ゴールドと呼ばせない!クエルボ・エスペシャル【レポサド】
酒は百薬の長なんて言われていた時代もありましたが、現代では一滴の酒も体に良くないと言われています。常習性もあり体への負担も大きい酒。本来であれば禁止すべき“薬物”なのでしょう。しかし禁止にしたところでうまくはいきません。禁酒法の失敗例があることからそのような法律は出来ないのでしょう。また酒販メーカーや酒に携わる仕事をしている人は多くいます。近年は若者の酒離れが加速していますが若くたって飲む人は飲むんです。
そんな体に良くない酒、健康のために酒量を控えるようになりました。また以前であれば度数の高い酒を選んで飲んでいましたが、最近は酒精の低いもの選びがちです。とくに夏場はビールが主となります。アルコール度数は5%前後。これであれば肝臓の負担は少ないのでしょう。
でも、やっぱり負担の大きな酒を飲みたくなるんです。
夏の暑い時期はのど越しの良いビールでよいのですが、気温が落ち着くとゆっくり飲める酒を選んでしまいます。ウイスキーなどのいわゆる茶色い酒です。グラスに注ぎ、香りを楽しみながらチビチビ飲む。そういった至福の時間を過ごすのも乙なものです。
ってわけでこちらを購入しました。テキーラのクエルボ・エスペシャルです。一般的にはクエルボゴールドと呼ばれています。
ウイスキーもいいけど、いいのを選ぼうとすると高くなります。テキーラもいいのを選ぼうとすると同じように高くなります。
先日はポルフィディオ・アネホを飲みましたが、あれは15000円くらいするプレミアムテキーラなんです。でもこのクエルボは安いところだと1500円くらいで買える比較的安価なテキーラなんです。
クエルボにもランクが一つ高い「イチハチ」や「ミルオチョ」と呼ばれるクエルボ1800がありますが安い酒には安い酒の魅力があるんです。
高級なお酒もいいけれど、こういった雑な感じの酒もいいですよね。私がまだ20歳くらいのころ、家でカクテルを作りたいと思い始めて買ったテキーラがこのクエルボでした。ある意味想い出のお酒です。
本当は罰ゲームとかで飲む色のついていないホワイトテキーラを飲みたかったんですがスーパーに売ってなかったので今回はこちらのゴールドを飲みます。
テキーラにはいくつか種類があり、熟成させないで出荷するホワイトテキーラ(ブランコ、シルバー、プラタ)と熟成させたテキーラがあります。
2カ月以上の熟成テキーラをレポサド、1年以上熟成させたものをアネホ、3年以上はエクストラアネホといった具合に熟成期間によって名称が変わります。
今回購入したのは「ゴールド」です。
ヴァッテッドモルトなのにシングルモルトと誤認するようにピュアモルトという造語を作ったり、ウイスキーの名前に漢字を使い国産ウイスキーのように見えて実際の生産地は外国だったりと日本でも消費者を騙すようなことが当然のように行われていますが、テキーラも同じように欺瞞行為があるようです。この「ゴールド」は「ただ色を言ってるだけで熟成年数は関係ない」そうです。記した通りレポサドになるためには2カ月以上熟成しなければなりません。レポサドを名乗らない「ゴールド」はレポサドと未熟性のテキーラを掛け合わせた「ピュアテキーラ」なんです。レポサドを名乗れないからゴールドという造語を作ったのでしょう。
でもクエルボゴールドの日本代理店であるアサヒのウェブサイトを見てみると「クエルボはレポサドです」と書いてあります。
一般的にはクエルボゴールドと呼ばれていますが、確かに瓶に「ゴールド」の文字はありません。いや、多分昔はゴールドって書かれていたような気がします。現在ゴールドを名乗ってないってことは原材料を見直したのでしょうね。つまりちょっと高級な酒になったようです。
久しぶりのクエルボです。最後にのんだのはコロナ前の2018年ころ。
いつものようにドクロマークのショットグラスで。テキーラの産地・メキシコではドクロは縁起物なので適したグラスです。
自分の舌が変わったのか、もっとトゲのある味わいでしたが今飲むとだいぶ丸みがあります。
良く言えば味にまとまりがあり飲みやすくなった。悪く言えばテキーラっぽさが弱くなり荒々しい味わいが消えてしまった。そんな感じです。これが熟成による影響なんでしょう。
別にマズイわけじゃないんですがテキーラを求めて飲むにはちょっと物足りなさを感じます。やはり罰ゲーム的なテキーラを求めるのであれば熟成してないヤツを選ぶべきなんでしょうね。
いつも通りストレートで飲みましたがカクテルベースにしても問題ないです。一番手軽に作れるのはテキーラサンライズ(グレナデンなし)でしょうか。オレンジジュースとテキーラだけで作れます。グレナデンの赤色とオレンジジュースのオレンジ色をグラデーションで「朝日」を演出しているため、グレナデンなしだとサンライズでも何でもないただのテキーラのオレンジジュース割りですが、これでも充分おいしく飲めます。
ジンやウォッカ、ラムは最近スーパーでも取り扱う種類が増えてますが、テキーラはクエルボかサウザくらいしか見かけません。そもそも日本に輸入されるテキーラが少ないのでしょう。沖縄の泡盛のようにおそらくテキーラも地元だと色々あるんだと思います。日本に輸入されないのであれば現地に行って味を確かめるしかないですね!メキシコは治安悪いしあまり興味のない地域でしたが、近い将来、もしかしたらハリスコ州テキーラ村にいるかもしれません。