科学技術によって進化した!蒸留なしの度数が30%もある純米酒
ビール、焼酎、ウィスキー。
私が最近飲むのはこの三つがメインとなっています。最近ではやはり安い焼酎がメインです。やはり安くて気軽に酔える焼酎は迷える日本男児にとって最高の飲み物です。でも地方に行くとその土地の酒が飲みたい。そうなると日本酒を手に取ることが多いです。
日本酒も嫌いではありません。とくに熱燗が好きです。「お酒はぬるめの...」なんて歌がありますが、私は熱めの燗がイイ!と思ってます。真冬は焼酎のお湯割りとかウィスキーのお湯割りとかよりも断然日本酒です。
まぁ冷も飲むので何でもいいっちゃいいんですが。
先日お話しした「ふなぐち」。あれも日本酒でしたね。結局はアルコールが入っていればなんでもよいのだと思います。
しかし私が山小屋に滞在するときはもっぱら焼酎かウイスキーになります。その理由は日本酒は保存が難しいからです。
醸造酒はアルコール度数が20度以下で封を開ければ劣化も早く、味も低下します。
冷蔵庫で保存が出来ればよいのですが、夏場のアウトドアの環境では残念ながら冷蔵保存ができません。
そのため醸造酒を買うとしても飲みきりサイズのワンカップが日本酒はメインとなっていました。
しかし、そんな私の悩みを叶える酒があるんです。本日はそれをご紹介します。
concentration 作 凝縮H
名前が日本酒らしくありません。度数が30度の日本酒です。
厳密にいうと日本酒ではありません。酒税法上の日本酒には入りませんが、れっきとした日本酒です。
お酒は穀物を糖化し、そして発酵。発酵の過程でアルコールが生まれます。
ただアルコールが生成されるのにも限度があり、おおむね20度がリミットなんだとか。
20度まで行くと、アルコールで酵母が死滅。そのためここが上限なんだそうです。ウイスキーなどは醸造した酒を蒸留しているため度数が高くなっています。このように醸造酒は度数が20度くらいが限度なのです。
しかしこのお酒はアルコールが30度もあります。
新潟にも越後武士さむらいというアルコール度数46度の日本酒がありますが、あちらは醸造アルコールを添加したものです。そのためリキュールという扱いになっています。この「作」も雑酒という扱いになっています。
日本酒に原料は米・米麹と書かれているのが一般的ですが、こちらは原料を見ると「純米酒」と書かれてあります。つまり日本酒を原料にした酒ってことです。
ではなぜ30度もアルコール度数があるのか?
記した通りアルコールにより酵母は死滅するため20度以上の酒は醸造できません。でもこちらの製品は科学技術が使われているそうです。
三菱化学株式会社が開発した「ゼオライト膜」を用いてアルコールと水を分けることが出来るそうです。これまでアルコール度数を高めるためには煮沸して蒸留する方法しかありませんでしたが、これによりそれ以外の方法で度数を高めることが出来るわけです。イメージとしてはアルコール分を濾した感じでしょうか。
蒸留してしまうと熱で味が変化しますが、この方法であれば味はそのままで度数を高められます。これぞケミカルな味ってわけです。
これであれば日持ちもするし新しい日本酒の姿になるでしょう。
実際私は購入して飲んでみました。
アマゾンとかで売っていればよいのですが、残念ながら見つからないため三重の酒屋に電話して郵送してもらいました。
飲んだ感想は、度数の高い日本酒。
そのままですみません。度数が高いためアルコールの刺激が強いです。
しかし焼酎とは違って角があるわけでもなく、また日本酒本来の甘みや風味がそのまま残っています。
アル添した日本酒ではない、純米酒っぽい感じ。でもかなり強め。最初常温で飲みましたが冷やした方がピリッとします。
そして度数が高いため冷凍庫で冷やすこともできます。
これは将来的に流行りそうですね。と思ったのですがもう二年前に発売しているのですね。
流行らない理由は...。
5400円/375ml
この値段が流行らない理由でしょう。
ちゃんと見ていなかった私が悪いのですが四合瓶だと思っていました。届いたのは二合瓶。
二合で5400円。送料と代引きで6000円越えでした。一升の酒が1000円くらいで帰る時代に30倍の値段がするんです。
ちなみにこのお酒のもととなっているものが四合で1300円なんでおよそ8倍の値段ってことですよね。そもそもの値段が結構高い。
美味しいのは美味しいです。しかし金額を考えるとちょっと普段飲みはできません。
一升で3万円近いわけですからね。高級酒です。3万だったらなんか別のお酒買えちゃいますよね。
興味本位で飲んでみましたが、もう少し安くなるまで待つべきなんでしょう。ふなぐちくらいの値段でコンビニで買えたらかなり売れるのでしょう。
しかし大量生産できるわけでもなく、まだ始まったばかりです。もう少し待てば安くなるのかもしれません。
日本酒といったら代々受け継いできた酒造りの技術を守り、それを継承してきたことでできる産物のような感じですが、それだけでは古いものに囚われているだけなのでしょう。このお酒のように継承してきた技術と最新の技術を組み合わせて造るのが本来のモノづくりなんだと思います。文化も重要ですが革新も重要ってことですね。
度数を高めることで配送コストを下げられるようになりました。また品質管理もしやすくなっています。今回はそのまま飲みましたが、水割りすれば普通の日本酒として提供できるようになります。まさに江戸時代のころの三倍酒が現代の日本酒の度数のまま実現でいるようになったわけです。この技術革新は日本酒を世界に広げることができるでしょう。