【枝川一丁目】東京オリンピックとコリアンタウン【朝鮮部落】
豊洲に来ております。
来年2020年には東京オリンピックが始まります。このあたりは選手村や競技する場所などがあり大変混雑することになるのでしょう。今も急ピッチで建設作業が行われています。個人的にそこまでオリンピックに興味がなく、その期間中は別の場所でのんびり過ごしたいですね。
東京にいると店も街も混雑します。そして海外から人が大勢来れば輩も増えるわけですので治安も一時的に悪くなるのでしょう。日常生活が正常に営めないのであれば別の地域に逃亡した方がよいです。
山林に滞在?二週間もあそこに居たくありません。
ただでさえ建物が崩壊しかかっているところにずっといるなんて辛いだけです。あそこは長くても一週間程度滞在するだけでいいです。しかもその一週間の間に二度は山を下りて鴨川とか栄えている街で日中過ごします。二週間もあそこに滞在すれば気が狂うだけでしょう。やっぱり都心が一番です。
豊洲は今建設ラッシュとなっています。そしてこの地域は高級住宅地でもあります。とくに一軒家とかはなくタワーマンションばかりですが、いわゆる億ションと呼ばれるマンションもちらほらあるわけです。場所柄都心にも出やすいところですからね。そのため人気のスポットです。ららぽーともあり、ホームセンターなんかもあるわけです。
ここのホームセンターは何度か通っています。都心にもかかわらずこのような店舗があるのは広い土地があった豊洲ならではといった感じです。
豊洲はハイソな人たちが住む町という印象があります。オリンピックの選手村も開催後は住宅として転売するそうです。海沿いなので津波の心配や液状化現象などの不安はあるのでしょうが、それでも好立地で住みやすい環境なのでしょう。それだけ日本は発展したわけです。
そう、その昔このあたりは人の住むような場所ではなかったわけですから。
豊洲駅から北西の方向へ。ビバホームを抜けた先に橋があります。
朝凪橋という橋でここを渡ると「枝川」という地名になります。橋を渡るとこれまでのハイソな街並みとは若干違う雰囲気がします。豊洲といえば小金持ちが集まる場所という印象がありますが、枝川は違うのです。この枝川とは東京の朝鮮部落がある場所です。
ここに朝鮮人街ができたのは1930年代後半です。それまでは都内に数か所朝鮮人のコミュニティがあったそうです。
1910年の朝鮮合併後、日本に朝鮮人が工員として渡航してきました。しかし住むところを持たなかった人たちは貧民窟に集まったそうです。1930年代後半に東京のオリンピック招致が決まったそうです。その際に「みっともない姿を見られるのはよくない」という理由から東京の中心にあったスラム街を解体。その人たちをこの枝川や塩浜あたりに転居させたそうです。その1940年東京オリンピックは戦争により開催されなかったのですが、開催事業により移転を余儀なくされたそうです。
この場所は夢の島が近くにあるように東京のゴミの埋め立て地でした。そんな劣悪な環境に押しやられたというのが通説ですが、恐らく強制的にここに追いやったというのではなく行政が住まいを用意したという感じだったのでしょう。出来た経緯は不明なところがありますが、少なくとも朝鮮人がここに集まりその後この地では朝鮮部落が形成され、学校なども建てられたようです。
とはいっても大阪の生野、川崎の桜本とは様子は違います。あちらはもろにコリアを前面に出していました。基本的に街中にはハングルがあふれ、交わす言葉も韓国語。そして焼肉やキムチといった韓国料理を出す店が多数あるわけです。しかし枝川はそのような店は少ないです。そもそも住宅地なので飲食店が少ないのですが、焼肉屋が数件程度しかありません。そして「焼肉は韓国料理です!」という感じではなく普通の焼肉店です。街はどこにでもあるごく普通の街です。
枝川一丁目にある朝日公園です。
朝鮮と日本の頭文字を取り朝日(ちょうにち)なんでしょうかね。一応「あさひ」らしいんですが。
