ビアボール、それはまだ流行ってない。正しいビアボールの飲み方。
お酒はハタチになってから。日本では20歳にならないとアルコールを摂取できません。美味しいビールは20歳にならなければ飲めないんです。このように法律によって規制されています。では20歳を越えれば飲めるようになるかというと、そうとは限らないのです。
私は18歳くらいのころ、定期的に足の親指の付け根が腫れて痛むことがありました。また手の親指と薬指も似たような症状があったのです。何もしていないのにズキズキするし、どこもぶつけてないのに痛いんです。あまりの痛みに耐えかね整形外科に行ったところ「痛風の気がある」と言われました。尿酸値が少し高めでそれにより痛風の症状がでるとのこと。まだ痛風に断定するほどの尿酸値ではないため、今後は食生活を改善、プリン体は控えるようにと言われました。
アルコールの中でもプリン体を多く含むビール。ハタチまでは法律で規制されていたのに、大人になったら医者から規制されました。
このようにビール禁止令が発動されていますがそんなのは気にせずに日頃からビールを飲んでいます(今はもっぱら発泡酒)。なんだかんだで痛風発作は少なく(無いわけではない)、うまく付き合い続けています。
命を削りビールを飲む。
痛風持ちは命を懸けてビールを飲んでるんです。
でも一時期はプリン体ゼロのビールを選んだり、蒸留酒を選んだり、あとはホッピーも飲んでいました。
特にホッピーは秀逸です。ビールっぽい味がして値段も安く、自分好みのアルコール度数にアレンジできるんです。そしてプリン体ゼロ。
ホッピーが生まれたのは1948年。その当時はビールの値段が高かったため、代用品として焼酎にビール味の清涼飲料水であるホッピーを混ぜて飲んでいたんだそう。一時は売上が低迷するものの、プリン体がないことから再評価され、今では比較的どこの居酒屋にもあるし、スーパーなどでも見かけるようになりました。
ホッピーは痛風患者にとって救世主だったのです。
こちらはサントリーが販売している「ビアボール」というビールテイスト飲料です。前々からすごい気になっていたので購入しました。炭酸で作る自由なビール「ビアボール」。日本初!とも書かれています。
日本初?ほぼホッピーと同じじゃないか!と思いますが、ホッピーは清涼飲料水の焼酎割りに対し、ビアボールはアルコール飲料の炭酸割りです。似ているけど少し違うんです。
ビアボールは蒸留酒ではなく醸造酒、つまりそのもの自体が度数の高いビールと認識してよいでしょう。ビールは原料に含まれる糖を酵母の力によってアルコールと二酸化炭素を発生させてつくられます。ただ酵母は自身の作り出したアルコールにより死滅します。一般的には15%が限界値と言われてきましたが、高アルコールでも生息できる酵母により、限界値を超えることができるようになったそうです。それがこのビアホールなんだとか。
アルコール度数は16%。容量は334ml。大して限界値を突破してない!
一般的なビールは5%くらいなので炭酸で割って1リットル造れる感じでしょうか。つまり500ml缶二本分になります。小売価格は698円。ちなみにパーフェクトサントリービールの値段は500ml二本で値段は548円です。プレモルが2缶で634円なのでビアボールの方が高いです。
しかもこの値段は炭酸抜きの金額です。炭酸を買う分を含めるとコスパはかなり悪いです。
炭酸とセット売りのやつを買いました。非売品って書かれています。
おススメの飲み方は炭酸3にビアボール1です。そうなると度数は4%くらいになるでしょうか。しかしセット売りされていた炭酸水の量は500ml。ビアホールの容量は334mlです。おすすめの飲み方をするには1Lの炭酸水が必要です。500mlの炭酸と抱き合わせで売ってる時点で、おススメの飲み方を推奨していない感じがします。
とりあえず勧められた形で作ってみます。まずはビアボールを入れて...。
って作り出したんですが、この作り方は間違い。どうやら先に入れるのは炭酸の方からのようです。
割物は最後に入れるってのが一般的な酒の作り方ですが、その常識を打ち破る作り方です。
炭酸をあとから入れると泡が酷くなります。
味はビールに近いけどビールではない感じ。まずくはない。でもこれならビールでよくね?って味です。むしろビールの方が美味しく飲めるし、炭酸や氷を必要としない分手間もかかりません。ほぼホッピーに近い感じ。ホッピーはプリン体ゼロに対し、ビアボールは一般的なビールと同じくらいプリン体が含まれています。それだったらホッピーでよいような...。
ビアボールの魅力は濃さを自分好みにできる点です。一般的なビールの度数は5%で、低アルコールのものは4%くらいでしょうか。それより低いものは酎ハイがありますが、ビールは少ないです。まぁ言ってしまえばビールを水で薄めれば薄いのができますので、ビアボールである意味がありません。つまりビアボールの神髄は濃いのがよいのでしょう。
でも、濃いのも焼酎で対処できる。
つまりビアボールの存在意義がわからないんです。
おそらくこれが正しいビアボールの飲み方なんでしょう。
“生”で飲む。つまりストレートです。
日本人の手で、世界に誇る日本のウイスキーを作りたい。
サントリーの創設者・鳥井信治郎は1923年に山崎蒸留所をつくりました。それから62年経ち、サントリーの代名詞であるシングルモルトウイスキー山崎が誕生したのです。
何も足さない。何も引かない。
山崎は完成されたもの。注いだ時点で至高であり究極なのです。そのため何も足さずに飲むのが一番おいしいってことなのでしょう。
そんな山崎マインドを受け継ぐサントリーのビアボール。
ここはやはり何も足さない。何も引かない。おススメの飲み方はストレートがよいでしょう。
ビターな味わいって言えばそれっぽく聞こえますがなんか苦い汁飲んでる感じ。度数を高めた弊害なのか微炭酸になっています。氷入れれば美味しく飲めるかも。
これだったら、ホッピーの焼酎濃いめでいいですわ。
トマトで割ればレッドアイ、ジンジャーエールで割ればシャンディガフになりますが、別にそれ、ビールでよくね?ってなりますよね。この製品を出した意図がまったくわからないんです。いろんな飲み方ができる!みたいな触れ込みですが、すでにそれらは存在してるんです。お酒が苦手な人でも低い度数で飲める!みたいに言ってますが、それなら普通のビールを炭酸で割ればよいだけですからね。
恐らく技術的には革新的なのでしょう。でも消費者からするとそのすごさが微塵も感じないんです。
割るために作られたビールなのでストレートで飲むには適さない。かといって割るならビールの方がおいしい。技術的にすばらしくても既存のもので事足りるんです。
サントリーのジンもそうですがなんとなく迷走している感じがします。そもそも商品名がビアホールだと思ってました。でもいつかこれがトレンドとなる日が来るのかもしれません。
ビアボール、それはまだ流行ってない。