山林生活

かつて小菅監獄と呼ばれた場所「東京拘置所」の矯正展に行ってみた

かつて小菅監獄と呼ばれた場所「東京拘置所」の矯正展に行ってみた

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本日は東京都足立区に来ております。
こちらは東武スカイツリーラインの小菅駅です。
駅があるのは足立区ですが駅名の小菅は葛飾区に存在する住所。足立区と葛飾区の区境にある駅で駅の南東側が葛飾区、北側が足立区となります。

東武スカイツリーラインの正式名称は伊勢崎線。
下り線に乗ると竹ノ塚や春日部、越谷へ。上り線に乗ると都心にでれる小菅駅。
また隣駅の北千住は駅前が栄えてます。
このように便利そうな駅ですが一日の利用者数は6000人ほどで都内では6番目に利用者が少ない駅なんだとか。そんなわけで駅目の前にあるのは自販機だけです。

クソド田舎の駅。

一応大通りに出れば東武ストアがあります。また飲食店もあるのですが数は少なめです。

各駅しか停まらない小菅駅。
隣駅の北千住駅は直線距離では近いのですが荒川があるため駅は近くありません。また駅南側は川なので住居はありません。隣駅の五反野はさほど遠くなくそちらの方が駅前は栄えてます。このような立地なので利用者が少ないのでしょう。一番利用者が少ない理由はこれのせいでしょうか。

小菅駅の東側、大きな敷地にそびえたつ建物があります。
通称小菅と呼ばれる施設、こちらは東京拘置所です。

法務省関東矯正管区東京拘置所。
未決拘留者の拘留施設で収容定員は3010名。
日本最大の拘置所です。

拘置所と留置所の違いについては以前刑務所に行ったときに知りました。

お勤めご苦労様です!

いやいや入所していたわけではありません。趣味で刑務所を見学しに行ったのです。

ゴミみたいな趣味。

留置所は警察の管轄で起訴前の被疑者を留置するところ。
拘置所は法務省管轄で起訴後の未決拘留者を拘置する施設。

つまりここにいる人たちの多くが検察に「お前は犯罪者なんだよ」と告げられた人たち。

東京拘置所の稼働率は7割程度。
3010名の収容定員に対しおよそ2000人収容されてます。
流石は国内最大規模の拘置所です。

東京拘置所の歴史は古く1879年にここに監獄ができたのが始まりです。
小菅は江戸時代の頃は幕府の天領でしたが明治以降に煉瓦工場が建設されます。

最新式の窯を導入した小菅の煉瓦工場。
製鉄や建築で大量に消費される煉瓦は近代化を目指す日本にとって重要な建築素材。
しかし煉瓦造りは労働者が必要でした。

じゃあ、囚人使えばいいんじゃね?
囚人使えば、タダじゃね?
ってことで煉瓦工場そばに刑務所を建てます。それが小菅監獄でした。

労役も用意できて煉瓦もできる一石二鳥。日本の近代化を支えたのは刑務作業品だったようです。しかし耐震性が低い煉瓦。関東大震災で多くの建物が倒壊しました。小菅監獄も煉瓦造りだったため被災します。

こちらには当時のかもしれない煉瓦が残ってます。

煉瓦に代わって鉄筋コンクリートの建物へ。需要が減ったことで小菅の工場も閉鎖。小菅監獄も鉄筋コンクリート造にしたそうです。
設計は蒲原重雄って建築家で施工は小菅監獄の受刑者がしたんだとか。自身が収監されるとこを自分で作るDIY刑務所。

震災から6年後の1929年、今の形の刑務所ができました。
戦後小菅監獄は東京拘置所となり現在に至ります。

建てられたのは100年近く前。当時の建物はほぼ残っていません。唯一旧管理棟の一部が文化遺産として残ってます。近くで撮影をしようとしたのですが職員に止められました。拘置所の建物外観は撮影禁止のようです。理由は聞いてませんが警備上の理由なのでしょう。

東京拘置所の入所者は検察官によって起訴され刑が確定するまでの期間に収容される施設です。拘置所は全国で8か所しかありませんが拘置支所は100か所ほどあるそうです。

関東にある拘置所はここ東京と立川だけ。
起訴されると普通は拘置支所に行くのでしょうか。
そうなると東京拘置所はエリートがいくところ。

有名人で入所した例では薬物事件で捕まった元野球選手、証券取引法違反で捕まった六本木の有名経営者、あとは逃亡中の某自動車会社の元社長でしょうか。

結構エリートな人たちが入所してました。
そう考えると私がいくら罪を重ねたとしてもこの敷地の中に入るのは難しいのかもしれません。

こちらは拘置所前にある児童公園です。
拘置所があるといっても近くに住んでる人もおりまた拘置所職員の住居もそばにある立地です。そのためここに住む児童も結構多いのでしょう。そんなわけで児童公園が設置されてます。でもこの児童公園、拘置所入所予備軍のたまり場になってるんです。

拘置所の周りは監視カメラが設置されてます。
また多くの職員が警備してます。そのような環境の中で大声で騒ぐ中高生。
さすが監獄がある街、葛飾区。拘置所入所者量産行政区。
ひったくりの被害も多発してるって、治安維持のための拘置所なのに治安が維持されてない。

もうここ、ゴッサムシティーじゃないですか!

