山林生活

自由な土地が身を縛る。山林を所有して分かったこと

自由な土地が身を縛る。山林を所有して分かったこと

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先日所有する土地を手放しました。手放した理由は金銭的余裕がないため。
土地持ちホームレスを目指して開拓中!と言っていましたが、「土地持ちホームレス」はありえないという結論に至りました。金銭的余裕がなければ資産を持つのは難しいようです。

七年前に山林を購入し、土地さえあれば最悪仕事がなくなってもどうにかできるだろうって考えがありました。自給自足して食費を抑え、オフグリッド生活で光熱費を節約する。このように土地さえ持っていればローコストの生活が出来ると思っていましたが、それは現実的に難しいとわかりました。
もちろんそれで生活が出来る人もいるのでしょう。ただそれは「出来る人がいるだけで皆ができるわけではない」のです。

小屋暮らしをすれば一銭もお金がかからないのではなく、やはり出費はあります。そこが一番の問題なんです。
たしかに小屋があれば家賃出費が抑えられますが、修繕費はかかるしそもそも山奥なので交通費もかかります。食費も当然かかります。自給自足をするにしても畑を耕し肥料を買わなければなりません。農業の知識のない素人が畑作業をしたところで大した作物は取れません。定期的に都内に出れば高速代などの移動費が負担となります。単純に生きているだけで保険料や年金、税金も払わなければなりません。年を取れば身体にガタがきて治療代もかかるでしょう。そのほかにも様々な出費があるのです。

小屋暮らしをするにはどれくらいの生活費が必要なのか
小屋暮らしをするにはどれくらいの生活費が必要なのか

人里離れた山奥で小屋暮らしをするとしても食費とか税金とか一切お金をかけずに生活することはできません。一日どれくら

以前小屋暮らしをした場合のコストを皮算用したところ、最低ラインが年間で75万円でした。これは国民年金受給額と同程度の金額。車を手放したり食費を抑えれば45万円くらいまで抑えられる計算でした。年金受給の年齢であるリタイア組であればこれでもよいのですが、まだまだ年金受給の年ではありません。最低ラインの75万円を稼ぐために何らかの収入が必要なんです。

在宅勤務で仕事をするか、ブログや動画配信で収益を得るか、資産運用で日銭を稼ぐか、はたまた小屋から通いで仕事をするか。どれを選ぶのせよ何らかの形で収入を得なければなりません。山奥の小屋から出勤するってのは現実的ではないため、そうなると個人事業主で何らかの仕事を見つけなければなりません。手っ取り早いのがアフィリエイトや動画配信でしょう。でもそれもすぐに収益化できるわけでもなく、出来たとしても優良コンテンツでなければ利益は得れません。

月に65000円なので一日当たり2000円を稼ぐ計算。ブログだと一日7000PVくらい、youtubeだと登録者数8000人くらいでしょうか。Webのコーダーやプログラム開発、ライター、Webデザイナーといった個人で受注できる仕事もよいのですが、実績がなければ収益化は難しいでしょう。資産運用が手っ取り早い稼ぎ方になりますが、運用する資産が必要だし、リスクも当然抱えます。このように稼ぐ手段は色々あるもののそれらは容易ではなく、当然稼げなくなるリスクが高いのです。実際に私はコロナの影響で稼げない現実に直面しました。

安定した収益がなくなるとどうなるか。それは土地を所有していることがしんどくなるのです。
土地は本来プラス資産ですが、それは金銭的余裕がある人に限られています。資産として所有し価値が上がれば売ればよい。価値が上がらなくてもわざわざ売る必要はなく手元においておけば良い。そうすればアウトドアとして使えるし、小屋暮らしの楽しさを味わえます。しかし金銭的余裕が無いと土地を所有していることが負担となります。手放したくても手放せない。売りたくても売れない。放置するわけにもいかず管理するのにコストがかかる。小屋で仕事が得られればそれでよいけれど、それが無いと働かなければならない。そうなると土地の管理が疎かになる。結果的に土地が足枷となる。

