繊維街尾張一宮にあった花街「花岡新遊地」の名残り「花岡発展会」
本日は愛知県の一宮市に来ております。
こちらはJR尾張一宮駅です。
人口37万人が住む一宮市、その中心が尾張一宮のあたりでしょうか。ウールの世界三大地と呼ばれる地域で尾張一宮は繊維街だったそうです。
いわゆる繊維工場がある工場街で女性従業員を多く雇っていたため女工の街とも呼ばれたそうです。そこで働く女性従業員を織姫と呼んだんだとか。
ただ近年は海外製品に押され工場は閉鎖。名古屋まで20分程度で行ける尾張一宮はベッドタウンとなっているようです。
ベッドタウンといっても人口37万人の都市です。その中心の駅ならお遊びスポットもあるでしょ!って駅の周りを散策するもそれっぽいのがない。一応キャバクラはあるんです。でもキャバクラ街みたいな飲み屋街はなくポツンと一軒だけあるくらいなんです。駅前は居酒屋やラーメン店はありますが心躍るお店はないみたい。やはり車社会だからそういう店がないのでしょう。でも一宮区役所の近くになると少し増えます。
性風俗店ではないけれどそれに準じた店がある。私のイメージするアカスリとは少し様子が違う!
こちらはキャバクラビルです。
やはり地方の人は東京に憧れるのでしょうか。東京を冠した夜間飲食店は地方に結構あります。でも東京ガールズの多くは上京ガールズなんです。東京生まれの東京育ちは実家があるので金銭的負担が少ないです。でも地方出身者は家賃などの負担が多くなる、生活のために飲み屋で働くんでしょうね。愛知出身者も多いのではないでしょうか。つまり上京ガールズは同郷ガールズだったりして。
駅前には数える程度しかありませんでしたがこんな感じで市役所そばは多くあるんです。稼ぎの少ない企業戦士から搾取するよりも安定の公務員を相手にした方が稼げるのでしょう。
役所のそばにあるキャバクラや準性風俗店。これらは公共事業で間違いない!
一宮警察署の先にも飲み屋街があります。飲み屋街といっても雑居ビルがあってそこに飲み屋が集まっているだけです。あるのはフィリピンパブにガールズバー、ラウンジにスナックといったところ。ごく普通の飲み屋ビルって感じ。
この界隈には暴力団お断りのシールを見かけます。どこの飲み屋街もこのシールはあるんですがなんかすごい主張してくるんですよね。そんなにヤクザが多いんでしょうか。
警察署のそばなのに??
一宮といえばモーニング。諸説ありますがモーニング発祥は一宮なんだとか。
先ほどお話した通り一宮は繊維街でした。工場は機械の音がうるさくて話し合いができないため商談をする際は喫茶店を利用していたそうです。このように喫茶店を使ってくれるのでお礼で朝食を出したのがはじまりなんだとか。今日は朝から一宮に来ています。ちょうどお腹もすいたころ。やっぱり一宮モーニング食べたいじゃないですか!
っていってもまだ日が昇ってすぐのころです。開いている店は限られています。こちらの店早くから営業しています。モーニングが食べられる。いいじゃないでしょうか!
こちらの店もヤクザに対し厳しい態度のようです。刺青、ヤクザ、サンダル履きの人は入店禁止です。
もしかして、ぼく、やくざ??
愛知の朝飯はドレスコードがあるようです。
こちらの道の名前は花園通りです。なんか花園に続く楽園のような道の名前です。もともとこの辺りは花園町って町名だったそうで通りの名前に残っているそうです。
花園通りを進むと大江川にぶつかります。架かる橋の名前は花岡橋です。
この先は花岡と呼ばれるところにつながっており通りの名前は花園通りから花岡通りに変わります。かつてこの先に花岡新遊地って色街がありました。
同地に花街ができたのは1922年頃。繊維業が盛んだったこの場所に花街ができたのは必然だったのでしょう。料亭や芸妓小屋が軒を連ね大人気スポットでした。
こちらは花岡神社です。花岡神社には4つの祭神がまつられており、出雲大社の大国主命、伏見稲荷大社の宇迦之御魂神、秋葉神社の火之迦具土大神、八ツ白龍神の白龍黒龍の二神がまつられてます。
同社は花街守護を祈願するために勧請したそうで最初は龍神様だけでしたが色々な神にあやかるため色々なところから勧請しいろんな神様がいる感じになっています。
出雲大社は縁結び、伏見稲荷は商売繁盛、秋葉神社は火事防止の神様、龍神様は歯の神様。とりあえずここなら何でも願いが叶うようです。
花岡新遊地造成の際に最初に社を建てたんだとか。そう考えると神社自体の歴史は浅いですが、ここは花街の中にある神社です。その浅い歴史の中でも濃い歴史があるのでしょう。
灯ろうには大正10年の文字があります。おそらく料亭か芸妓小屋が寄付したのでしょうね。
神への願いが届いたのか花街は大盛況でした。しかし時代の流れで花街はなくなりました。
こちらは神社脇にある小路です。小さな店が並ぶ飲み屋ストリート花岡小路。いわゆるスナック路地的なやつでしょうか。尾張一宮駅前にはなかったのに郊外の住宅地の一角に突如現れるスナック街。
これはいい雰囲気ですね。
花街だったためこのような店があるのでしょう。
また近隣を見渡すと料亭や旅館が目立ちます。周りに何もないのにビジホがあるのも不思議です。でもそれもこれも花街だったからあるのでしょう。
神社の脇には公園があります。花岡町ちびっ子広場という児童公園。遊具が設置されており子供が遊べる公園です。