拘置所の面会者入り口の目の前にある神社。
こちらは小菅稲荷神社です。
ご祭神は宇迦之御魂神。ご利益は五穀豊穣、商売繁盛。創建時期の詳細は不明ですが1730年ころ。

灯ろうには天保5年と書いてあるようで200年以上前からある神社です。

かつては徳川小菅御殿のそばにあった神社。

こちらの本殿の裏には何かトラブルがあった時に逃げられるよう御殿へと続く脱出用の抜け穴があるんだとか。小菅御殿があったのは東京拘置所のところ。抜け穴から逃げ出した被疑者がいるのかも。

保釈申請をしなくても抜け出せる。
保釈時に作業服で変装する必要もないし楽器ケースに入る必要もない。

拘置所の周りは普通の街にはない施設があります。

こちらは収容施設のそばには必ずある差入店です。

何かの利権かな?何かの癒着かな?って思っちゃいますがそうではありません。差し入れできるものって制限があるんです。そのため何を差し入れできるかわからない。このように悩まられる方が結構いるようです。でもここで売ってるものは差し入れ可能なんです。そのため悩まずここに来ればよい。

この店から出てきたカタギじゃなさそうな人が拘置所へ向かっていきました。

面会する際はこちらに立ち寄るのでしょう。

ちなみに差し入れできる物品に関しては施設指定の差入物品取扱業者に限られるそうで拘置所内の売店のものかこちらの差入屋のものに限られるそうです。

何かの!

こちらは更生保護施設です。

更生保護施設とは法務大臣の認可を受け更生保護事業法に基づき出所後の住居がない人を対象とした宿泊施設です。全国に102も保護施設があるんだとか。
矯正施設から出所した人を対象としてるので社会に順応できるように支援も行ってます。

東京拘置所は拘置する場所だから関係ないんじゃって思いますが執行猶予の人も保護の対象になるため拘置所のそばにも必要なのでしょう。

社会に順応するための施設。

職業訓練などを行い再出発を支援してるようです。

それがこちら。

更生施設じゃなくて構成員がいる施設。

お勤めご苦労様ですって言われそうな組織名。

そっち系の事務所と見間違えそうなところですがこちらの更生保護施設の歴史は古く1905年。小菅監獄のころから存在するところなんだとか。歴史ある更生施設なんですね。

まぁ更生保護施設に入所する人の中には元構成員がいたとしてもおかしくないのでしょう。
この施設にそういう人が出入りしているとてっきりその手の組織かと思ってしまいますがここはちゃんとしたところのようです。

東京拘置所はこんな感じです。
写真におさめられないのが残念ですが警備上仕方ないこと。

白く突き出た建物。時計台のようなものが見えますがこちらは拘置所内にある管理棟です。これは文化財なんだとか。
でも近くで観ることができません。

拘置所内には気軽に入ることはできないためそれを観るには罪を犯して起訴されるか、はたまた公務員を目指すか。私がソレを観るには起訴されるのが楽そうです。でも基礎されずとも所内に入る手段があるんです。

それがこちら、矯正展です。
年一回だけ拘置所の敷地内に入れるイベントです。
いつかいくかもしれないけれどできれば行きたくはない拘置所。
それを間近で見ることができるんです。
どうせ入所するなら下調べしておいた方がいいじゃないですか!ってことで来ちゃいました。
ちなみに撮影に関して職員の方に聞いたところ撮影に制限はないとのことでした。

警備上で撮影禁止にしてるわけじゃなかった。なぜ注意されたのかナゾ。

どこを撮っても何を撮ってもよい。つまり年に一回撮影が禁止されない日のようです。

敷地内といっても拘置所に入れるわけではなく駐車場や車庫があるエリアに限られてます。でも駐車場も普段は関係者以外立入禁止で親族知り合いの面会がなければ入れません。

矯正展。
矯正とは欠点を直し正常な状態に変え正すこと。ソレの展示会です。
このイベントの趣旨は受刑者の更生と矯正機関の役割を国民に広く認知させるための展示即売会。そのため展示会では各刑務所で作られた刑務作業品を販売してます。社会復帰を目指す同じ志を持った人たちの受刑者同人即売会。そんな同人即売会が矯正展です。