キャッシュ化しやすい資産であれば良いのですが、市場規模の狭い山林はなかなか売れません。山林物件は金銭的余裕のない人にとってマイナス資産、つまり負債でしかないのです。
私がやっていたのはローコスト生活を目指していたのではなく、金銭的余裕があったから山林を所有しただけでした。土地を所有して楽しんでいただけ。大したお金もないのに劣化した別荘地を持っていただけした。お金持ちだって資産がゼロとなれば別荘地が負債となります。バブル期に買ったリゾート地の別荘がゴミみたいな扱いになったのと同じです。宅地に適さない土地を持てるのはお金に余裕がある人だけなんです。

そして土地持ちホームレスは現実的ではありません。

例えば仕事がなく収入がない、さらには貯金も底をついたとしましょう。日本は「健康で文化的な最低限度の生活」が保障されています。そのため困窮に至った際、役所の門を叩けば生活保護を受けれる権利を国民は有しています。しかし土地を持っていると生活保護を受ける際に足枷となるのです。

生活保護は国民の血税で成り立っています。資産があるのにそれを保持して生活保護を受けようとは何事か?って声も聞こえてくるでしょう。お金がないなら土地を売ればいいじゃない?ってことを言われる場合があるそうです。土地を持っていると恐らく揉めるんでしょうね。当然売れない土地だし、二束三文にしかならない土地であれば所有していても生活保護を受けられるのでしょうが、「土地を手放すのが道理」ってのは理解できます。手放したいけど買い手がいないため処分すらできない。そのせいで生活保護申請が遅れるわけです。土地を所有していることが命を削ることにつながるのです。それであれば売れるときに手放した方がよいですよね。

本当のローコストを目指すのであれば所有物を無くすのが一番なのでしょう。車も持たず土地も持たず、全てを人から借りて何も持たない生活。確かに家賃は毎月かかりますが、安いアパート暮らしか、安宿やネットカフェを渡り歩くアドレスホッパー的な暮らしのほうが精神的な負担は軽くなります。

小屋暮らしにかかる年間の最低支出額75万円は家賃がかかっていないだけです。つまりこれに家賃を足せば都市部で暮らせる金額となります。家賃5万のところであれば135万円、3万のところなら111万円。都市部であれば車両は不要だし水も電気もガスも手に入る。そのためもう少しコストを抑えられるでしょう。とくに山は飲み水の問題がありますからね。インフラが整備されていない山の中で過ごすよりも、誰かが用意してくれたインフラに乗っかった方が楽な生活が出来ます。都市部でも家賃込みで100万円以下の生活はできるはずです。

もちろん山で暮らすメリットもあるのでしょう。自然は豊かだし、人も少ないし、ゆっくり過ごせる。
都市部に暮らすとなると土地が広く周りを見渡せば緑がある誰にも邪魔をされない自由な空間はなくなり、あるのは20平米も満たないワンルームで周りを見渡しても灰色のコンクリートの壁だらけの生活となりますが、それでもそちらの方がより人間的な生活なのでしょう。水汲みも気にしなくてよいし明日の天気や気温も気にせずにいられる。草刈りのこと考えなくてよいし、無駄な工具もいらない。何も持たないミニマムな生活が、不安定な社会では一番良い生活スタイルなんだと思います。もちろんそれは「豊かな生活」とは呼べませんが、この形であれば最悪のケースになったとしても社会福祉の恩恵を受けられます。

私はこのように山奥で小屋暮らしはできない結論に至りました。また山奥でなかったとしても土地を所有するのが不適切だってこともわかりました。

何かを所有するってことは何らかの責任が生じるのです。責任の担保となるのはお金です。責任感のない私にはその重圧には耐えられなかったようです。

私のような考えではない人、例えばアウトドアを満喫したい、DIYを楽しみたいといった趣味に高じるために土地を所有するのであれば問題ありません。車を買うのと同じことです。趣味であれば何ら問題ない。

ってことは、山林生活って趣味があればまた再開できるってわけですよね。今は趣味に高じるための金銭的余裕がありませんが、将来また新たな土地を見つけて開拓をしたいです。でもできれば次は海沿いがよいですね。前回山に土地を買ったのは海沿いだと津波の心配があったからですが、山も土砂崩れがあります。そもそも地震大国なのでどこにいても地震の被害はあるんです。それならば海のそばに小屋を建て、釣りをしながら余生を過ごすってのも粋じゃないでしょうか。次回は「海浜生活」になりそうです。

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