【リサイクル】ゴミのガラス瓶を解かして新しいものを作る
先日山林小屋を掃除したところ大量の瓶がありました。
紙類は燃やす。燃えないゴミは持ち帰っていました。でも瓶や缶などのリサイクル品はそのまま山林に放置したままだったのです。
とくに最近はワインをよく飲みます。ウイスキーであれば日持ちがするので飲み続けられます。焼酎は紙パックを買っているため残りません。でもワインは瓶だし栓を開けたらその日に飲み切っちゃうんです。結果的にどんどん空き瓶が溜まっていきます。このまま持ち帰ってリサイクルに出せばよいだけですが、なんだかこれ使えそうじゃないですか。空きビンとして利用するのではなく、一度ガラス片にして再構築する、つまりガラスを製造できるんじゃないでしょうか。
ガラスの融点は1300℃くらいなんだとか。軟化温度は700℃ほど。木炭の燃焼温度は1000℃ほど。気合を入れると1200℃ほどになるそうです。つまりこの瓶を粉々に砕いて炭と一緒に焼けばガラスを再構築できるってわけですよね。コップ作ったり皿を作ることもできるってわけです。実際できるかどうかわかりませんが、これはやってみなければわかりません。とりあえず見切り発車で作っていきます。
まずは下処理からです。ワインの瓶にはラベルがついているので剥がしていきます。熱湯に浸けておけば剥がれるのですがなかなかお湯を用意できる環境ではないので水に浸けます。これで一日放置します。
そうするとこんな感じで綺麗にラベルが剥がれます。でも綺麗にはがれる瓶もあれば全然剥がれない瓶もあります。剥がれないやつはその辺に落ちてる石でガリガリやって剥がします。そこまできれいにはがさなくても大丈夫でしょう。
ぼちぼち綺麗になったんじゃないでしょうか。きれいにラベルを剥がした後は粉砕の作業に移ります。割って細かくしなければなりません。
結構飛散するので100円ショップで買ったバケツの中に同じく100円ショップで買ったステンレスのボウルをいれます。飛び散らないようにビニールを被せながらハンマーでガンガン潰していきます。結構大変な作業です。もう少し使えそうな器具があるとよいんですが手元にこれしかありませんでした。
ふるいにかけ細かいのを選別します。これがガラスの元になるはずです。これを繰り返し続ける形です。
しかし緊急事態発生。志半ばでバケツが大破しました。そりゃ当然です。ハンマーで叩いてるわけですから。こういうのは鉄製のもので何とかしなきゃですね。
そんなわけで一部漏れちゃいました。片付けるのメンドクサイ。
まだ細かくなってないガラスがこれだけ余っていますが作業中断となってしまいました。でもせっかく作業を始めたわけです。何か作りたいですよね。
ということで土を持ってきました。土を燃やしたものが土器となります。また陶磁器も土を燃やしています。作る際の温度の違いもあるようですが、材料の差もあるんじゃないかと。土にガラス片混ぜて焼成したらそれっぽいものができそうな感じがしませんか??
というわけで土にガラスの粉を混ぜていきます。
一応角を取るためペットボトルにガラス片を入れてシェイクしました。これで怪我せずに取り扱えるはずです。
土に水を混ぜてガラス片を投入。あとはこねくり回していきます。
ガラスの量が少ないのか見た目は普通の土です。
こねくり回して成形しようと思ったのですが、どうも粘土というより砂っぽい手触りです。この土は元々井戸を掘削した際に出た残土です。粘土ではなく砂礫のような材質の土でした。そのためコシがないんです。
とりあえず一つはボウルに貼り付けました。乾けば形状が維持できるはずです。これは少し乾かしておきましょう。
こちら、この状態で焼いてみようと思います。茶碗のつもりで作ったのですが灰皿みたいな形状になってしまいました。でもこれで陶磁器が出来るんだったら新たな発見ですよね。まさか千葉の山林で曜変天目茶碗が作られる日が来るとはだれも思っていなかったのではないでしょうか!
火力がいまいちなんでブロワーで温度を高めていきます。
いい感じに燃えてるんじゃないでしょうか。炉ではないので温度の不安はありますが、しっかりと焼けてるはずです。そして一晩おいて出来上がったのがこちらです。
ほぼゴミ!茶碗どころか灰皿にすらならない。
素焼きで出来た丸い何かって感じです。木炭を投げ入れてたのでそのせいで潰れちゃいました。
でもこの部分だけちょっと光沢があって硬いんです。多分ここは高温にさらされていたので溶解して固まったんじゃないでしょうか。ちゃんと作るのであれば窯が必要なようです。
追加で灰皿を二つ作りました。
地味な作業ですがこれらを三日間ほど費やしてやっていました。その結果小屋の改修工事はしていません。実に山林生活っぽい感じじゃないでしょうか。技術のある人であれば相応のものを作れるのでしょうが何の技術も知識もないと出来るのは素焼きの丸い何かです。多分世の中の大半の人が「素焼きの丸い何か」しか作れないと思うんです。
でもこれは最初の一歩です。失敗は経験の元。
ということで次回も全く同じ工程で焼いてみたいと思います。