山林生活

都市化で消えてなくなるスラム「サムセン運河コミュニティ」

都市化で消えてなくなるスラム「サムセン運河コミュニティ」

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こちらはペッチャブリー通りです。
アソークの北側に位置するこの場所はタワーマンションが建ち並ぶエリアとなってます。

地下鉄の駅も近いし空港アクセス線も近くにある大変便利な場所となっています。収入の良い人が住むエリアでしょうか。でもかつてはあまりよい場所ではなかったようで1970年代前半のベトナム戦争時に休暇でやってきたアメリカ兵が集まるエリアでした。
休暇でタイに行ったとしたらどこの国の人でもすること同じ。女を買うのでしょう。この界隈には売春宿や風俗が集まるエリアでした。
かつては賑やかな場所だったんでしょうね。でもそれは50年も前の話。もうそういった店はない。

と思いきやまだそれっぽい店が残っており通り沿いにマッサージパーラーがあります。これがベトナム戦争の爪痕ってやつでしょうか。
歴史を感じれるし色々感じれるお店。この付近のお店はどこも大型店舗のようです。

こちらなんて見た目はほぼホテル。これ、性風俗店なんです。
昔はもっと店があったのでしょうか。日本にもかつては大型店がありましたが性産業は縮小し店舗型は徐々に減りつつあります。
バンコクにあるこれらの店も消えていくのでしょう。十年後にはもうなくなっているかもしれません。楽しむのであれば今しかありませんね!

というよりなんかヤバそうな地域にいるんです。ギャングとかがいそうな雰囲気の場所。放置されている廃虚みたいな雰囲気ですがこちらは空港線と国鉄が走る線路沿いです。

ここに訪れたのは風俗を見るためではありません。バンコクの街を散策するために来ました。

ホントに?

ここの北側にスラムがあるそうなのでそのに向かうついでに立ち寄ったのです。そう。ついでに立ち寄っただけ。まっまさか風俗利用するはずないじゃないですか。たまたま通りかかっただけなんです。アクアがいいとかプラザがいいとか、それともハーレムがいいとか。マッサージパーラーにいくつもりはなかったんです。

ぜったいネットで口コミ調べてる人。

今日はそんな風俗遊びはしません。二日連続は体力的に厳しいですからね!

すでに登楼済みだった。

これより向かうのはクロンサムセン運河コミュニティってところです。

タイにはスラムがありません。実際はスラムはあっちこっちにあるんですが、国内ではスラムと呼ばずコミュニティと呼ぶようです。スラムって言葉が差別的ってことで名称を変えました。国関係なくこういった言葉狩りはあるんですね。

そのコミュニティがマッカサン駅近くにあります。マッカサン駅は地下鉄のペッチャブリ駅のそば。マッカサンは空港から都心に行く際の乗換駅です。そんなわけで多くの観光客が利用する駅ですが駅の裏手はこんな感じで未開発のままです。

マッカサン駅は2010年に開業しました。15年間ずっとこのままの状態ですが近々商業開発がはじまるようです。

現在はスワンナプーム国際空港へ行くための駅ですが将来的には三つの空港に行けるようになります。
スワンナプーム国際空港、ドンムアン空港、そしてパタヤにあるウタバオ空港。

ドンムアン空港への鉄道開通予定は2028年。
ウタバオ空港への鉄道開通予定は2030年。

開通すればますます便利になりそうです。
ちなみにこの路線はさらに延伸予定でタイとカンボジアの国境まで伸び、さらにはカンボジアの首都プノンペンへつなぐ予定なんだとか。またプノンペンとホーチミンをつなぐ路線も検討中で、それができると中国北京からタイまで鉄道だけで移動できるようになります。

私は北京から陸路でインドを目指した経験がありますが、その時はホーチミンからタイの間はバスでした。北京からタイへ鉄道の旅ってなんかロマンがあります。

っていうより、なんか迷子になってるんですけど!明らかにヤバそうなところに来ちゃった。なんとなく質が悪そうな雰囲気のあるところ。

壁に落書きがあります。

weed is healthy
might be cpelled wrong

葉っぱ吸い過ぎで頭おかしくなっちゃったのかな。大麻利用者の質が問われる。タイは合法国ではありますがこういう落書きをみると規制すべきと思います。

なんかヤバそうな燃えカスがあります。

ほぼ北斗の拳の世界。

日中だけど囲まれたら逃げられない路地。
ちなみに私がいるのは大通りの北側。大通りを渡らなければなりません。でもここに歩道があるんだから渡れるはずです。

こちらはチャトゥラティット通りです。
ぜんぜん渡れなさそう。自動車道のような道。当然横断歩道はなく地下道も歩道橋もない。そもそも渡ったとしてもその先には川があります。つまりこのルート、全然ダメだった。

なんか近そうだからこっちから行こうぜ!みたいな日本のノリで歩いて行ったら自動車道を歩かされることになりました。そして当然ですが歩道はありません。首都高で歩行者がいるみたいなのと同レベル。迷惑系ユーチューバーみたいなやつ。でも引き返すのもあれなんで突き進みましょう。

なんとなくインターチェンジっぽいところが見えてきました。道路わきに水路が見えます。こちらはマッカサン湖という人口の湖です。バンコクは頻繁に洪水を起こすため被害を減らすための貯水池みたいなものでしょう。
現在バンコクでは排水トンネルを建設中でそれが出来ればこの湖も必要なくなるのでしょう。

