インドにある鉄道そばの住宅密集スラム「ザキラスラム」
こちらはデリー市内を走るロタックロードです。デリーの西側にあるハリヤナ州ロータクとデリー市内を結ぶ幹線道路です。片側三車線の大きな道路。一応歩道が用意されていますがこの先歩道はなくなります。
そもそも歩いてよいのかも不明です。海外って歩行者の人権がないに等しいです。とくに車社会のインドでは歩行者の扱いが雑です。歩道もなければ横断歩道もない、信号もあまり見かけないし見かけたとしてもほとんど守られてない。信号がないため車が走り抜ける中を気合で渡らなければなりません。毎回死ぬかもしれない気持ちで渡ってます。常に轢かれるかもしれない気持ちでいるべきで「かもしれない横断」をしなきゃダメなんです。
ベトナムとフィリピンの交通事情は最悪でしたがインドはさらに上をいっていました。まぁでも東南アジアではごく普通の光景でしょう。基本的には焦らず渡れば怖くありません。そこまで飛ばしている車はいないのでゆっくり渡ればよいのです。クラクションスゲー鳴らされるけどバイクも車も止まってくれます。
クラクションって威嚇しているように思えますが日本語では警笛。つまり注意を促すためのものなんです。インドの場合あっちこっちで警笛が鳴ってますが別に怒ってるわけではないようです。
たまに怒ってる人もいるけど。
この広さでも横断歩道が無いため渡るしかない。普通の道ではそこまででもありませんが幹線道路だと車の速度が早めです。結構気合が必要です。
できれば現地インド人と一緒に渡りたいです。インド人を右に!して渡ると渡りやすいです。
ゆっくり渡れば怖くない。これまで道路を横断していてぶつけられたことは一度だけです。
やっぱ当たってる!
こちらのロタックロード。
現在いる場所はオーバーパスになっており道路下は線路があります。こちらはザキラというオーバーパスで橋の下の線路の周りはスラム街なんだとか。
国鉄のそばにはスラム街ができる。
日本もかつて国鉄そばにスラム街がありました。電化されていない鉄道は粉塵を撒く、そのため線路沿いは住むのに不適切な場所。空気も悪く環境のよい場所ではありませんが駅の近くは物資や人が集まります。そのため仕事にありつけるのです。
この橋の下にあるのはザキラスラム、もしくはジャキーラスラムと呼ばれるところ。最寄り駅はダヤバスティー駅。最寄りというよりスラムの中に駅があります。
国鉄の小さな駅で東側にはデリーサライロヒラ駅があります。デリーサライロヒラ駅は北部につながる主要駅でそっちのほうは利用者が多いのでしょうか。ダヤバスティー駅は利用者は少なそうです。
インドは鉄道が市民の足となっています。ラッシュ時間など関係なく常に混んでる印象です。それだけ多くの人が鉄道を利用するのでしょう。駅は鉄道にアクセスする場所なわけですから駅そばにスラムがあるのは好ましくありません。そのためスラムは排除される傾向にありますが小さな駅だと排除されないのでしょう。駅の周りがスラム街となっており線路に沿って広がってあるようです。
ザキラはかなり大きなスラム街で約3万坪の土地に12000戸以上の建物があり7万人以上の人が居住しているんだとか。つまり2.5坪程度の家がひしめき合っておりプライベートスペースは0.4坪。畳一枚分以下のところで生活している計算です。デリー市内で一番住居のあるスラムのようです。
デリー開発庁が把握している範囲のデータなので実際はもっと人が多く住んでいるかもしれません。デリーの北側にブホールスワっていうゴミ処理場を抱えた地域がありますが広範囲にスラムが点在しているだけで一般の住宅も入り混じっています。いわゆる足立区みたいなところ。
なんか足立区にスラムがあるような言いよう。
インドにある足立区。ちょっと気になりましたが結局行かずじまい。
本日はバルジットナガルのスラムを通り抜けアナンドパーパッドにあるスラムを経てザキラスラムに来ました。
まさかのスラム三連発。
インド旅行二日目で巡るところじゃねえ。そもそも旅行で行くところでもねえし。
でもインドにはスラムを巡るツアーがあります。外国人観光客向けにスラムツアーが用意されてます。登録されてるだけでも670あるデリーのスラム。それだけあれば観光資源になるのでしょう。スラム観光は良い趣味とは言えませんがそれによりスラムが潤うのです。現地のガイドがスラム街を案内するツアーでそれに参加すればリスクなく町を観光できます。またガイドの説明があるため詳しい話が聞けます。そしてガイド料はそこまで高くないようです。
でもガイド付きって行動に制約がありそうだし自由度がないのが嫌なんです。
私は海外旅行も旅行会社のパックツアーではなく自身で航空券を取る個人旅行で行ってます。パックツアーで旅行したのは一度だけです。個人旅行だと自分で手配しなければならない分面倒な作業は増えますが自由度が違いますからね。ツアーじゃない方が自由なのです。そもそもツアーに参加しなくともインドはスラムが点在しているので気軽に行けます。
いや気軽に行っちゃダメなところ!
