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日本最大のヤードタウン在日アフガン人の多い「四街道リトルカブール」

日本最大のヤードタウン在日アフガン人の多い「四街道リトルカブール」

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全ての道はローマに通ず。
私は中国から陸路でイタリアまで行くことを考えています。中国から東南アジアを通りインドへ。パキスタン、アフガニスタン、イラン、イラクと中東を経由しトルコへ向かうルートが理想的なんですが、パキスタンは渡航中止勧告地域だし、その先のアフガニスタンは退避勧告地域。そのためウイグル自治区を経由しキルギス、ウズベキスタンを巡るルートになるのでしょう。

おそらくアフガニスタンは一生行けない外国なのでしょう。
中東って料理もおいしいし、魅力的なところが多いんです。そんなわけなんで一度くらいは行ってみたいんですがそれは難しそうです。でも、日本にいながらアフガニスタン旅行を楽しめるところがあるそうです。

こちらは千葉県四街道市にある四街道駅です。
四街道の名の由来は船橋道、千葉町道、東金道、馬渡道、成田山道の街道が交差している地域のためこの名がついたそうです。

五街道市じゃねーか!

どうやら東金道と馬渡道は一つにカウントするようで、四つの街道があるからこの名がついたそうです。

本日四街道に来たのはアフガニスタンの風を感じるため。

日本にアフガニスタン人が増えたのは2001年9月11日以降です。
アメリカ同時多発テロが起き、それにより300万人のアフガニスタン人が行き場を求め世界各国に逃げたそうです。その行き先は日本も含まれていました。しかし難民の受け入れに渋い日本。増えたといっても受け入れたのは10年間で30人程度でした。このようにかつては難民をあまり受け入れていなかったようです。ただ2020年以降は徐々に緩和していったようで2022年のアフガニスタン人の難民受け入れは147人となりました。

2022年時点の在日アフガン人の数はおよそ5000人ほど。そのうちの約2000人が千葉県に住んでおり、そのうちの900人が四街道市に住んでいるようです。ちなみに佐倉市は500人ほどいるようなので3割近いアフガン人がこの付近に住んでいます。
中東の人たちは文化や宗教の違いがありなかなか日本に馴染めなさそうですが、各所にコミュニティができ、ここ四街道にはアフガニスタン人のコミュニティがあるようです。そしてこの付近にアフガン人が集まる理由は仕事があるからのようです。

千葉県にはヤードと呼ばれるところがあります。
英語で解体屋のことをジャンクヤードやスクラップヤードと言い、千葉にあるヤードも自動車解体業者です。

千葉県はヤードが全国で一番多い地域でその数は約650カ所もあります。しかも7割が四街道市と隣接するの佐倉市に集中しているようです。
ヤードが多い理由は首都圏に近いため廃棄処理される車が多く輸送がしやすい、スクラップされた車は海外に輸送するため千葉港があるこの付近は最適な場所なのでしょう。

そして比較的土地が安いってのが一番の理由です。

とくに四街道など自然と調和している区域は市街化調整区域が多い地域です。佐倉街道や東関道沿いは市街化調整区域のため住居や商業施設の建築に制限がかけられています。建物が建てられないため市街化調整区域の土地は利用価値が低いため価格がかなり安くなります。しかしヤードは建物を必要とせず広い土地であればよいわけで、低価格に市街化調整区域は理想的な場所なのです。

このような理由により四街道はヤードが多くあるんですが、いろいろトラブルを抱えているようで騒音問題や油脂の流出による環境被害、そして不正に入手した自動車を扱う違法ヤードもありそれが悩みのタネなっているようです。
ちなみに自動車盗難件数で一番多いのは愛知、次いで大阪となっており、千葉は三番目に多いようです。
かつては盗難車をそのまま輸出していたそうですが、税関の監視が厳しくなったころから千葉県内にヤードが増えだしたそうです。盗まれた車が違法ヤードに持ち込まれ、分解して千葉港から東南アジアなどに輸出しているようです。

