労働者の街は閑静な住宅街へ!名駅北側の街角にある怪しい街「則武新町界隈」
本日は名古屋駅の北東側に来ております。
こちらはノリタケの森です。
名古屋市西区則武新町三丁目にある公園ですが元々この界隈は日本陶器合名会社の工場がありました。
同社が創業したのは1904年。六代目森村市左衛門が日本陶器合名会社を設立。名前の通り陶器の製造会社でした。
日本の陶磁器は江戸の頃から海外では有名で明治になり大量生産をして輸出したところ欧米で大人気となったんだとか。明治から昭和初期まで全国トップの陶磁器生産を誇り、輸出に関してはトップシェアだったそう。名古屋のこの辺りは一大生産地でした。そもそも愛知県は陶器の生産地として古くから有名で瀬戸物は愛知県瀬戸市、常滑市の常滑焼も日本六古窯として有名です。愛知の陶器生産は5世紀ころが起源で奈良時代には瀬戸物が流通していたんだとか。良質の土が採取でき陶器に精通した技術者がいる。そして物流に適した鉄道が通う名古屋駅前。良い陶器が生産され輸出されたんでしょうね。
ノリタケのグループ企業にはTOTO、日本ガイシ、日本特殊陶業があります。どれも陶器やセラミックに関係する会社。我が家のトイレはTOTOだし、バイクはNGKのスパークプラグでした。半導体から便器まで。全く縁もゆかりもない会社と思いきや普段使いしてました。
ちなみにノリタケの森の北側にはトヨタ産業技術記念館があります。則武で1912年に紡績機工場を創業したことがトヨタグループのはじまりなんだとか。この辺りは工場街だったようです。
明治より以前の名古屋の中心は名古屋駅の東側。堀川を超えた先が中心地でした。名古屋城の南側、伏見や栄、錦などでしょうか。今でも中心地といえばそのあたりです。
現在は名古屋駅の周りも賑やかになりましたが鉄道が敷かれたころは何もない土地だったのでしょう。大きな工場が建設できたのも土地が安かったから。
今では駅チカの場所ですが古くは住むのに適さなかった土地だったそうです。
こちらの笈瀬川筋って道です。道の名称に川とついてある通り元々河川でした。現在は暗渠となっていますがここに川が流れていたそうです。
この界隈は頻繁に水害が起きており沼が広がる地域でした。水害が酷いので住むのに適さない。また農地としても適さない。そんな使い道のない土地だったそうです。川は昭和初期に暗渠化されました。
こちらは笈瀬川筋にある公園「桜木公園」です。
住宅街にあるごく普通の公園ですがここはかつて屠畜場だったそうです。
こちらには馬頭観音の石碑があります。
馬頭観音は観音菩薩の化身。動物にご利益がある神様のため厩舎や競馬場、また屠畜場の供養塔として建てられています。屠畜場は元々鶴舞の方にありましたが1918年にここに移設されました。1931年までの13年間常設屠畜場として利用されていたそうです。
この界隈には市営団地が多くあります。かつては住むのに適していなかったところですが今は駅チカの好物件となりました。とはいっても名古屋駅まではちょっと遠い距離。一番の最寄り駅は名鉄名古屋本線の栄生駅。または市営地下鉄鶴舞線の浅間町駅。もしくは市営地下鉄東山線でしょうか。色々な路線が利用できますが全部微妙な距離。でも駅前に行かずとも近くにイオンモールがあるので生活しやすい環境になったのでしょうね。
150店舗の専門店が出店する大型店舗です。名古屋駅も近くフードコートもある。地域住民だけでなくここで働く人や名古屋に来る旅行者にも便利なイオンモールです。イオンができたことでかなり便利となりました。則武は生活しやすい環境のようです。
こちらはイオンモールそばの則武新町交差点です。
名古屋でレンタカーを借りるとこの交差点を通ります。名古屋に来たら必ず通る則武新町交差点。
交差点角に風俗店があります。
これは生活しやすい環境。
買い物ついでに風俗利用できる地域密着型ヘルス。
周りは普通の住宅街なのにポツンとヘルスがあります。愛知には住宅街に風俗店がある場合があります。それには愛知の条例施行が大きくかかわってます。
禁止となれば新規出店はできませんが法律が施行される前であれば出店できる。そのためその年にヘルスが大量出店したそうです。
「とりあえず店、出しとけ」みたいな感じで出店したから住宅街に店が増えました。
普通風俗店って元遊郭や元赤線街、または歓楽街や駅前の飲み屋街にできるものです。でも名古屋はそういう規則性が一切ないのです。
池田さんちの隣りがヘルスだったり、星川さんちの隣りがヘルスだったり、普通の家の隣りが風俗店ってところがあるんです。