結局1kmほど歩かされラーチャプラーロップってところまで来ました。自動車道の逆側を歩けば目的地に着きますが再度あの道を歩くのは不安なので遠回りします。

でもこっちはこっちでヤバそうな雰囲気。高速道路の真下を通る道。かつてはホームレスがいたような雰囲気です。

そういえばバンコクはホームレスが少なくなりました。まだ駅前にいますが物乞いはだいぶ減りました。逆に外国人が物乞い、というより寸借詐欺をしています。

今回のバンコク滞在で二度ほど欧米人に声をかけられました。一人目は財布を落としたから飯代くれって女性と二人目は宿代が無いから貸してくれって男性。日本でも似たような寸借詐欺に遭遇していますが、手法は似たような感じなんですね。感染症が明けて旅行者が増えたからでしょうか。それに合わせて詐欺師も増えているようです。

住宅街のようなところに出てきました。市営住宅のような建物がありますが、こちらはディンデーンフラットという団地です。この界隈はスラムが広がっていましたが1963年にスラムクリアランス事業の一環でこちらの公営団地が建てられました。

この付近の人口は約10万人。かなり多くの人が住んでいるようです。

低所得者層が住む公営団地。バンコクの平均月収は42000バーツですが、同団地の平均月収は15000バーツ未満。15000バーツを日本円に直すと64000円。ほぼ国民年金と同額の値段です。
つまり国民年金だけで生活をしている日本人はバンコクでも低所得者扱いになるようです。

日本よりか物価の安いバンコクですらこれなんだから年金だけで生きていくなんて到底無理な話です。

こちら、公団住宅を建設中です。築60年経過しており建物が古くなったため2016年以降建て直しが順次されてるようです。新しい住居は月額1000バーツ。ちなみに古い建物は300バーツだったのでかなりの値上がりになります。もともと1500円で住めたんですね。

こんな感じの街並みですがその左手、こちらが本日行きたかったところです。

こちらに看板があります。
サムセン運河コミュニティとかかれた看板。
バンコク、マッカサン地区「クロンサムセン」。こちらは運河に囲まれたコミュニティで川沿いに小さな家が軒を連ねております。

コミュニティ内を流れるのはサムセン運河です。
1800年代に作られた運河ですが現在は水上交通には使われておりません。少し前まではゴミだらけだったようですが見た感じだとキレイです(キレイではない)。

バンコクも日本同様に水運で栄えた都市。そのため市内には運河が至る所にあります。首都高速が運河に沿って整備されているようにバンコクでも運河沿いに高速道路があります。ここはまさに運河沿い。そのため近くに自動車道と高速道路があります。交通量が多い道路のためここは空気が悪いです。

細い路地の一本道。これがコミュニティのメイン通りになります。細い道なのにバイクが駐車してあるので歩きづらい。

このコミュニティはあまり治安が良くないらしくその手の組織の人もいるとかいないとか。強盗やひったくりなんかもあるそうでクロントーイスラムよりも治安が悪そうです。

こちらには洗濯機があります。
インドでも似たようなスラムに行きましたが洗濯は手洗いでした。そもそもインドのスラムは上水道が通っておらず水は井戸水か給水車から取水する形でした。そのため洗濯機が使えなかったのでしょう。
バンコクではライフラインは通っており電気と水道が使えるため洗濯機があるのでしょう。ただ下水設備がないのでしょうか。各家庭に洗濯機がないためかコインランドリーがコミュニティ内にあります。

基本的に排水は垂れ流しのようでそれが原因で水路が汚くなっているようです。ここに関してはインドと似たような感じだし、日本もかつては垂れ流しでした。今では多摩川はキレイになりましたが私が子供のころは泡立っていましたからね。バンコクも時期にキレイになるのでしょう。

こちらはコミュニティ内にある弁当屋の看板です。弁当が20バーツ。かつては20バーツあれば飯が食えましたが最近じゃ飲み物が買える程度になりました。でも探せばこんな感じで安い店もあるんです。

「清潔で美味しく、毎日新鮮」と書いてあります。出勤時間帯にしか営業していないようですがこの街の人はお昼の弁当を買ってでかけるのでしょう。

コミュニティを通り抜けた先はペッチャブリ地下鉄駅のあたりです。バンコクにはこのようなスラムが2000もあります。ただスラムは徐々に減りつつあるようです。
マッカサンの周りは現在再開発中で駅近くは大規模商業施設をつくるようです。今後各空港がつながれば利用者も多くなるのでしょう。それに先立ち付近の土地収用がはじまっておりサムセン運河コミュニティも収用されるようです。つまりこのコミュニティ、近いうちになくなります。

高速鉄道開発、マッカサン駅商業開発、排水トンネル建設プロジェクト。10年後の街並みはかなり変わるのでしょうね。

本日はマッカサン駅界隈を散策しました。予定では一つのスラムに行くだけでしたが迷子になったことでいろんなものが見れました。予定通りに進まないでもそれで新たな発見がある。こういったのも行き当たりばったりの旅ならでは。

ってわけで私はこれよりアソークの繁華街へ行きます。当初はマッカサンそばのマッサージパーラーに行く予定でしたが口コミがいまいちだったので別の場所へ。予定通りに進まないでもそれで新たな発見がある。こういったのも行き当たりばったりの旅ならでは。やっぱマッサージパーラーは行く予定だったみたい。

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