ラム酒に近いタイのブランデー「MERIDIAN」はかなり美味しい
コロナの影響で宅飲みが主となり、外で飲む機会が減りました。
コロナ以前から基本一人飲み。外で飲むのも家で飲むのも変わりありません。強いて言うならアテが外の方がおいしいのを選べますが、料理も酒も店で頼むと高くなります。コンビニや酒屋で買って家で飲む方が安く済ませられるため、ついつい宅飲みになりがち。そしてそれはバンコクでも同じです。
しかしタイではお酒の販売ができない時間帯があります。
販売ができる時間11時~14時、17時~24時。これ以外の時間は酒類販売ができません。一応仏教国なのでそれが原因っぽいです。あと、仕事中は酒を飲まないようにしているみたいですが、あくまでも販売が禁止なだけで事前に買っておけば普通に飲めます。しかし買ってないと飲むことができない。コンビニのレジは販売禁止時間帯は酒類が通らないようになっているんだとか。そのため顔見知りだとしても買うことはできないんだそう。ツケがきくようなところやレジのないところであれば買えるみたいですがそういう店を知りません。17時から酒盛りを始めたいと思ってもその前に酒は買えないため、17時までまってから外出します。
バンコクで飲む酒は基本的にビールです。昼も夜も暑いバンコク。薄味のビールがこの気候には合います。でも今回はちょっと違ったお酒も飲んでみたいです。ってわけでスーパーやショッピングモールなどを見に行きました。
記した通り酒類販売に時間制限があるため酒屋が成り立たないのでしょうか。リカーショップ専門店っていうのが少ないです。全くないわけではありませんが、リカーショップといっても洋酒を扱う店ばかり。モルトやリキュール、ワイン、そして焼酎や日本酒。タイのお酒は売っていません。
日系スーパーに行けば山崎もありますがノンエイジでもかなり高いです。山崎の定価は4200円くらいですが、ここでは25000円以上。12年に至っては55000円以上。ちなみに12年の定価は10000円で日本の市場価格は20000円くらいです。
この値段で売っているってことはこれで買う人がいるのでしょうね。バンコクに持ってくると5倍以上の値段で売れるんです。8掛けでも40000円。なんか一儲けできそうな臭いがしますね。
いいちこが970バーツ、二階堂は1085バーツ。円ではなくバーツです。1円は3.85バーツ。つまり焼酎は3.8倍の値段で取引されているようです。
タイへの酒類持ち込みは1本(1リットル未満)であれば免税なんだそう。山崎12年をバンコクに持ち込めば4万で買い取ってくれるんだったら飛行機代を少し安くできますよね。定価で買えれば3万円儲けがあります。転売ヤーですが違法ではないですからね。免税の差額で稼いで飛行機代を浮かせるってのもありですね。なんだったら成田の免税店で購入した酒を持ち込めば日本の酒税分もなくなります。荷物制限のあるLCCに乗るよりも普通の飛行機の方が安く乗れる可能性があります。タイ国内における酒類の個人販売に関する法律を知っておく必要がありますが、この辺ちゃんと調べてみるとお得に旅ができそうです。
現在いるのが日本人街のため日本の酒が売っていますが、せっかくバンコクにいるのです。日本の酒が恋しくなる時もあるのでしょうが、私はこういうのではなくタイのお酒を飲みたいのです。タイといえばメコンウイスキーですが今回は違う酒を飲んでみます。
今回購入したのはこちらです。
「MERIDIAN」という名のブランデーです。
ブランデーとはワインを焼く、つまりワインを蒸留してできたものがブランデーになります。今回購入したMERIDIANはブランデーとなっているのでぶどう酒を蒸留したものなんでしょう。ってことでネットで調べてみたところ「ブドウなどを原料にした」と書いてあります。
など??
一般的なブランデーはブドウを使います。ほかにはリンゴが原料のカルヴァドスやマールでしょうか。そのほか果物を使って醸造・蒸留したものを総称してブランデーと呼びます。
このMERIDIANはブドウ以外にパイナップルも原料にしているんだとか。パイナップルワインって飲んだことないし、パイナップルを使った蒸留酒も初めてです。一般的に言われるブランデーとはちょっと様子が異なりますが、これもこれで良いんじゃないでしょうか!
材料にパイナップルを使用しているという情報はネットに書かれているだけで、瓶には原料がかかれていません。わかることはタイ原産ってことと度数が38%ってことだけ。
まずはストレートで。見た目は普通の茶色いお酒です。
口に含んだ瞬間はほのかにスパイシーさがありますが、口の中にはフルーティーさが広がります。ひとえに甘い。ブランデーとは違った甘さがあります。MERIDIANは4年熟成のようで樽の香りもしっかりしているのですが、甘いってところが一番の印象。
これ、ラム酒だな。
近いのがロンサカパ。甘みがあり樽香がしっかりとしている。アグリコール・ラムっぽい感じです。
そもそもタイのお酒は表記が不明瞭なところがあります。タイで有名なメコンウイスキー、ウイスキーといえばモルト、つまり麦が原料です。ブレンデッドは別の穀物が入っていますが、基本原料は麦です。しかしメコンウイスキーの主原料はサトウキビなんです。
95%がサトウキビ、残りの5%は糖蜜と米、それに香辛料。つまり麦を一切使っていないけど「ウイスキー」と名乗っています。ほぼサトウキビ。これってラム酒と変わりないじゃないですか。香辛料が入っているためスパイスドラムと同じです。
今回購入したMERIDIANも原材料は不明ですが、飲んだ感じからサトウキビが多く含まれていそうです。というより主原料はサトウキビなんでしょう。日本では主原料を書かなければならない法律があります。イングランドではウイスキーを名乗るためには原料や製造方法などの規制があります。タイにはそれがありません。極端に言ってしまえばビールをブランデーとして売ることもできるのでしょう(できないと思いますが)。そのためMERIDIANもラムっぽいけどブドウやパイナップルを使ってるからブランデーと名乗ってるのかもしれません。
でもこれ、かなり美味しいです。
ブランデーではありません。あきらかにラム酒です。これはラム酒として飲むのであればかなりアタリです。この手の安酒って寝かす年数が短いのでトゲがあったりアルコール臭かったりするのですが、MERIDIANはかなり丸みがあります。そのためストレートで飲めます。ナイトキャップとしてはちょうどよい酒ではないでしょうか。
せっかくパイナップルを使った酒なのでチチとかピニャコラーダとかのカクテルにしてもよいかも。
私はタイティーで割ってみました。Cha Tra Mueというタイで有名なブランドのタイティーです。ちょっと激甘なんですが、それがタイの気候にあってます。
ブラックティーと割るといい感じです。MERIDIANの味も引き立ち、紅茶の味も楽しめます。
MERIDIAN、ラム酒として売り出せばラム酒の勢力図が変わりそうです。