ここにある店舗はまだ繁華街の近くにあります。それでもやはりほかとは違い 異質な感じです。
愛知県では1996年に店舗型風俗店の新規出店が禁止となりました。
同店は1997年にオープン。条例施行前に届出をしたのか、もしくは名義替えをして新規出店したのか。どちらにせよ20年以上続く店でした。
店舗型風俗店では比較的新しいですが接客業のお店で考えれば長く営業しています。でもこちらのお店、閉店したようです。
名古屋駅からちょっと離れているけど歩いていけない距離ではない立地。そして住宅街そばなので利用者が多そうですがやはり交差点のそばだからなのでしょう。
外堀通と名駅通が交わる則武新町交差点。人通りも多い上に交通量も結構あるんです。
レンタカー借りて通るときにいつも見てました。
「名古屋って当たり前のようにヘルスあるんだ」
交差点のところにあるんですごき目立つんです。裏口もありますが裏口に入るところも目立つ。
目立つので誰もが知ってる風俗店でしたがなかなか利用しづらいお店だったのでしょう。交差点のド正面で利用しづらいですからね。私もこの店を利用したのは2回だけ。
2回、利用してた。
私は比較的、その辺気にしないんです。我、堂々と入店するし、堂々と退店す。とくに退店時は菩薩のような面持ちです。
それはただの賢者タイム。
そしてこの店を出た先に見えるのが孔子像です。
凛とした面持ちのある孔子像。
これは孔子先生も賢者タイム。
名古屋には錦や納屋橋など風俗街がありますが風俗街以外にも風俗店がポツポツあるんです。この界隈にも数軒風俗店があります。
「今日は風俗へ行くぞ!」とコンビニ感覚で利用できる風俗店。普通の住居と交じって店があるのが素敵すぎます。
かつて人が住むような場所ではなかったところに工場ができ、屠畜場ができ、住宅街に変わり、風俗店ができる。何の脈絡もない街の移り変わりですが自宅の近くに風俗があるのってなんかいいですよね!
私は角の店しか行ったことがありませんがほかの店もなんかよさそう。でも、こういった店は日が暮れてから。早い時間は営業してない店もあります。午前中に来る場所ではないのでしょう。
夜になりました。
名古屋といったら夜。夜出歩かないわけにはいきません。そのために宿泊してるんです。
エビフライが名物?
ひつまぶしが名物?
そんなのは名物ではありません。
名古屋の名物は「夜」です。
名古屋駅にも近くかつては工場があった場所。そんなところは仕事終わりに飲める場所があるものでこの界隈には居酒屋がけっこうあるんです。お店が多いのは名駅二丁目あたりでしょうか。でもノリタケの森近くにも居酒屋があり串焼き屋が二軒並んでいます。
豚のホルモンを扱うお店。いわゆるやきとん屋みたいなところでしょうか。
都内のソレと違うのは、味噌を扱う料理が多いです。八丁味噌を扱った料理が食べられるようです。せっかくなんでここいらで一杯飲んでいきます。
こちらのお店は1954年創業。
70年以上続く老舗です。ここであれば間違いないでしょう。ちなみに吉田類もこの店に訪れています。
こちらはモツ煮です。
やきとんがある店のモツ煮は間違いありません。少し辛めのモツ煮、これおいしいです。
やきとんも注文しました。
それとどてやきでしょうか。東京じゃあまり目にしない料理。こちらもおいしいです。
芋と豆腐のおでん。
芋のおでんは静岡で知りました。そして名古屋のおでんは味噌おでん。甘く味が濃い味噌おでん。関東のおでんよりもこっちのほうが好きかも。
こちらはもう一つの串焼き屋。
二軒ハシゴしてる!
こちらの店も先ほどの店同様に創業1954年。こちらでも豆腐の厚揚げを注文。それとタマゴも頼みました。酒のツマミにちょうどよいです。
あとはやっぱりどて煮です。
都内の居酒屋ではあまり見かけないどて煮。見た目があまり良くないですがこの八丁味噌の味は名古屋でしか食べられません。今日はこの付近に宿を取りましたが間違いありませんでした。宿の近くの店に行きおいしい料理が楽しめる。こんばんはよい夜になりそうです。
本日は名駅の北側の辺りを巡りました。
かつては工場街がありそれにより街が発展、今のような街並みになりました。でも昔のままの街並みもここにはあり工員が立ち寄ったであろう飲み屋が残ってました。それと工員が通ったであろう風俗も残っています(たぶんかよっているはずです)。
まだ夜ははじまったばかり。ラストの時間までには間に合うはず。私はこれより、3回目の登楼を果たします。
まさかの私が、最後の客になるとは。