【退かぬ媚びぬ省みぬ】テキーラの聖帝 サウザ・ブルーの正しい飲み方
高いお酒は作るのに年月をかけるためまろやかで深みもあり味にまとまりがあります。
そういうのもいいんですが値段も高いし日頃の晩酌で飲めるわけではありません。そのためできるだけ安くておいしいものを探します。夏場であれば発泡酒。最近の発泡酒はなんだかんだでおいしいです。個人的には氷を入れてうすめて飲むのが一番おいしい飲み方。そうすることで雑味が減ってグビグビ飲めるんです。でも秋も深まりこれより寒い季節となります。これまでのように水代わりに酒を飲むのではなく、じっくり酒を嗜む時期となります。そうなるとハードリカーに手を出したくなるもの。
普段であれば焼酎をチョイスするのですが最近は洋酒を飲むようになりました。
先日もテキーラを手にしました。
予定ではホワイトテキーラを選びたかったのですが、スーパーで手に入るのはクエルボくらいでした。
クエルボのレポサドは値段も手ごろでよいのですが求めているのが少し違うのです。
罰ゲーム的なテキーラが飲みたい!
テキーラを飲むとやはりこの気持ちが出てきます。
プレミアムテキーラもいいんです。でももっと泥臭いテキーラが飲みたくなるんです。
ってことでこちらを購入しました。サウザです。
先日呑んだクエルボ、そしてサウザはテキーラの二大巨頭です。今回購入したのはサウザシルバーの一つランク上の「ブルー」という商品です。
以前はブルーなんてなかったと思います。またボトルデザインもだいぶ変わりました。
サウザブルーとサウザシルバーは使用している原料が違うようで、ブルーは100%ブルーアガベを使用、シルバーはブルーアガベを51%以上使用しているそうです。このようにテキーラはアガベ(リュウゼツラン)の樹液を使用するのですが、ブルーアガベってやつが品質の良いんだとか。要は山田錦みたいな立ち位置でしょうか。よい材料を使えば高くなるんですが、シルバーとブルーの価格の差は200円程度でしたので後者を購入しました。
サウザという呼び名は日本だけのようで正式名称は「サウサ」と濁らないようです。
1873年にドン・セノビオ・サウサがハリスコ州で開業。元々この地域で作られる蒸留酒「メスカル」を地元の地名「テキーラ」と名付けて販売をしたんだそう。その後テキーラを全世界に届け、4大スピリッツの一つにしました。
テキーラが有名となり偽物や産地偽装品が出回った時期もありましたが、それを阻止するために三代目のドン・フランシスコ・ファビエル・サウサがメキシコ政府に働きかけてテキーラのブランドを確立させたんだとか。現在は四代目のルピータ・サウサ。このようにサウサ家一子相伝でテキーラを築き上げてきたのです。
つまり聖帝十字陵みたいなもんです。
現在のサウサ社はバーボンウイスキーのジム・ビームで有名なビーム社傘下ですが、そのビーム社は2014年にサントリーに買収されたため日本企業が作るテキーラとなっているようです。
そのため輸入者も製造者もサントリーです。
クエルボはアサヒ。つまりアサヒとサントリーでバチバチやっているようですが、色のついていないテキーラはサウザの方が有名です。熟成していないテキーラはカクテルベースとして使われることが多く、サウザはどこのバーでも置いてある銘柄です。そして罰ゲームの時に飲むのもこちらのテキーラなんでしょう。
ってことで飲みます。ショットグラスにテキーラを注ぎます。手元にはライムも塩もありません。まずはそのままで飲んでみます。
なんか、すごい美味しく感じる。
一応テキーラの味わいがあります。アルコールのトゲトゲした感じはなく「うーん。マズい!」って感じがしないんです。サウザテキーラってもっと飲みづらい印象がありましたが、これが100%アガベの力でしょうか。なんとなく高品質のグラッパを飲んでる感じです。
「一応テキーラの味わい」と言ったのはテキーラ臭さ、泥臭い感じが弱めです。だから飲みやすいのでしょう。テキーラの泥臭いのが苦手って人にとってはちょっと泥臭いし、逆にテキーラの泥臭いのが好きって人にとっては物足りない状態です。けしてまずいわけではなく味は美味しいんです。2000円程度でこの品質なのであれば十分です。
「バランスの取れた味わい」
テキーラなんだからテキーラっぽさを出せばよいのですが、そのような風潮に「退かぬ媚びぬ省みぬ」の精神で代々受け継がれてきたサウザシルバー。150年続く老舗の味でした。
ブルーはこのままショットグラスで飲むのがよさそうです。ロックで飲むと味がぼやけてしまいます。塩とライムを用意するのもいいんじゃないでしょうか。アルコール度数が40%あるので飲み過ぎは注意しなければなりませんね。