刑務所および少年刑務所は全国で69か所。
少年院は全国で50か所ありますがすべての施設が参加しているわけではなく刑務所少年院の展示スペースは19か所だけです。

主に関東近県の刑務所が参加してますが北海道は月形刑務所、岐阜から岐阜刑務所が参加してます。どちらも再犯者と暴力団員の矯正施設。

珍しいのが栃木刑務所と笠松刑務所でしょうか。両刑務所は女性受刑者の刑務所です。
女性刑務所で作られる刑務作業品は女子力高めの製品もあるんだとか。

人間力を高めた方がよい人たち。

あとは物販、飲食、広報があります。この中で気になるのはプリズンカレーです。
カレーを販売しているのは刑務所収容者の給食を納品していた企業で刑務所で食べられるカレーを提供してるようです。

いわゆるくさい飯。
これこそ入所しなきゃ食べられない飯です。
なかなか食べる機会のない刑務所の食事。くさい飯って言われるだけあってくさいのかな?
ちなみにカレーを食べた人の話では懐かしい味がするそうです。

懐かしい味がする人は前科者。

こちらが展示会の中です。
奥に見える物々しい建物が東京拘置所。物好きが結構いるようで来場者は多めです。年寄りが多く来てるのかと思いきや若い人や子連れの家族が結構多め。そしてカレーコーナーは大混雑。さすがに並ぶ気になれなかったのでカレーは辞退。別に今食べなくても、いつか食べることになりそうだし。

コッペパンは並びが少なかったので購入しました。
ジャムやピーナッツクリーム、あんバターなど味付きのもあります。

こちらは購入したプリズンコッペパン。受刑者パンと呼ぶべきものでしょうか。
普通のコッペパンより大きいので食べ応えがある。大きさの割に値段もやすく結構うまい。
そしてなんか、懐かしい味がする。

お勤めご苦労様です。

こちらには文化財が展示されています。
中に入ることが許されない場所。でもこのようにしてみることができます。

こちらは監獄ができた際に設置されていた門です。
記念として残したものなんだとか。
記念物として展示されているため決して開かない開かずの門。ここが見れるのは年に一回だけ。矯正展はただのイベントではありません。

こちらは旧小菅刑務所庁舎、遠くから見ていた白い時計台です。
2024年に重要文化財に指定された建物。普段は閉ざされており見ることは容易ではありません。

ここには翼を失う可能性のある人たちがいるのに空高く飛び立とうとしている白鳥のような建物。
受刑者を白鳥と見立てたのでしょう。
更生し飛び立って欲しいと願いを込めたのか、渡り鳥は元の場所に戻ってくるという暗喩なのか。設計した人の気持ちは今はもうわかりません。

旧庁舎内も見学が可能でしたがめちゃくちゃ混んでたので辞退しました。
人混みが苦手なのでこの手のイベントは楽しめません。ゆっくり見るなら人がいないときに。そうなると起訴されるしかなさそうです。

年に一度行われる矯正展。
多くの人が来場し賑やかなお祭りのようです。
笑顔が絶えない会場ですがそのそばには拘置所があります。

東京拘置所には2000人が収容されてます。その多くが未決拘留者。
日本の刑事裁判における起訴後の有罪率は99.9%と高い水準です。つまりここに収容されている多くの人が前科者になるのがほぼ確定しています。

またそれ以外に死刑囚も拘置所にいます。
死刑囚は刑務所ではなく拘置所に拘留されてます。
死刑囚は死刑が刑罰だから刑務をする必要がない。死刑執行まで拘置所で拘留してるのです。

現在の日本の死刑確定囚人は100人ほどで半数の50人ほどが東京拘置所にいます。

刑事訴訟法では死刑の執行は原則的に刑が確定してから半年以内に行わなければならないと規定されています。しかし実際は守られておらず、執行までの平均期間は7年以上かかってます。

ちなみに一番古い死刑囚は1970年、つまり50年前以上前に判決がでたものです。東京拘置所にいる死刑囚だと1987年に死刑判決が出た事件のもの。こちらももうじき50年になります。

死刑囚にかかる年間コストは500万とも600万とも言われてます。とっとと執行すればこのコストはかかりません。

しかし冤罪があるかもしれない。
施行する刑務官の心身的負担がある。
死刑執行は選挙に差し支える。
様々な理由で執行がされていません。

判決が出て控訴期限が過ぎた段階で即日死刑にするのが一番よいと私は思ってます。

冤罪の可能性がある?
それで執行しないならもう裁判する意味もない。
死刑制度がある以上粛々とそれに則して執行すべきでしょう。
刑務官の負担が大きいのであれば裁判員制度と同じで刑務官制度にすればいい。ユーチューバーにでもやらせればいい。

本日は東京拘置所を巡りました。
この大きな建物の中には法の裁きにより殺されるのが確定してる人たちがいます。
そんな人がいる眼下で賑やかなお祭りをしてます。シュールです。

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