ホームレス御用達?の高級酒「ふなぐち」
皆さま一度は見たことがあると思います。
しかし手に取る、また口にした人は少ないと思います。
今回お話ししたいお酒は菊水酒造がだしている「ふなぐち」です。
恐らく大体のコンビニのビールコーナーの脇のところにひっそり置いてある黄金色っぽいアレです。
これってホームレスの人が買う用に用意してあるやつでしょ?
私も昔はそのようなイメージしかありませんでした。
ホームレス御用達の大関。
アル中でホームレス御用達の紙パックのストロー酒。
そして冷でおいしいホームレスの高級酒「ふなぐち」。
「ふなぐち」はコンビニ酒の中でも少しだけ高いんです。
安く済ませるのであれば紙パックのヤツですが、例え社会的な地位が低かろうとも、時には贅沢をしたいもの。
そんな時、この「ふなぐち」はちょっとした贅沢なのかもしれません。
以前、川崎に住んでいた時にホームレスに飲ませていただいたのが、このお酒でした。
※なぜ川崎でホームレスの人にお酒をごちそうしてもらったのかというところには触れないでください。
恐らくその方は奮発したのでしょう。見栄を張りたかったのでしょう。
わざわざ私にこの酒をごちそうしてくれました。
当時はそんなことも知らず、ただ汚いおっさんに手渡された「アルミ缶に入った酒」という印象だけでした。
味についても飲んでいた場所が場所だけにそこまで味わえていませんでした。
封が閉まってるから大丈夫だろう。
多分この程度でしか思っていませんでしたが、普通の時に飲んでみると意外においしいのです。
日本酒は大吟醸が一番!所詮は本醸造、所詮はコンビニ酒でしょ?と思うかもしれませんが、侮るなかれ。
なんと度数が19度もあるんです。一般的な日本酒よりも度数は高めです。そのため酔いやすい。
このあたりはアル中御用達です。
そして味は甘めです。近年、日本酒は国内だけでなく海外にも進出しています。
飲みやすくきりっとした端麗辛口。どこの店に行っても大体がこの「端麗辛口」です。
しかし日本酒はやっぱり「芳醇旨口」が一番でしょう。
「これおいしいー。水みたいでスルっと飲める!」
そんな感想しか言えないやつは水飲めんでればいいんです。
確かに「芳醇旨口」は飲みづらいです。中には発酵臭がきついものもあります。
万人受けはしないわけで、そうなると「水みたい~」な辛口のほうが好まれるのでしょう。
しかしこの「ふなぐち」は「水みたーい♪」ではないのです。
度数が高いためガツンとした重みがあります。酸味は感じません。
味わいとしてはフルーティーで甘さが残ります。
ただ甘みが強いため飽きやすいというのは否めません。
飲み方は冷酒がよいのでしょう。コンビニでも冷やされていますからね。
熱燗で飲んだことは一度もありません。
最初の一本はこれで、以後は安い普通酒を飲んでいればいいのです。
私は出張でビジネスホテルに泊まるとき、必ずこれを購入します。
これと安酒、またはビールを追加。そしてつまみを買って晩酌するわけです。
本日の肴は乾きものにするか、それともレモン風味のスモークタンにするか。
はたまたコンビーフにするか、安くポテチにするか。
毎度ビジネスホテルに泊まるときはこの選択で悩まされます。
なんなんでしょうね。
ビジネスホテルのワクワク感って。酒選び、肴選びが毎回楽しみです。
なんとなく遠足で300円で駄菓子を選ぶ感覚に似ているような気がいたします。
地方に行くと関東では見かけないツマミや酒もコンビニで買えるのがうれしいです。
それでもやはり「ふなぐち」は必ず購入しています。
下町のナポレオンが「いいちこ」なら、川沿いのロマネコンティは「ふなぐち」なのでしょう。庶民がコンビニ酒と蔑んで呼んでいたとしても、私はこの酒をリスペクトし続けます。