ゆりかごから墓場の手前まで!大井ふ頭のマンモス団地「八潮パークタウン」
豊洲、有明、汐留、東雲。東京湾が目の前に広がるベイエリアで元々は人の住む場所ではないのでしょう。豊洲や東雲は関東大震災の瓦礫処理のために埋め立てられた場所です。そもそもここから2km離れた新木場はかつてゴミ処理場だった夢の島でした。その当時のこのあたりはにおいの問題だけでなく蠅が多くいたそうです。そんな人が住むような場所でなかったところが今では高級住宅地となりました。地震による液状化現象や津波など湾岸沿いは震災リスクを抱えているものの、ウォーターフロントで目の前は海。そのような景色が見える環境が好まれるのでしょう。そのため人気のスポットになっています。
でもまぁ収入がある人しか住めないのでしょうね。仮に安い物件があったとしても物価が高いため生活は苦しくなりそうです。お金持ちエリアには貧乏人は近づかないに限ります。
そんな東京湾に面した住宅地。当然品川にもベイサイドマンションが点在しているんです。例えば天王洲アイル。海沿いはなにかと外来語を駅に入れたがる傾向がありますね。高輪ゲートウェイとか、東京テレポートとか。天王洲アイルの隣駅「品川シーサイド」も外来語が入ってます。この品川シーサイドもタワーマンションが建っています。
そしてここ八潮にも多くの住居があるんです。
八潮という地名は埼玉の八潮市をイメージしちゃいますが、品川にもあるんです。
ここ八潮は目の前が東京湾で1939年から埋立られ1983年に八潮団地ができたそうです。周りは海に囲まれ豊洲みたいなところ。とは言っても湾岸なので工場がいっぱいあります。
八潮は一丁目から五丁目まで存在していますが、住居があるのは五丁目だけでほかの場所は人が住んでいません。五丁目内にはUR、都営、分譲マンションが集まる団地があり総数は69棟、現在の人口は1万人を超えています。いわゆるマンモス団地ってやつですね。現在は八潮パークタウンという名前になっています。
40haとかなり広い敷地のためスーパーやコンビニなど生活に必要なものは町内で揃えられるようになっています。外に出ずともこの中で暮らしていけます。
公立の学校も町内にあるため遠くの学校に行かなくて済むし、教育環境もよいところなんでしょう。ただいじめとかに遭うとかなり辛い環境ではありますが。
このように生活も教育も充実しているため住環境や子育てには最適な場所。最寄り駅まで少し離れていますが、子育てに最適な場所であれば子連れの夫婦にも良い場所でしょう。
ちなみに最寄り駅は大井競馬場前駅です。
ぜんぜん教育に良くない!
まぁ微妙なところなんです。品川シーサイド駅と大井競馬場前駅の中間にある八潮団地。町の北側に住む人は品川シーサイドのほうが近いでしょう。でも中心から南側に住む人は大井競馬場前駅の方が近いです。でも、ここに住む人たちの大半は「最寄り駅は品川シーサイドです」って言うんでしょうね。
競馬場前駅なので目の前に競馬場があります。そのため駅が厩舎の臭いがします。最寄り駅が競馬場前駅ってのは、なんか治安悪そうな感じがしますがそんなことありません。公営ギャンブルがそばにあったとしても治安が悪くなるわけではないです。ちなみに川崎駅も近くに競馬場も競艇場もあります。
治安悪そう。
ちなみに八潮三丁目には東京貨物ターミナル駅というJR線の駅があり、そこが一番の最寄り駅ですが駅名の通り貨物専用です。そもそもこのあたりは物流の拠点です。品川の八潮って地名は聞きなれていませんでしたが、大井ふ頭といえばその名は知っているんじゃないでしょうか。
八潮があるのは大井ふ頭なんです。大井ふ頭と言えばかつては暴走族のたまり場でした。1970年代後半には大井ふ頭事件が起こったってチャンプロードに書いてありました。
まぁ今じゃ閑静な公園となっています。ここで1000人くらいで乱闘していたらしいです(チャンプロードに書いてあった)。
やっぱり治安悪そう。
現在はそのような抗争はなく、たまに暴走族が通る程度。付近は緑豊かな公園になっています。目の前は競馬場だし、ちょっと歩けば競艇場もある場所ですが、住みやすい環境なのは確かなんでしょう。
しかし八潮団地も他の団地同様に高齢化の問題に直面しているようです。団地ができてから40年ほど。当時30歳だった人は70歳になっています。現在八潮団地での高齢者の割合は3人に1人が65歳以上、ここ10年で倍増しているようです。そのため敷地内には福祉センターやデイケアサービス、老人福祉施設などが増えています。
パークタウン内69棟の内、36棟が分譲マンションとして供給され、40年前にそれを購入した人がそのまま住み続けているのでしょう。引越さない限りそのまま住み続けるため高齢者が多くなるのは仕方のないことです。しかし若い人が入居してこないのも現状です。そもそも日本の人口が減っている状態です。
品川区議会でも八潮団地の今後について議論されており、若返りを目指したいものの現状住む人たちの要望を聞けば「福祉の充実」「バリアフリー化」など高齢者向けの対策が望まれています。八潮団地は老人向けの街になっているようです。ただそれも団塊の世代が引退するまでの話です。
こちらには火葬場があります。
大井ふ頭内に墓地はありませんが八潮ではゆりかごから墓場の手前まですべてこの島の中で済ませられます。
近年は火葬待ち渋滞となっているようですが、団塊の世代が引退している証拠。近いうち八潮団地は若者の街に生まれ変わるかもしれません。
最寄り駅が競馬場前ってのを言うのがちょっと恥ずかしいですが、「ベイエリアに住んでるぜ」と言える八潮団地。大井町、大森、品川への路線バスもあるため新幹線や羽田空港にもアクセスしやすい場所で使い勝手がよさそうです。東京生活を味わうならば、ここをお勧めします。