【マッドシティ】松戸駅東側に遊郭の名残りを求めて
千葉県松戸市。インターネット上では治安の悪い都市の意味で「マッドシティ」と呼ばれています。東京との県境に位置する松戸駅は江戸川沿いにありなんとなく川崎に雰囲気が似ています。そこに住む人たちが悪いのか、それとも悪い人たちが集まってくるのか。結局のところ川沿いはどう頑張っても治安が悪くなるのでしょう。
ネットではこのように悪いイメージで呼ばれるマッドシティですが、松戸市の民間企業が「Mad City」と自称しているようです。ネット上では狂っているヒャッハーな人たちがいる街という意味を込めてマッドシティと呼ぶようになったのでしょうが、それを自称して自虐しているわけではないようです。coolという言葉に「カッコいい」という意味があるように、madにも「優れた」という意味があるようです。このように言葉は生き物で常に変化します。
マッドシティ松戸が優れた松戸となる日は来るのでしょうか。
実際に松戸はそこまで治安が悪いわけではありません。むしろ犯罪発生率は千葉県内では低し、むしろ川を渡った足立区や葛飾区の方が犯罪発生率は高いのでしょう。治安が悪いのは駅前のほんの一部なんだと思います。
そんなマッドシティを散策します。
マッドシティ感が強い!
このごちゃごちゃっとした感じ、いいですね。パチンコ、麻雀、ダーツにカラオケ、マッサージに飲み屋。キャバクラとガールズバーもありますね。松戸の不夜城とはここのことではないでしょうか。
イトーヨーカドーです。松戸のイメージってこれなんですよね。1980年にできたので40年以上前からここにあるわけですね。
旧水戸街道は駅の反対側。こちら側は後から発展したのでしょうね。
ちょっと気になる店を発見しました。お店の名前は「サクライでんき」という如何にも電器屋で、実際に電器店なんですが夜は居酒屋経営をしているそうです。
確かに電器店なんですよね。
おでん気家なのでおでん屋っぽいですね。
しかもヤマダグループ。電器店で間違いなようです。
新宿の小田急ハルク二階にあるビックカメラには立ち飲み屋がありますが、さすがにおでんは出してないでしょう。すごい気になるけどランチ時間は飲む人がいないわりに電気食うから居酒屋営業をしていないんです。これは夜に松戸来たときに行くしかないですね!
本日は松戸に宿泊する予定だったのですが、あるのは東横インくらいでビジネスホテルが少ないんです。
西口側にホテルがあり、そちらに宿泊をしようと思っていたのですが外観がどう見てもラブホだし、休憩もあるので明らかにラブホなんです。でも楽天トラベルで予約できるし県民割の対象でもあるんです。まぁ旅を楽しむという点ではこのようなホテルも割引対象になってよいのでしょうが、観光目的の旅ではなくアレ目的の旅になりますよね。
でも見てください。東口側には細路地に入るとビジネスホテルがあります。
ホテル予約サイトでは見かけませんでしたがこういった隠れ家的なビジネスホテルもあるんです。住宅街の中なので静かだしゆっくりできそうです。
やっぱラブホかよ!
こちらは松戸市役所脇にある神社「池田弁財天」です。ここは平潟遊郭の名残りのある神社のようです。
遊郭のそばには神社仏閣がつきものです。性風俗営業と宗教団体がまるで深くつながりがあるような感じですが、玉垣に女郎屋の名前が書かれたりしているあたりから、持ちつ持たれつの関係だったのでしょう。こちらの弁財天は性病予防にご利益があるんだとか。
子供だけで入るのは危険ですが、知らないおじさんと子供だけで入るのも危険な感じ。場所は松戸市役所脇ですが、ビルとビルの隙間ですごい薄暗いです。
性病予防のご利益があるというのはここの伝承から。文久三年、平潟遊郭で働く遊女おつるが性病に罹り、池田弁財天に祈願をしたところ、病気が治ったんだとか。つまりこちらは松戸市役所脇にある性病科。
その当時は抗生物質などはなく性病の治療方法は対処療法しかなかったのでしょう。
淋しき病に梅の毒、その当時蔓延していた梅毒や淋病は自然治癒することはなく、ただ単に症状が治まっただけでしょう。
その後もおつるが遊女を続けているのであれば、利用者の多くは性病の被害者となっているのでしょう。
私もそんな性病被害者の一人。今のところは完治してますが、今後別の病に侵される危険もあるわけです。
「どうか、これ以上ちんちん痛くならないことが切なる願いです」とお願いしていきます。
ここの鳥居、すげー低いんです。罰が当たったのでしょうか。鳥居に頭ぶつけました。
こちらは岩山稲荷です。松戸駅のあたりは平地ですが、駅前が平地なだけで少しずれると高台となっています。
このお稲荷さんも名前の通り山になっています。
少し異色なところがあるとすれば
特殊浴場が隣にあるってところでしょうか。
角海老は吉原でかなり大きな妓楼でした。この角海老とは歴史的つながりはなく名前を借用しただけのようです。でも現在の角海老も首都圏に30店舗もあるし、「困った時の角海老」なんて言っていた時期もありました。利用者も店舗数も多いため吉原の角海老よりも大きいのではないでしょうか。
定期的に見せしめのように摘発に遭っていますがなんだかんだで生き残っているのが凄いですね。
角海老といえばボクシングです。まるで「性風俗営業と興行ビジネスの根っこは同じじゃけん」って言ってるようなもの。
うわさですがここのジムでトップになるとトップのソープ嬢と一戦交えることができるそうです。
ここにこの店があったのは以前から知っていました。見ての通り常磐線のそば。
駅前ソープの名をほしいままにする角海老。広告効果は絶大ですね。
ちなみに現在の水戸街道、国道6号線の近くにも角海老があります。
ここの見た目は華屋与兵衛とかそういった類のお店にしか見せません。角海老を知らない人はマジで海老料理出す店だと勘違いするくらい街並みに溶け込んでいます。でも結構交通量の多い場所にある特殊浴場。なかなか入りづらい場所ですね。
そんな角海老の隣にある岩山稲荷ですが、神社と興行師の縁は切っても切れない仲。しっかりと奉納してます。
こちらにも角海老グループの創設者の鈴木正雄氏の名が記載されています。
鈴木氏は幼少のころ苦労したそうですが18歳のときに吉原界隈で車夫となり、その後女郎屋を開業。のちにその女郎屋がソープランド「角海老」となったようです。記した通り角海老は摘発にあっており鈴木氏は売春防止法違反などで10回も逮捕されていますが一度も実刑は喰らってないそうです。
名の知れた女郎屋の創業者。かつては政界と深くつながりがあったのでしょう。こういうのを見るとやはり特権階級が日本には存在しており、四民平等ではないってのが伺えます。
松戸駅はマッドシティと言われていますがごく普通の街でした。昔はもっと薄暗くて殺伐としている印象があったのですがそれらは改善されているようです。川崎に似ているなんて言ってましたが、川崎の方がMadだしCrazyな街でした。近年は柏や流山にスポットが当たってますが“グッドシティ松戸”も案外よいところかもしれません。