このような経緯により千葉県には多くのヤードができ、それが犯罪の温床となっていました。そのため2015年に初めてヤード規制条例が施行されました。
一定の抑止効果はあったようですが、違法ヤードの撲滅とはならなかったようです。とくに盗難車に関しては「知らなかった」で押し通されればそこまでなんです。結局はいたちごっこになっているようです。

もちろん全てのヤードが悪ではなく、多くはちゃんと営業しているところなのでしょう。
四街道のこのあたりのヤードもおそらくしっかりと届出をして営業しているはずです。
ちなみにヤードの多くは外国人経営者のようです。

かつて戦後、日本国内にはバタ屋、屑屋といった業種がありました。
いわゆる古紙回収や廃品回収業がそれにあたります。現在の言葉でいえばリサイクル業になるのでしょうか。
終戦となり満州からの引揚者、祖国に帰らなかった韓国朝鮮人が街に溢れ、都市部では人でごった返し仕事もない状況でした。そのような中唯一働けたのがゴミ集めだったのでしょう。誰もやらない、誰もやりたくない仕事しかなかったのです。とくに資格も必要なく低予算で始められる仕事は社会から爪弾きにされた人ができる唯一の仕事だったのでしょう。
それは現代でも変わらずあり、ヤードは現代版の屑屋なんです。ヤードも同じように当初は資格もいらず低予算で始められる業種でした。厳密に言えば古物商の免許、産廃収集の許可が必要なのでしょうが、とくに古物商に関してはかなり微妙な免許です。そのため無届無免許ではじめた人も多くいたようです。

四街道のヤードも当初はそんな感じで曖昧に創業したのでしょう。
ただ現在はヤード取り締まり条例により気軽に始められなくなりました。ちなみに新規ヤードはほぼないそうです。

ヤードの多くが外国人経営者ですが四街道市にあるヤードの8割は、アフガニスタン人が経営しているそうです。
つまりここは、ほぼアフガニスタンと思ってよいのではないでしょうか。

といってもただの四街道市だし、普通の日本です。少しばかり中東系の顔立ちの人が多いだけです。
でもせっかくアフガンタウンに来てるんです。ここいらで食事にします。

アフガニスタン人が多く住んでいるだけあり、付近にはハラルショップや中東料理店がいくつかあるようです。

本日はこちらの店に行ってみました。アジアのエスニック料理「アリアン」です。アフガニスタン人の多い四街道にあるアジアンレストラン。これはアフガニスタン料理が食べられるはずです!

お店に設置してあるテレビでは音楽を流していますが、ヒンディーソングとなっているのでインドのポップスを流しているようです。私はもう少し西の方に行きたい!

もっと左の方!インド人を右に!

メニューを探してもアフガンの文字が見当たりません。どちらかというとインド強め。唯一パキスタン料理が中東に近いのでしょうか。

これが一番良いのではないでしょうか。
ビリヤニはインドやその周辺国で食べられる米を主体とした料理ですが、アフガニスタンのプラウがその起源なんだとか。トルコではピラフ、スペインではパエリアと呼ばれています。ビリヤニはほぼアフガン料理ってことでよいんじゃないでしょうか!

インド料理屋で食べるやつと同じ。
ビリヤニはアタハズレがあるのですが、こちらのはアタリのようです。
ただ毎度ビリヤニ頼むと思うのですが、量が多いんですよね。個人的にはこの半分の量でいいんですがどの店に行っても異常に多いんです。これってシェアして食べるやつなのでしょうか。毎回ビリヤニ食べるとお腹いっぱいでその日何も食べられなくなります。

まったくアフガンの風は感じませんでしたが、少しだけインドの左に行けた気がします。
私にとってみればパキスタンもアフガニスタンもイランも差が分からないんです。食べてる料理だってハラルなんだしどの国も似たようなものなんでしょう。インドは毛色が違いますが似たようなもんなんです。アフガニスタンっぽさは味わえるはずです。

中東っぽさのあるアフガンタウン四街道。ただでさえ行きづらい中東がほんのちょっとだけ味わえます。まぁ四街道も充分行きづらい場所ですが。

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