こちらの階段からスラムの中に入れるようです。
ヒジャブを被った女性が目立ちます。スラムにはモスクもありムスリムがいるようです。でもヒンズー教の寺院もあるので特定の宗徒のコミュニティではないようです。
あまり内部の方には行きたくない感じ。
スラム街は入りやすいところと中に入りづらいところがあります。ザキラスラムははいりづらい部類です。
スラムって地図上には道がないのですが一応建物に沿って道はあります。スラムの中心に人がすれ違える程度の道がありそこから枝葉のように分かれている街であれば中まで入っていけるのですが出だしから先の道が予測できないような場所は中へ行くのは勇気がいります。ザキラは入っていけないタイプのスラム。
これがガイドがいないときの弊害です。ネット上で調べても内部構造がわかるわけもなくかといって現地の人に聞くこともできない。とくにスラムの中はリスクと隣り合わせです。多くがごく普通の人たちですが当然非合法組織に従事する人もいるわけで安全ではありません。
当初は街の奥に行こうとしていたんです。でも階段を降りた瞬間に空気感が変わり。これ、ダメなやつだなって感じがしたんです。少しでも危険と肌で感じたら引き下がるその選択をする勇気も必要です。
スラムはガイドがいない方が自由度がない。
ザキラスラムの最深部まで行けませんでした。
でも雰囲気は味わえました。そもそもここに来るまでもスラムの中を通ってきてます。もう、スラム街はお腹いっぱいです。
こちらダヤバスティー駅です。これが国鉄の駅前。
ゴミが散らかり放題だし衛生的じゃないです。ウンコもその辺に転がってるので歩きづらい。そして食べ残しのカレーも結構落ちてる。
カレーかウンコかわからない茶色の何か。
カレー色したうんこなのか、ウンコ色したカレーなのか。
もう私の靴の裏には茶色の何かがついています。
この靴の裏に着いた茶色いのはカレーかな。
たぶんそれ、うんこです。
プラットホームなのに砂なんですよね。地雷のようにうんこが埋まっている砂。普通、砂の中に埋まっている糞って猫の糞ですがここだと人糞の可能性もあるんです。
うんちちゃんと片付けられてえらいえらい。
いや人が歩く以外のとろこにしてほしい。
そして当然のように牛がいます。これが駅のプラットホームなんです。牛は神聖な動物だから殺さないしそのままにする。インドには牛が多くおり駅の中にもいます。当然線路沿いにもいるわけで衝突事故もあるんだとか。
神聖な動物なのに扱いが悪すぎる。
このゴミだらけのところも駅前。
デリーの北の玄関口デリージャンクション駅から3駅先にあるダヤバスティー駅。北千住をデリージャンクション駅とすると千代田線でいえば北綾瀬のあたり、常磐線でいえば金町のあたり、東武伊勢崎線でいえば梅島あたり、ここはほぼ足立区なんです。
さすがに足立区はここまで酷くない。もう少しマシなはず。足立区には牛いないしね!
絶対に電車利用しなそうな人が駅にいます。
ザキラスラムの北側にはインダーロックというメトロ駅がありますがそちらへは線路で道が寸断されている上に線路沿いはスラムの住居があり道がありません。大通りに出るのも大変なので駅の歩道橋を使って向こうに渡るのでしょう。駅前に行けばバスがあります。バスに乗るために駅の中をとおっているのでしょう。
ちょうど出勤時間帯。
人口の多い地域なので多くの人が出社するのでしょう。
本日はザキラに立ち寄りました。多少治安が悪そうな雰囲気でしたが普通の街。ただ単に人が多いところでした。