寿町のノミ屋は情報弱者のためのセーフティネット
ホテルでのんびりタブレットいじりながら過ごすというのが気分的に難しそうなので基本的に外にいます。日中はファミレスや喫茶店で文字を書いたりしています。
でも長時間そこに滞在するのは迷惑なので長居しないように店を変えています。それでも時間が余ってしまうときは寿町に戻り、その辺の人たちと同じようにぼーっとしています。行き交う人たち(ほぼここの住人)を眺めながら何もしない時間を過ごす。これが結構いいんですよね。皆が部屋ではなく外で過ごしている理由がなんかわかった気がします。
それでもずっとぼーっとできるほど人間出来ていないものでまだまだ修行が足りないようです。時間をつぶすために何かないか。こう考えると最初に思いつくのがギャンブルです。
川崎でもそうですが、この手の街の近くには場外馬券場などの公営ギャンブルの施設があるものです。
施設があるから街が形成されたのか、それとも街があったからそこに施設が形成されたのか。おそらく後者だと思いますがそのような街のそばに賭場をつくるというのは日本の公営ヤクザも人でなしですね。貧困の街といわれるところに住む人から巻き上げるわけですからね。
ここ寿町にもボートレースの場外舟券場があるんです。
競馬と競輪は経験があります。でも競艇とオートレースは経験がありませんでした。購入方法などは競馬と大差ないのでしょう。出走者の中から一位や二位をあてるという感じなんだと思います。競馬と違って出走者に上下関係があるとかどうとかという話も聞きますが、そもそも馬もよくわからず買っていました。ビギナーズラックで50万円ほど当てたこともあります。もしかしたら今回それを引けるかもしれません。ということで歩いて行ける場外舟券場に。
先日渋谷のウインズに行ったときはコロナで営業していませんでした。ボートレースは営業しているようですが人数制限があるようです。現在満員で入場規制しているんだとか。室内では人が並んでいます。
やっぱりここでは人気のようですね。そもそも神奈川にはボートレース場がなく、そして舟券を買えるのはここだけのようです。好きな人は平和島とか多摩川競艇場まで足を延ばすのでしょうが、わざわざ行くのも面倒って人もいるでしょう。そのためこちらを利用する人は多いんでしょうね。現在はネットで買うこともできるようになりましたがネットに疎い世代も多くいると思います。そういう人からすると場外舟券売り場は必要なのでしょう。とくにここ寿町では。
しかし買いたいけれど感染症対策により入場規制があって買うことができない。ネットが使えれば悩みませんが、それは使えればの話。この地域は年配の方が多くいます。そのためインターネットを介して舟券を買うことができないという人も多いのでしょう。
このように情報弱者はいつも不利益を被るのです。
でも安心してください。ここは天下の寿町です。
そのような情報弱者のためにセーフティーネットが用意されているのです。
この手の裏家業は一般的に見えないように営業しているというのが常ですが、どうもこの街にあるその手の店は隠す様子がありません。
外からも中の様子がうかがえるオープンな感じ。クリーンなイメージを打ち出しているのでしょうか。それともコロナ対策の一環でしょうか。
扉は開け放たれ誰でも出入りができる感じになっています。
いわゆる「ノミ屋」と呼ばれるところです。ここであればネットで買わずに投票できるんです。なんてすばらしいシステムなんでしょう。
中まで入ってみていませんが、馬券だけでなくボートレースにも対応しているんだと思います。もし横浜で公営ギャンブルをするとなった場合、競艇は寿町のボートピア、競馬は野毛のウインズ、競輪とオートレースは桜木町に行かなければなりません。競馬のメインレースは外せないけど、今日は競艇の気分って方もいるでしょう。わざわざ行き来する必要が無くその場所で馬券も舟券も買える画期的システムがここにあるのです。
弱者のための救済施設、しかし日本の法律でノミ行為は禁止されています。例えアウトローな街だとしても日本の法律は適用されます。いわゆるノミ屋のやっていることは賭博開帳にあたります。
建物の並びには無人の交番があります。抑止力のための交番。でも駐在していなければただの建物です。
仮にいたとしても何か言われない限りは動かないのでしょう。なんだったら何か言われたとしても何も動かないのかもしれません。なにせ日本の警察はパチンコ屋の換金行為を知らないようです。昔から寿町に私設のギャンブル場があったことも知らないのでしょう。
ただこのようにお上にお世話になっていないため継続できているわけです。この私設の場外舟券、馬券場があるおかげで三密が避けられているのでしょう。そういった意味では社会に貢献しているんじゃないでしょうか。
実際のところこの手の店を利用した経験が無いためどういったシステムなのかは不明です。店が胴元となって売り買いができる感じでしょうか。平日でしたが結構店の中には人がいました。
ここ以外にも同様のビジネスをしている店舗が寿町にはあります。同じ組織のところがやっているのかは不明ですがここでは人気なんでしょうね。
昔であれば場外馬券場も少なく電話やネットで買うこともできませんでした。そのような時勢であればノミ屋に行く理由もわからなくもないのですが、このご時世、近くに馬券場も舟券場もあるのにノミ屋に人が行くっていうのが謎でした。
公営ギャンブルでも私設の投票所で買うのはリスクです。それでも色々な理由でここに買いに来るんでしょうね。
公式とは倍率が違うとかだったり、末締めで請求されるため手持ちの金が無くても購入できたりといったメリットがあるのでしょう。そしてこの度コロナの影響で場外馬券場などが閉鎖されています。まさか2020年になってノミ屋の本領を発揮する機会が来るとは思ってもいなかったことでしょう。
世界が感染症で大変な時でもバクチだけは辞められない人がいるんです。
とくにこの地域は娯楽も少なく救いも無いです。そのため賭け事に逃げる人は多いのだと思います。
横浜ではカジノ誘致の話が出ています。現在コロナの影響で計画は止まっていますが資源のない日本にとってカジノは観光資源となるのでしょう。
インバウンド向けのためのものでもありますが、日本人は案外ギャンブル好きの人が多いのです。公営ギャンブルだけでなく、駅前のパチンコ屋で得た景品を偶然近くにある古物商が買い取ってくれるというギャンブルっぽいものが全国にあるわけです。麻雀も点ピンだったら罪に問われないなんてことにもなっているようです。つまり日本人のためのカジノ誘致でもあるのです。
ギャンブルに手を染めるのは社会的弱者の人が多いように感じます。このノミ屋にいる人たちがカジノに行くかもしれませんね。国はケツの毛まで抜きにきているようです。
横浜にカジノができれば一度くらいは夢見てみたいですよね。そして無一文となり後悔して嘆くのでしょう。
寿町ならタネ銭なくてもバクチが打てるのに!!