これこそが南国“シングルポテト”!薩摩本格芋焼酎「南之方」
私は仕事でもプライベートでも全国いろいろな地域に行くため、その土地のお酒を飲むことができます。現地でしか味わえないものやそこでしか買えない限定品まで。北は日本酒、西は焼酎。地方に行くとそういったものと出会えるのは良いですね。しかし物流が整ってる日本。離島でなければ低価格で配送できる時代です。わざわざ現地に行かなくても手に入れられるようになりました。このように都内にいても簡単に手に入れられるためお土産を買っていくってのがただの儀式みたいになり、わざわざ現地まで行って飲む必要もなくなっています。
でも敢えて「ご当地限定」としている商品もあります。通販をせず現地でしか買えない形でプレミアム感を出してるんです。そこでしか買えないってなると誰しも買いたくなるし、わざわざ買いに行く人もいるでしょう。その場所に行った人じゃなければ買えないってのはいいですよね。そこに行く価値がでます。
たまたま都内のスーパーでこんなのを見つけてしまったため買うことにしました。本格芋焼酎「南之方(みなんかた)」です。薩摩の芋焼酎で本来であれば鹿児島限定品のようですが、普通にネットでも買えるし都内の酒屋やスーパーでも販売されています。
お前の言う鹿児島はどこか?
この「鹿児島限定」は偽りありですね。おそらく元々鹿児島県内でしか販売していなかったものを全国展開したのでしょうか。焼酎は比較的限定品ってのがあります。
製造者は薩摩酒造です。もう散々お世話になっています。薩摩白波のところですよね。芋焼酎って黒霧島のイメージがあります。実際に霧島は売れているし、霧島酒造は焼酎メーカーランキングで10年連続トップなんだとか。安定した味を出し、スタンダードな芋焼酎なので黒霧島は人気があるのでしょう。でも私は黒霧島より白波の方が好きなんです。黒霧島は上品な味ですが白波は芋焼酎の荒々しさを体現した焼酎で、キングオブ芋焼酎はさつま白波なんです。しかも安いし。
そんなメーカーが出しているご当地限定の芋焼酎。これは美味しいに決まってるじゃないですか!
芋焼酎を知り尽くした通の方々に味わっていただきたいとの想いで作ったい品。そんなものが1000円で買えるんです。シングルモルトウイスキーは美味しいけれど、値段が安くないのです。山崎のノンエイジは定価の三倍の14000円が市場価格になっています。
山崎の原料は麦単体で作られてるから「シングルモルト」。それであれば芋焼酎は「シングルポテト」になります。
シングルモルトは高いですが、この“シングルポテト”のノンエイジは1000円で買えるんです。
南国の焼酎のイメージですね。泡盛や芋焼酎のラベルってなんか似ています。波が立ってるのは白波に影響されているのでしょうか。
富士山的な山がありますが、桜島なのかな?桜島はもう少しすそ野が広がっているので違う山なのでしょう。荒れた海の中に山があるので開聞岳かもしれませんね。なんとなく雰囲気が似ていますし、開聞岳は鹿児島の「南の方」ですからね。
さて飲んでみます。
芋の感じが強いです。白波と同じ、これぞ芋焼酎といった味わい。甘みはありますがそこまで強くなく、どちらかというと苦みが強め。苦みといっても嫌な苦みではありません。芋の穀物らしさってやつでしょうか。
味を表現するのであれば焼き芋の皮を食べてる感じ。苦みはサツマイモの皮のポリフェノール成分。口に残るのはあの苦みに似てます。鼻を抜ける香りもサツマイモ食べたあとと同じ。
でもクセの強い芋焼酎ではなく味はまとまっていて飲みやすいです。サツマイモの皮の味が感じるくらい芋の成分が濃い感じがします。
どうやら無濾過製法のようで芋の風味が一般的な焼酎より強めなんだとか。昭和40年代の製法を取り入れているため、当時の芋焼酎を味わえるんだそう。鹿児島弁では「ごいごいした味」って言うそうです。「ごいごい」とは「濃い濃い」って意味のようです。
昔の芋焼酎ってきつくて飲みづらい印象がありましたが、南之方はそんなことなくスルッと入ってきます。当然芋焼酎なので穀物本来の香りや味があり、クセがないわけではありませんがクセが強すぎて飲めないってことはありません。
飲んだ後味は干し芋を食べた時と同じ。芋が口の中に広がってるんです。
そのため食中酒には適していないのでしょう。
ストレートと水割りを試しましたがお湯割りで飲むのもよいかもしれません。
黒霧島のような飲みやすい芋焼酎もいいのですが、穀物の味や香りが強く出ている南之方も悪くないですね。芋焼酎を飲みたいってなったら、個人的にはこちらの方がおススメです。食事には合いませんがナイトキャップに適していそうです。