ここに朝鮮部落ができたのは戦前の話です。朝鮮人に対する扱いは酷かったのでしょう。とくにその時は愛国者が正義であり、それ以外は悪という考えでしたからね。日本の心を持たないヤツは目の入らない隅っこのほうに追いやっておけばいいだろうという形でゴミ捨て場同然の場所に追いやったのでしょう。実際にこの地は劣悪な環境で異臭腐臭がずっとしていたそうです。1960年代に入っても付近には夢の島があり、そこから大量にハエが発生していたそうです。
空襲などによりこのあたりも火の手が上がりほとんどの家が燃えてしまったそうです。そのため古い建物は少ないです。
多少古めの建物は存在しますが、ほかの地域と同じ感じです。
街自体は綺麗に舗装されています。貧民窟だった場所は道が整備されていなかったり、路地がかなり狭くまっすぐではないところが多いですが枝川は少し狭い道が散見するものの普通の住宅街でした。
銭湯もあります。開いてれば入っていくんですが営業開始が15時以降だったため行けませんでした。昔はお風呂の無い家ばかりだったんでしょうね。枝川一丁目の大きさは300m×600m、つまり18万平米ほどしかありません。東京ドーム4個分の広さです。その中に朝鮮人コミュニティができていたそうです。過去には大きな事件もあったみたいですが、今は静かな街になっております。
町内にある東京朝鮮第二初級学校です。現在在日三世、四世は日本国籍を取得している人も多いようです。日本で生まれ日本で育っています。朝鮮や韓国が母国だといわれても住んでもいないので受け入れづらいところもあるのでしょう。常に外国人登録証を持ち歩かなければならない、差別的な扱いを受ける。それであれば帰化を選ぶ人も一定数いるようです。さらには少子化も相まって朝鮮学校の生徒数は現在30名ほどのようです。
コリアンタウンには神社や仏閣は一切ありませんがキリスト教の教会はありました。
豊洲や辰巳もそうですがこのあたりは元々海だった場所で出来たのも昭和に入ってからなのでしょう。そのため歴史は浅く当然神社仏閣は無いようです。大体の街にはその街を守る守り神というのがいるのですがね。今から新木場あたりに神社を作ればオリンピックで一儲けできるかもしれない!?
この場所は周りを海に囲まれています。風があると気持ちがよいのです。しかし凪となればムシムシして居心地の悪そうな場所です。橋の向こう側は高層マンションが立ち並んでおります。ウォーターフロントって聞くとすごい高貴なイメージがありますが、江戸前ですからね。しかもそこまで綺麗とはいえない東京湾です。
釣りをしてもいいようです。このあたりは海なんでしょうか汽水域なんでしょうか。ここで獲れた魚はまさしく江戸前ですね。豊洲も近いし買い物にも便利、そしてアウトドアも楽しめる。場所柄観光客はゼロです。良い立地なんじゃないでしょうかね。
今少々問題となっているオリンピックのマリンスポーツ問題です。東京湾が汚いという意見があるわけです。一応基準値以下だという話ですが、東京湾なんて昔から汚いところだったわけですからね。工業汚染はなくなったものの内海だし綺麗な海ではないでしょう。
基準値以下だから大丈夫といわれて、この汚れた海で泳げるのでしょうか。いくら工業用水の垂れ流しが止まったからといっても、そもそも東京湾は有機物が溶け込み栄養のある海だから良い漁場だったわけです。昔と変わらずに川から大量にいろんなものが流れ込んでいるわけです。流石にこの中は入りたくないですよね。
来年は東京オリンピックです。
奇しくも80年前の幻の東京オリンピックの際に強制的に移住させられた場所のそばで東京オリンピックが行われるわけです。感慨深いものがありますね。今回のオリンピックも80年前のオリンピック同様に色々と問題を残しそうな感じがします。できれば穏便に済ませて欲しいです。
枝川は至って普通の街でした。確かに表札を見ると韓国名の家が並んでおります。しかしその程度で何ら普通の街並みと変わりありませんでした。昔は多くの朝鮮人が住んでいたのですが時代とともに移り変わっています。
現在は老人ホームや施設がこのあたりに増えております。老人収容施設といった感じです。
朝鮮人の次は老人を隅っこに追いやろうってわけですね。
日本の高齢化は在日問題よりも根深くなりそうです。