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【小田急相模原】路地裏にあるサロン、ファンタジーの街「オダサガ」

【小田急相模原】路地裏にあるサロン、ファンタジーの街「オダサガ」

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神奈川県相模原市。もともと横浜と川崎を除く神奈川県の大部分は相模国と呼ばれていました。つまり県の西側全域が「相模」なんです。

相模原駅、相模大野、相模大塚、さがみ野、小田急相模原。相模原市近郊には「相模」を冠する駅が複数あります。全ての駅が近隣にあるかというとそうではなくJRの相模原駅と小田急線の小田急相模原駅は同じ「相模原駅」なのに直線距離で9kmも離れています。神奈川県民ですらどっちだかわからなくなるんだから県外の人は難易度が高いでしょう。

こちらは小田急相模原駅です。地元民には「オダサガ」と呼ばれているようです。
相模原の中心は市役所があるJR相模原駅の方なのでしょう。小田急のは「じゃない方の駅」。

JR相模原駅の方は1940年頃から原野だった土地を宅地開発したそうです。県が主体となって開発したため街並みがキレイに整っています。

一方、小田急線の方は都市計画による宅地開発ではなく戦後に自然発生的に住宅地ができたそうです。小田急線沿線で新宿にも出れる場所です。そんなわけでこのあたりに引っ越してくる人が多かったのでしょう。街路が整備されずに無秩序に建物ができたため、駅近辺はごちゃごちゃしてるんです。

駅前はごちゃごちゃしていますが相模原のあたりは少し特殊な環境です。
座間や大和市、そして相模原のあたりは米軍基地関連施設が多い地域です。都心からもそこまで離れておらず広大な土地があった相模原は軍事基地をつくるのに最適な場所でした。JR相模原の宅地開発も軍事施設移設の一環だったようです。陸軍病院、陸軍学校、陸軍工場など8つの施設がこの界隈に移転してきました。相模原のこの辺りは軍都だったのです。しかし終戦により米軍に接収され、現在の姿になってます。駅北側には在日米陸軍相模原住宅地区があります。このフェンスの向こうはアメリカ合衆国です。

相模原は国境がある都市。
軍事基地ではなく米兵家族の住宅地なんですがこっちとあっちじゃなんか様子が違いますね。

こちらは小田急相模原駅近くの衛星画像です。
なんかスラム街と高級住宅地の境みたいになっています。米軍住宅は緑もあって建物の間隔が広くとられています。しかし日本の住宅は小さく細々しています。実際のところは普通のよくある日本家屋なんですが、日本とアメリカの違いを感じられます。

でも私は整理された街よりも、ごちゃごちゃしている方が人が住んでいる感じがして好きです。路地裏のちょっと小路を入るとある怪しい店を見つけるのが楽しいんです。
戦後に宅地開発されたオダサガは昭和の名残りを残しています。オダサガの生まれ持ったポテンシャルを確認するため、本日はオダサガの性を見てまわります。

こちらは栄小路商店街。昭和の雰囲気がありますね。ちょっと怪しい路地裏っぽいけど普通の飲み屋街。パブスナックだけでなく居酒屋もあります。
米軍基地にはこういったところないし、本場アメリカでもないはず。こういう路地があるから日本の駅前は素敵なんです。いわゆる赤ちょうちんがぶら下がるような居酒屋がある店。

と思いきやちんちんぶら下げる店。
オダサガの性とはこれのこと。そうなんです。小田急相模原にはこの手の店があるんです。

かつては南口駅界隈には多くのサロン的な店があったそうです。小田急相模原駅は厚木市と相模原市の市境にあり、中心地から外れた歓楽街は少しディープな街並みになるケースが多いです。2000年代頃がピークだったようで、20軒以上のピンサロが乱立していたんだとか。
しかし飲食店らしからぬ飲食店を市民は望まなかったのでしょう。駅前再開発によりそれらの店は消えてなくなりました。
これは小田急相模原だけではなく全国各地で抱えている問題です。駅前のクリーン化によりその手のサービスを提供する店は窮地に追い込まれ、最終的に店をつぶすしかないのです。警察のさじ加減で摘発されるリスクのある店舗型営業よりもネットで集客出来て摘発リスクの少ない無店舗型に切り替えたところもあるのでしょう。このようにしてかつて駅前にあった怪しい店は淘汰されていったのです。