一宮は繊維業で発展し花街も大盛況でしたが現在はベッドタウンになっています。花街の料亭よりも子供向けの遊び場のほうがよい。もうここは普通の住宅街になったのでしょう。子連れ親子がこの公園に集まるんでしょうね。そして遊具で遊ぶのでしょう。
そんな公園そばにあるヘルス店。これは大人の公園。そしてオプションで大人の遊具が使えそうな店。
そう、この付近なぜか性風俗店があるんです。花岡には花街がありました。料亭ができ芸妓小屋があったわけです。
芸は売っても身は売らぬ、これが芸妓プライド。でもそのスローガンを掲げるってことはそれに反した人も多くいたのでしょう。
現代風に言えば、
キャバクラ嬢「私たちはマクラはしません!」
って言ってるようなもの。
でも連れ出しキャバクラは存在するし、個人的にマクラをする人もいるんです。つまりそういった店がここには存在したそうです。そもそも花岡花街ではなく花岡新遊地です。
名称に花街要素はゼロ。むしろ遊郭要素の方が強めなんです。実際は娼妓と芸妓がおり。どちらも楽しめるところだったそうです
でもそれは終戦まで。戦後赤線街となりました。
赤線を経て売春防止法施行後は風俗街へ。現在この界隈は花岡発展会と呼ばれ町内にヘルスやキャンパブがあるようです。
サロン・デ・マイレディー。
ちょっとおしゃれな雰囲気を出してますがやってることはオシャレじゃないのでしょう。
隣の店は潔い。
逆にオシャレにすら見える。
こちらはキャンパブとヘルスがある建物。ヘルスは風俗店ですがキャンパブは普通の飲食店。二つの業種が一つにまとまっているのは珍しいです。
看板がオシャレ。でも中でやっていることはあまりオシャレじゃありません。
グラフィティーと思いきや営業時間が書いてある。
普通の住宅街の様子はゼロ。おそらくかつての一宮の中心は市役所あたり。花街が駅前じゃなく少し離れた場所にできたのは配慮だったんでしょう。今でも配慮が必要そうな感じですからね。
って思ってたんですがかつては鉄道があったそうです。一宮線って路線で名古屋から一宮を結ぶ路線がこの界隈を通ってました。鉄道が鉄道が開業したのは1913年、つまり遊郭ができる7年ほど前。ほぼ風俗通うための電車だったのでしょう。
鉄道は1965年に廃止、売春防止法施行から7年後に廃止されました。車社会となったのが廃線理由ですが赤線廃止となったのが一番の理由のはずです。
医療機関じゃないのに医療機関っぽい雰囲気。これは厚生労働省に報告しなきゃダメなレベル。医師じゃないのに診断するのは医師法第17条に違反します。例え医療従事者だとしても医師免許のないものが医業を行ってはダメなのです。診断しちゃった時点で違法店になります。
でもよく見てください「しちゃう」のあと、文末に三点リーダーがあります。言葉に含みを持たせているのでしょう。
診断するかどうかはわからない、つまり医師法第17条に反しないんです。でも景品表示法の優良誤認表示に該当します。
それに比べると店名ははっきりしてます。なんか「ひき肉です」みたいな店名。でもこちらの店はそのユーチューバーが産まれる前から存在する店。つまり○○です!の起源を名乗ってもよい店です。
でも看護師じゃないのに看護師を名乗るのは保健師助産師看護師法第42条3項に反します。
しかもこれは断言しちゃってる!
店名 ナースです…にしなきゃダメなパターン。
このひき肉です!の元祖の店、早朝だけどすでに明かりがついています。
まさかの日の出営業。
日の出営業。
現在は法律が変わりこの言い方はしないのでしょうか。
風営法の関係で夜間営業は禁止されかつては営業ができるのは日が出てからでした。日が出てからなので地域により時間差があります。とうぜん西の方が日の出は遅くなり、日本では2時間ほど差があるんだとか。法の下に平等に反するとなったのでしょうか。2016年の法改正で一律6時からになりました。この手の日の出営業をしていた多くはトルコ風呂、つまりソープランドでした。でも花岡発展会にはソープランドがないんです。赤線のなれの果てはソープってのが決まりですがそれがここにはないんです。
いやかつてはソープランドがありました。花岡神社の脇にソープがあったそうです。
さすがは女工の街。でも出てくるのは織姫ではなく泡姫。
しかしそれらの店はすでになくなりました。
花岡神社を中心に発展した花岡新遊地。中心地から離れたこの場所はいつしか人気がなくなったのでしょう。花街としての役割はとうになくなり、残ったのは数軒のスナックと風俗店でした。しかしその風俗店も年々減少傾向にあります。
既得権はあるものの縛りのある業種。なかなか思うように続けるのが難しいのでしょう。とくに一宮は名古屋にも岐阜にも行ける立地。岐阜なんて10分くらいで行けるんです。岐阜金津園なんてまさに遊ぶための街です。
名古屋だっていろんな店が選び放題なんです。
客は他の地域に取られてしまうのでしょう。客足は減り一軒また一軒と閉店していったのです。そのため町内にあったソープは閉店し、今ある風俗店も風前の灯火の状態です。現在花岡にある風俗店は8店舗...
結構残ってる!
名古屋の中村大門より店舗数が多い!
近隣都市に風俗街が複数ある一宮。それにもかかわらずこのような街が残ってるのは利用者が結構いるのでしょうね。人口37万人もいるんです。使う人がボチボチいるのでしょう。そして地元の店が一番良いんでしょう。閉店している店はあれどまだまだ残る店もある。大正から続く花街はまだ生き残り続けるようです。
ちなみに花岡発展会は一宮市役所から500mの距離にあります。徒歩圏内。つまりこの街も公共事業。