宅地の固定資産税を下げてもらうため役所に直訴してみた
勝浦の市街地は正直なにもありません。まさに田舎の街といったところです。飲食店はあるものの大体が閉まっています。せっかく勝浦に来たんだから海の幸を食べたいけれども、恐らく観光客が来るときしかオープンしていないのでしょう。探せばあるんだと思いますが見つけられませんでした。
これまで勝浦駅近辺に来たのは銭湯に入りに来ただけです。買い物をするのであればいすみ市か鴨川市まで出ています。勝浦市内にホームセンターがあればよいのですが、残念ながらそのような店舗がありません。農業よりも漁業従事者のほうが多いのが原因なのでしょうか。この部分は勝浦にとってマイナスポイントです。
現在の勝浦市は人口が2万人を割っており、関東では一番人口が少ない市、日本国内だと下から19番目に少ないところです。しかも2万人の内、国際武道大学の学生が一割を占めているようです。当然学生は卒業すればいなくなる人達。つまり過疎地なんです。東京から100km程度しか離れていないのですが、市と呼ぶのが憚られるほど人口が少なくなっています。
そんな勝浦市の市役所に行ってきました。
過疎化云々とか言っていますが、勝浦市役所の庁舎ってかなり綺麗なんですね。てっきり小汚い平屋の市役所を想像していました。この建物、税収で建ててるんですよね。その税収に関して今回お話することとしました。
今回勝浦市役所に来たのは先日受け取った納税通知書に関してです。要はもう少し安くなりませんかね?という話し合いをしに行きました。担当者が不在だったので別の方に対応してもらいました。
土地に関して。
土地の値段に関しては山林から比べると100倍近い金額となっております。この金額に関しては付近の参考評価額をもとに求められているようです。付近の参考価格は平米あたり2000円ほど。しかしその場所は幹線道路に面している場所。私が所有する土地は幹線道路に面していないため、それよりも金額を安くしているとのことでした。
安くしているといってもそこまで安くなっておりません。値引き分に関しては「幹線道路に面しているか否か」という部分だけです。参考にしている土地は私が所有している場所よりもだいぶ下った場所にあります。距離的な部分でもう少し評価が下がってもよいでしょう。また参考地に関しては規制がありませんが、私が所有する山林には規制があります。その規制というのは建築基準法などの規制ではなく、通行に関する規制です。私が所有する山林までにいく道は大雨で通行禁止となる場所です。何の規制も無い場所とこのように規制のある場所で同じ扱いをされているというのは納得ができません。
しかし担当者の話では「雨量による規制では評価額は変わらない」とのことでした。役所としては決められたことを決められたとおりに行った結果、この金額になったという回答でした。
そもそも私の所有する建物は20平米程度の小さな小屋です。小屋がある土地は500平米。つまり全体の20分の1しか使っていないのに、全てを宅地とするのは少し不親切すぎやしないか?ということを投げかけましたが、担当者は「土地の評価は一筆計算となる。それを避けるのであれば分筆するしかない」とのこと。分筆するのにも測量をして登記をしなければならないためお金がかかります。結局どっちに転んでもお金が必要とのこと。
1000平米のところに200平米の建物が建っている場合、残りの800平米に関しては分筆をしなくても宅地以外の扱いにする場合もあるが、500平米だと小さすぎるそうです。1000平米の内の200平米であれば5分の1なのにそっちは分筆扱いされて20分の1である私のはダメっていうのはなんだか解せません。
そして私の土地は斜面であり、そのあたりも評価基準として考えてほしいです。そもそも公共サービスが受けられないような場所にもかかわらず金額に差がないというのは到底納得できるものではありません。
担当者「建物が住居として供するものであれば固定資産税が減税される」
私「住みますよ。私はそこに住むつもりでいます。だから減税してもらえませんかね?」
担当者「電気水道ガスなどの公共設備が整っていないのであれば住居として認められない」
担当者「あの建物は住居ではなく「倉庫」です。」
恐らく小規模住宅用地の減税措置ってやつだと思いますが、つまりはどうあがいても、仮にそこに住みだしたとしても住居ではなく倉庫としての扱いしかしてくれないみたいです。
オフグリッドで小屋暮らしとかしている人へ。
あんたの住んでいるとこ、住まいじゃなく倉庫ですから!
家屋について
何の役にも立っていない家屋なのでこれにお金を払うことは納得ができません。家屋の評価基準は国で決められております。屋根や壁の素材と屋根の大きさや壁の面積から金額を算出するようです。それに施工費を足したものが建物の評価額となるそうです。私が所有する建物は前所有者が自分で建てたもの。そのため施工費はゼロになるんじゃないか?と質問したところ、この部分に関しては再考の余地があるとのこと。実際に今回対応してくれた方は現地を見ており、基礎の部分などが雑なところがあったと話していました。雑な部分が経年劣化によるものなのか施行時点のものなのかによって扱いも変わるそうです。
倉庫に関してももう一度金額を算出してくれるということでした。しかし下がっても微々たるもので、そもそも税金の算出時に切り捨てている金額もあります。場合によっては評価額は下がるものの固定資産税額は変わらないかもしれないということでした。
最後にどうでもよい質問を。
私が所有している土地に、建物がある。この建物の所有権を私が認めない場合、所有者不明という扱いとなる。その場合、所有者のない不動産は国庫に帰属する(民法239条2項)となり、私は国に対し当該建物への地代の請求を国にできるのかどうか?
担当者の回答は「すぐに国のものになるわけではない」とのこと。まずは前所有者と話し合い、誰が所有権を持っているのかを決めてほしいとのこと。それまでは任意で私か前所有者が所有権を所持しているものと扱われる。とのことでした。
まぁ当然といえば当然のことです。しかしどちらも所有権を主張しない場合は所有者不明の不動産ということで国が所有者となるわけですね。処分が面倒だから所有権を放棄しようというのは難しい感じです。
家屋に関しては再評価してくれるとのこと。また土地に関してももう一度考えて欲しいと伝えました。たかが14000円程度です。しかし固定費はできる限り抑えたいというのが心情です。過疎化が進み税収が減っているというのもわかるのですが、それに見合うだけの恩恵が受けられていないですからね。でも勝浦市役所に来るために往復7000円ほどかかるわけです。二回来れば今回支払う税金と同等の金額が必要となります。今回1000円安くなったとしても7000円かけてきているのでペイするのに7年かかるわけです。所詮その程度ですが、どうにも納得が出来ないところが多々あるんです。そのためもう少し話し合いをしっかりして、適切な固定資産税を支払いたいと思います。