素人でもできる株式会社閉鎖2-官報掲載-
解散しました。解散「は」しました。
はい終わりでは済まないのが法人閉鎖。
閉鎖までは解散⇒清算⇒閉鎖という作業が必要になります。
また解散は登記だけじゃダメなんです。
法人を解散したということは取引先や債権者からすると今後やり取りが出来なくなってしまいます。
お金を回収したいがすでにその会社はなくなっているとなってはとりっぱぐれます。
せめて解散するときぐらい教えてよーってなるわけです。
このようなトラブルを避けるために、解散しましたということを公にしなければなりません。法律で決まってます。
解散登記が済んだら清算人つまり自分は遅滞なく解散公告をしなければなりません。
つまり会社たたんだらすぐにみんなに教えろってことです。
解散公告は官報に載せます。設立の際にも官報の話は出てきました。
その時は電子公告という選択肢がありましたが、解散はそのような抜け道がありません。
新聞に載せるということなんで有料です。1行(22文字)で税込み3,524 円。
以下は解散の際に載せる例文です。
解散公告
当社は、平成三十年一月一日開催の株主総会の
決議により解散いたしましたので、当社に債権を
有する方は、本公告掲載の翌日から二箇月以内に
お申し出下さい。
なお、右期間内にお申し出がないときは清算か
ら除斥します。
平成三十年一月一日
東京都新宿区新宿1丁目1番1号
株式会社 山田
代表清算人 山田 山
[注]合同会社でも同様の公告となる。
上記はサンプルです。行数によって金額が変わります。
一人会社で借金もありません。そのため誰も見るわけでもない。
ただ法律上載せなければならないということ。
要点をまとめると、
■いつに解散したか
■清算はいつ行われるのか
この二点です。
出来る限り減らすべきということで以下の形に。
解散公告
当社は、平成三十年一月一日の株主総会決議で解
散。債権者は本公告掲載翌日から二箇月以内に申
し出よ。期間内にないときは清算から除斥する。
平成三十年一月一日
東京都新宿区新宿1丁目1番1号
株式会社 山田
代表清算人 山田 山
三行削りました。これで1万円お得です。日にちが二桁だとちょっと無理ですよね。住所によっては一行増えるかもしれません。
私は上記の形で出しましたが要は伝えればいいだけなんでもっと削ってみましょう。
解散公告
当社は平成三十年一月一日に解散。債権者は明日
より二箇月内に申せ。連絡なければ清算せず。
平成三十年一月一日
東京都新宿区新宿1丁目1番1号
株式会社 山田
代表清算人 山田 山
さらに3000円ダウン。
解散公告
解散。二箇月内に連絡せねば清算せず。
平成三十年一月一日
東京都新宿区新宿1丁目1番1号
株式会社 山田
代表清算人 山田 山
さらに3000円ダウンなんですが、これじゃダメですかね。
これ以上は削れないですね。
一応官報の人がゲラチェックをしてくれます。電話が掛かってきて問題なければこの形で載ります。
最後の日付は官報に載る日なんでここは官報側の人が訂正してくれます。
公告の料金は三万円ちょっと。ここまでで七万円かかってます。
ちなみにこの官報。もちろん債権者がいないわけですので誰も見てないわけですが、法務局の人も見ていません。
官報は出すものではありますが、出したかどうかの確認はされません。
でも、官報掲載は義務です。
官報の内容の通り、解散はできたものの二カ月間は清算期間となります。
官報が出されてから二カ月経って清算終了の手続きに移せます。
そのため解散宣言しても二カ月ちょっと時間が必要ってことになります。
これで二カ月経つまでただ待ってればいいってわけではありません。
次に行うことは税申告です。
解散ということは法人としての機能を終了すること。つまり収入がなくなるので税金を払えなくなります。
その旨お上にお伝えしなければなりません。
解散登記を法務局でして受理されれば「解散」と書かれた登記簿(履歴事項全部証明)が出来上がります。
それを取得。三枚ほどコピーして税務署に向かいます。
税務署に行く理由は異動届を出すためです。解散したんでヨロシクっていう書類ですね。
これを税務署と都税事務所に持っていきます。23区外は役所への異動届が必要なようです。
また解散をしたということは今期開始から解散までの申告をしなければならないということです。
つまり確定申告ってことですね。期末が変わるだけで普段通りの申告と変わりありません。
私は申告も一人でやっています。まぁ動いてないんで申告は普通の会社よりも楽ではありますが、この手の作業は苦手です。
異動届、確定申告をしたらあとは二カ月じっと我慢です。
つづきます。