現在、オダサガには数えられる程度しか残っていないようです。

こことか。

こことか。

こことか。

結構残ってる!
今も現役で10店舗ほど営業しているようです。
以前は20軒以上あったわけなので50%減です。っていうかその当時がすごいですね。それだけピンサロが乱立していてもどの店も繁盛していたのでしょう。乗換駅でもないごく普通の住宅街の中にある駅。つまり地元民御用達の店なんでしょう。

こちらの店は入り口に座間市長のポスターが貼ってあるんです。日本一元気で楽しいまち座間。ハートマークが違う意味にも見えなくない。

こちらはファンタジーロードです。ファンタジーとは超自然的、幻想的、空想的なといった意味があります。ゲームのファイナルファンタジーなんかはまさにファンタジーの世界観です。
幻想的な世界を疑似体験できる道。この道沿いには幻想的なところがあるのでしょう。

これはまさにファンタジー。

幻想的な世界を疑似体験できる店。こちらはファッションのお店です。クリスタルとはまさにファイナルファンタジーの世界観。リングが散りばめられているのは指輪物語を彷彿させますね。

こういった店もありますが駅前を散策した感じだとサロン店が多め。でもこの手の業種は利用者の減少や摘発により縮小傾向にあります。

2022年にピンサロ業界最大手のAKプランニングが運営する渋谷のピンサロが公然わいせつ罪により摘発されました。この手の業種の摘発は店舗の営業停止または廃止でとどまるのですが、警察に目を付けられたんでしょう。店だけでなく経営者も風営法違反容疑で立件されたそうです。騒動の折、同社が運営する20店舗以上が休業したそうです。一度潰れたら再起の難しい業種です。これを機に衰退していくのでしょう。

でも、元気に営業中のようです。

潰れる気配、なさそう。

都内ではあまり見なくなったこの業種。相模原では健在のようです。

【平塚歓楽街散歩】消えた平塚遊郭、増えた怪しいサロン
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本日は平塚に来ています。 平塚駅は国道一号線の近くですが、東京から西へ向かう際は東名高速を

そういえば平塚も結構残っていました。このように地域差があるのは警察の力によるものなのでしょう。東京を管轄する警視庁の警察官の数は46000人、神奈川県警は15000人なのでその数およそ三倍。神奈川県民は920万人に対し東京は1400万人なので1.5倍です。
単純に都内は警察官が多くいるため手を回すことができるのでしょう。

深夜営業許可や風俗営業許可は警察署に届出をするのですが都内の場合は定期的に査察があるのに対し、神奈川県では許可後の確認だけしかしないところが多いです。人手が足りないと監視が緩くなる。これが地方に怪しい店ができる理由の一つでもあるのでしょう。とくに横浜は警察が多いでしょうが、相模原や座間市はそれに比べると少ないはずです。

相模原の壊滅したちょんの間街「町田の田んぼ」は立ちんぼへ
相模原の壊滅したちょんの間街「町田の田んぼ」は立ちんぼへ

町田(相模原)にはかつて「田んぼ」と呼ばれる場所がありました。その町田の田んぼの現在の様子を見てきました。

そういえば町田のたんぼも神奈川県相模原市でした。つまり、相模原はそれらの店が乱立する土壌があるようです。

小田急相模原駅、通称「オダサガ」。
じゃない方の駅だと思ったらそうではありませんでした。サロン的な店も多いしエステ店もかなりあります。

流石は相模原です(ほぼ店があるのは座間市)。

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