【世界に一つだけの鼻紙】使用済みティッシュ写真家という仕事
ブログを続ける上で画像を撮影することが多いです。写真を撮ってお蔵入りとなったものも多々あります。そのままHDDのフォルダにしまっておいたところで何の役にもたちません。でもその写真を必要としている人が世の中にいるかもしれません。売れば買ってくれる、それであれば売っちゃおうというわけで先日、AdobeのStockPhotoに登録しました。
一応登録もでき画像も販売されるようになりました。開始してから半月ほど経ちましたでしょうか。現状一枚も売れていません。まぁそんな簡単に売れるもんでもないでしょう。そこまで質の良い写真でもなく、現在50枚ほどしか登録できていません。数が多くなれば売れる可能性も高まります。
しかし登録者が何万人もいるわけです。多くが写真に精通した人たち。そのような中で写真を売っています。買ってもらうためにナンバーワンになる必要はありませんが、特別なオンリーワンにならなければなりません。
技術がない、センスがない。このような中で戦うには発想力で勝負するしかありません。
こちら、一番最初に登録した写真です。街の景色は看板が写りやすいです。とくに飲み屋街とかごちゃごちゃしているところで撮影をすれば看板が写り込みます。看板は「知的財産権の侵害」になる恐れがあるためAdobeでは却下されちゃうんです。無難なモノで攻めるとなるとこういった花や自然の写真になってしまいます。しかしそれでは他の人と同じなんです。しかも他の人の方が機材もよく腕も達者。これでは太刀打ちできないんです。
でも、これだったらどうでしょうか。
いわゆるゴミです。チリ紙。ティッシュです。廃墟やスモーキーマウンテンのようなゴミの山の写真はよく撮られています。ゴミ捨て場のような素材写真もあります。最初はそういった写真を撮ろうと思ったのですが、それでは全く同じ。そのためゴミ単体を撮るようにしたのです。
空き缶や空き瓶は企業名が入っているので知的財産権の侵害になる。包装紙も同じ。文字が入ると却下される恐れがあります。でもマスクやティッシュであれば知的財産権の侵害は避けられます。また捨てられているモノなので所有権も放棄されています。何ら権利関係でもめる心配もありません。
とくに今年はマスクのゴミをいたるところで目にします。街を歩けば簡単に素材が集められるんです。
その辺に落ちてるゴミの写真を撮って売ろうとする奴なんて世の中に私ぐらいでしょう。つまりもともと特別なオンリーワンになったわけです。
これからは“使用済みティッシュ写真家”として歩んでいきたいと思います。
使用済みティッシュ写真家はこのように話している。
――花粉症などの素材のためにティッシュを丸めた写真などはあります。でもそれって人為的に作り出したもので「使用済み」ではないんですよね。それっぽい写真を撮ってるだけ。それは嘘の写真でもあり、ティッシュに対して失礼だと思うんです。
ティッシュってね、生き物なんですよ。
生きているからその日その時の表情が撮れるんです。
約20cm四方のサイズなのに形は自由自在。もともと大きさは一緒なのに表情は全く違うんです。なんでしょうかね。子供の成長を撮っているような感じに近いですね。愛くるしいじゃないですか。
雨が降るとグシャってなっちゃうんです。これはかなり日数が経ってしまっていますね。
このようなティッシュも哀愁があってよいのですが、
やはり新鮮な時のティッシュが“映え”ますね。これとかだと捨てられて数時間しか経ってないです。
ティッシュは紙なので水気をよく吸うんです。雨が降れば水を吸いぐしゃぐしゃになります。それと朝方は夜露に濡れて湿ってしまうのです。そのため“イキのよいティッシュ”を撮るのであれば昼過ぎが一番。理由はランチを済ませた人がティッシュを使って道端にポイ捨てするからです。これが一番新鮮なティッシュを撮る方法です。
ティッシュはその日その時で常に顔が変わる。よいティッシュに会えるかどうかはその時次第。
使用者によって千差万別。理想のティッシュに会えるかどうかはその時になってみなければわからない。
世界に一つだけの鼻紙、出会いは一期一会。
※ 中にはウエットティッシュが混ざっていることもあるから注意が必要。
――最近撮影した中で一番好きなのはこちらの使用済みティッシュです。ティッシュの新鮮さ、丸まり具合、捨てられた場所、全てがパーフェクト。
使用済みティッシュって使用した人の歴史、ヒストリーを感じることが出来るんです。このティッシュは若干湿ったところがあります。体液、まー多分これは鼻水でしょう。このティッシュの使用者はここで鼻水をかんだんだなぁ。花粉症なのかな?と思いを巡らせるわけです。
使用済みティッシュとは世界そのものだと思うんですよ。ティッシュは捨てられた直後と時間が経ってからでは形や見た目が変化します。湿度や雨だけでなく風や人為的なもので変わっていくのです。丸まっていたのが解かれることもあります。
諸行無常。この世の心理。まさにティッシュとは宇宙そのもの。
宇宙を感じることができる、それを皆に知ってもらいたく「使用済みティッシュ写真家」となりました。
これからも良い作品をあげていきたいくため、色々な場所に行き色々な使用済みティッシュを撮影していこうと思います。
却下されてる!画像の美しさまたは商業的なアピールが足りない!
画像をご提出いただきありがとうございます。残念ながら、審査の結果、アドビが求める美しさまたは商業的なアピールが足りないためコレクションに追加することができませんでした。
要は売れないものを審査に出すなってことです。軒並み却下されてしまいました。
ちなみにこちらは審査が通った使用済みティッシュ。どっちも同じ使用済みティッシュにしか見えませんが...。ゴミ売って一山当てるつもりがダメでした。誰もやってないからこれで行けると思ったのですが、誰もやってないのではなく審査が通らないことが多いので誰もやらなくなったという感じでしょうか。楽して稼ぐのは難しいですね。
それはそうとミラーレスではなくスマホで撮った写真でも審査が通りました。たしかにミラーレスカメラで撮影した方が質が良く鮮明なものが撮れます。でもそのような高解像度で高画素の写真はプロが提供しています。そのためカメラは不要となりました。つまり旅行にカメラは持っていかなくてよくなりました。今後はゴミ以外の写真もちゃんとアップしていこうと思います。