葉っぱから作られており、原産国は中国です。昔はインドで生産はされていませんでした。
ヨーロッパでは紅茶のイメージがありますが、もともとは緑茶を飲んでいたそうです。しかも最初にヨーロッパに渡った茶は日本のものだったそう。しかしヨーロッパの硬水と緑茶の相性があまりよくなく、徐々に紅茶を飲むようになったんだとか。
ヨーロッパにお茶が渡ったのが1600年代。1700年代は中国からの輸入が主でした。輸入独占権を持っていたのはイギリス。アヘン戦争の頃のお話です。しかし輸入に頼ってばかりというのも大変だったのでしょう。1800年代にアッサム地方にて野生茶樹が発見され当時インドを植民地支配していたイギリスはその地にて紅茶農園を始めたのがインド紅茶のはじまりなんだとか。
一般的に売られている紅茶の茶葉は砂糖を足すくらいでそのまま飲むために作られています。そしてそれらは高級茶葉。チャイで使用するのは安くて質の悪いヤツを使っているんだそう。一般的な茶葉との違いは細かく砕いた感じのものなんだとか。要はマグロのネギトロ的な感じでしょうか。
そんなカスを集めた茶葉が売っているはずもありません。しかし西葛西はインドです。そこに行けば手に入ると思いました。
紅茶屋さんに聞き、チャイに適したものを買ってきました。購入したのはアッサムでした。これで100gで20~30杯くらい作れるんだそう。
チャイのつくり方は簡単で水に砕いた香辛料を入れて成分を抽出。そのあと茶葉を入れて牛乳と砂糖をいれて温めれば出来上がりです。
なんとなく潰していきます。こちらのすりこぎは100円ショップで購入したものです。
あとは煮ていくだけです。今回使った香辛料はシナモン、丁子、カルダモンです。分量は適当です。100mlの水に漬けて煮沸します。
こちらが紅茶の茶葉です。だいぶ丸まってますね。CTC製法というもので茶葉を細かくして丸めたものなんだそう。このようにすると表面積が広くなるので色味や渋みの抽出を早くできるみたいです。
一度火を止めて紅茶を投入します。少し蒸らす感じでしょうか。2、3分放置します。あとは牛乳と砂糖を入れる。砂糖は入れすぎじゃない?くらい入れるのがポイント。煮立たせないようにして混ざれば完成です。
茶こしで濾して完成です。
一度つくり方を覚えてしまえば簡単にできます。カレーもそうですが最終的にはその人の好みなので香辛料の分量とかは適当でいいんだと思います。今回は少しシナモンが強すぎました。そして八角入れ忘れました。こうやって数をこなしていくうちに自分好みのマサラチャイが出来上がるのでしょう。そもそも何が正しいかなんてよくわかってないですからね。
インド料理屋に行く場合、ランチの時が多いです。ということはカレーを食べます。辛いものを食べるので流し込める飲み物がよい。そうなるとラッシーかアイスウーロン茶とかになっちゃうんです。夜に店に行く場合、今度はアルコールを飲んでしまいます。そんなわけなのでチャイを頼んで飲むことがこれまでありませんでした。インド料理屋を喫茶店代わりに使うこともないです。かといって普通の喫茶店で飲むチャイは何か少し違うような気がするんです。
つまりチャイを飲むためには本場に行かなきゃならんということです。
ミャンマーからインドに行く場合、国境を越えた先はインパールあたりになります。そこから陸路でインドの中心を目指すとなるとバングラディシュとネパールの間にある細いところを通らなければなりません。
この赤いあたりが紅茶で有名なアッサムやダージリン、シッキムと呼ばれるところです。一番狭いところはバングラディシュとネパールの距離が20kmほどしかないです。ブータンとバングラディシュの距離も40kmほど。なんだかすごい細い地域です。
そこに行けば本物のチャイが飲めるのでしょうが、いろんな国境があると色々問題が結構な難所のようです。
インドで一番治安の悪い地域はカシミール地方、インドの西寄りの北の部分です。このあたりはパキスタンとの領土問題があり国境のそばは退避勧告、その付近にも渡航中止勧告となっています。ここに関しては国境の部分なので諍いがあるのは仕方ないのですが、インドにはほかにも問題を抱えているのです。それが東側のインド(アッサムやダージリン、シッキム)で、この地域も色々と問題があるそうです。
東側のインドはインド共産党毛沢東主義派(マオリスト)、ナクサライトという反政府組織によるテロ活動があるそうです。ナクサライトは西ベンガル州にあるナクサバリ(Naxalbari)というところがはじまりなんだそう。土地を持たない小作人に武装放棄させ地主たちを追い出したんだそうです。要は農民一揆、日本でいえば大塩平八郎の乱みたいなもんでしょうか。農奴解放のための一揆を扇動、これだけ聞くと義賊のような感じですが、実際のところ弱みに付け込んで扇動したとも考えられ、何が正義で悪なのかというのはわからない部分です。
インドは大国ですが農村部は昔ながらの生活や慣習が残っており、前時代的な場所も多いのでしょう。カースト制度が色濃く、封建的な身分制度が残っているのでしょう。一部の富裕層が得をして、小作人は搾取されるだけ。そして産まれてくる子供も同じ環境のままという状態で貧困から抜け出せないのでしょう。インド政府も貧困層の対策をしているようですが割り当てられた予算も貧困層までは届かず、官僚などにすべて持ってかれているんだとか。結局貧困問題は改善していないため、定期的に衝突があるのでしょう。武装蜂起から50年以上経ちましたがそのころととくに変わりないようです。
まぁそんな場所で作られた紅茶を飲んでいるわけです。
このあたりには上記の問題以外にも少数民族の独立を先導する組織もいるようです。この地域は中国との国境があります。そのような地域で独立運動があるわけです。またネパールでも少数民族による独立運動があるようです。
誰が後ろで糸を引いているか容易に想像できますが、そういう者たちによるテロや銃撃戦が結構あるそうです。
こういう話を聞くと危険だから行くのを辞めときたいという気持ちもありつつも、日本では絶対に味わえない緊張感が味わえるとも思ってしまいます。
ぜひ現地でチャイ飲んでみたいですね。
現地の味をそれで知って、また日本で作りたいです。でもチャイは牛乳使います。今回もお腹壊しました。インドでお腹壊すのはちょっと不安ですね...。