山林生活

真のナチュラリストは小屋の色を“自然な色”にする

真のナチュラリストは小屋の色を“自然な色”にする

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私の所有する山林には小屋があり、その小屋は緑色です。

山小屋をイメージすると、木のぬくもりを感じられるような素材そのものの色味を活かしたつくりになっているのがほとんどです。色を塗るとしても緑などの自然な色。黒などのシックな色合い。自然に溶け込むような色味を選択しがちです。実際に森林の中にあるコテージや別荘なんかも茶色を基調とした建物が多いです。奇抜な色は景観を損なうのでしょう。

そう。日本人は景観を気にするんです。
しかもそれは「日本人の美意識」というあいまいなものを主体としてるのです。

日本人は京都のような整った街並みが好き

とは限らない。
私はどちらかというとごちゃごちゃしてる街並みが好きだし、電柱とか電線とかむき出しの方が雰囲気が良いと思うんです。色味も蛍光色や原色などのビビットな色合いが好きなんです。

まさに新宿の殺伐とした街並みこそが日本人が愛すべき姿ではないでしょうか。
電飾で飾られた看板。統制の無い建物。それから朽ちて汚くなりなれ果てたビル。

わびさび、無常、虚無、儚さ。そしてかわいい、映えが新宿の街並みにはあるんです。電柱があるのは人が生きている証なんです。それが景観を損なうなんて考えは浅はか。電柱を地中に埋めるほうが逆に景観を損ないます。

それは山林においても言えること。

人がそこに住むってことは人の気配がそこにあるわけです。自然と調和する必要なんてないんです。人という異色な物体がそこにある以上はその存在をちゃんとアピールすべきなんです。

ってわけで壁の色を塗っていきます。
この小屋が緑だったのは前オーナーがこの色に塗ったから。そして私もそれに倣い同じ色にしました。でもちょっと飽きてたんです。緑色ってなんかナチュラリストっぽい感じじゃないですか。私の趣味とはどうも合わないんです。

そんなわけでいくつか色を買い足しました。とりあえず一部塗ってみて、自分好みの色になるのであれば塗り替えていきます。

前回も今回もそうですが、利用している塗料は水性塗料です。そのため雨ざらしのところは塗料がはがれやすいんです。

汚れを落としてたわしでこするとこんな感じで色が剥げます。前回塗ったのが2020年のはじめころ。水性塗料は三年くらいが限界ってところでしょうか。もし強度を高めるのであれば、油性塗料にするか水性塗料の上にクリアを塗って強度を増すしかなさそうですね。

赤、黄、白、黒。
本当なら水色が欲しかったのですが売ってなかったのでこの四色で色を塗っていきます。無難な色の塗り方をするのであれば区画を決めて色を分ける形でしょうか。でもそれだとなんか普通過ぎます。出来れば自然に調和しないような前衛的な小屋にしていきたいですね。

ってできたのがこちらです。サイケデリックな感じ。
山小屋でこんなヤバそうな色をしているところはないでしょう。高架下のソレっぽい雰囲気ですが、グラフィティアートってわけではないです。これが私の目指したかった小屋の形です。

題名「真のナチュラリスト」

自然を愛し自然と調和する人たちのことをナチュラリストと呼ぶのであれば、本来の人間の姿そのもので自然と交わるのがよりナチュラリストなんじゃないでしょうか。そもそも人間は異物なんです。それであれば逆らうことなく、自然のままでそこに存在すべきなんです。自然の中で異色であることこそが真のナチュラリストなんじゃないでしょうか。

個人的に結構好きな感じに仕上がりました。やはり黒や白を下地にすると色が映えますね。参考になりました。

今回の塗料は一つ800円のもの。容量が200mlと小さいヤツでした。でも四色使ってるのでこの一部分だけで3200円かかってます。壁の広さはここの10倍あるので3万円くらいは覚悟しなきゃですね。次の時には完成させる予定です。

でもこれ、近隣住民に訴えられないですかね?

以前漫画家の楳図かずお氏が自宅の色を白と赤のストライプに塗ったことを、近隣の景観を損なうと理由で訴訟問題になっていました。当然訴訟は楳図かずお氏の勝訴という結果だったんですが、まことちゃんハウスに比べると芸術点はかなり下がります。まさに山林の異物。
まぁそもそも近隣住民がいないので文句をいう人はいませんでした。このように人里離れているから小屋を好きな色に塗れるんです。これ、別荘地でやったら確実に差止請求されているでしょう。

所詮は資産価値のない小屋です。好きなように色を塗ってもよいじゃないですか。

今現在小屋は無価値の扱いとなり固定資産税はかかっていませんが、固定資産税ってのは建物に課せられる税なんです。今回は用意した塗料が少なかったので一部しか塗れませんでしたが、もし全てをこの色に塗った場合、それは建物ではなく芸術作品となるのではないでしょうか。

つまり、建物の固定資産税がかからなくなるはず。でも美術品としての価値を見出されたら資産になっちゃうんでしょうか。

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