渋谷駅井の頭線脇のパチンコホール密集地は今
私は以前いわゆるパチカスと呼ばれる人種でした。ただ、普通にパチンコやパチスロを趣味にしているわけではなく、それで生計を立てていた時期があったのです。ギャンブルで生計を立てるなんてクソみたいな人生ですが、能力のない私にとっては一番可能性のある手段でした。
ギャンブルで生計を立てるのって浮き沈みの激しい仕事のように思えますが実際はそうではなく地味な作業です。
朝起きるのは5時前。始発に間に合う時間に自宅を出てパチンコ屋に並びます。10時オープンまで4時間ほど。夏場はよいですが真冬は寒い中過ごさなければなりません。ライターとか缶コーヒーとか置いて場所取りもできた時期もありましたがそれも禁止され、トイレを我慢しながら店が開くのを待つのです。そして10時になりやっと仕事が始まります。目当てのパチスロ台に一直線。それから13時間、無心に打ち続けるのです。当然ギャンブルなので負ける日もあります。大勝ちする日もあるでしょう。でも仕事なので大当たりを引いても何の感情も生まれないのです。あくまでも業務の一環です。そしてパチンコ屋が閉まる23時まで打ち続け、データ収集をして本日の仕事は終了。翌日また始発の時間にパチンコ屋に行く。
そんな生活を繰りかえしていました。並びも含めると17時間労働。休みはなしです。それで得られる金額は一カ月で50万円程度でした。時給に換算すると940円。もちろんギャンブルなので下回るときもあれば上回るときもある。納税のことを考えたらアルバイトした方が全然マシな仕事でした。
これは20年以上前の話。私は神奈川や千葉を主戦場にしていました。新宿の悟空、グリンピース、宇宙センター。このあたりはよく行きましたね。川崎も登戸、武蔵中原のパチ屋に行ってました。三軒茶屋、明大前も行っていましたね。
そしてここ渋谷は私の狩場でした。
新宿も多いですが、渋谷は一カ所に集中してパチンコ店があったのです。客の争奪戦をしていたので、高確率で勝てる台が多くありました。
とくに井の頭線の脇のところがパチンコ街となっており、複数の店舗が軒を連ねていたのです。しかし今はエスパスの一店舗だけのようですね。たしか以前は入り口のところにイノヘッド大番って店がありました。井の頭線の脇だから「イのHead」。イノヘッドは裏モノが置いてありましたね。
そして中に入ると日拓エスパス、その隣に柳小路がありました。この三店舗がこの地域では大きく切磋琢磨していました。エスパスの横にはワンフロアしかないパチスロファインって店があり、井の頭線のガード下とガード沿いにパチンコ屋がありました。エスパスのパチスロ専門店もあったと記憶しています。
またそれ以外にも渋谷はパチンコ屋が多く現在はドン・キホーテになっていますがこちらにはマルハンがありました。マルハンは2016年に閉店したそうです。
センター街にも白鳥って店がありましたね。また道玄坂のところにキャットって店もありましたね。その当時のパチスロは今のように告知機能がなくフラグが立ってもリーチ目を知らないと気付かないなんてこともありました。そのため店を回ると大当たり確定の台が転がっていたりしたのです。朝から並んで午前中に敗退した時はパチンコ屋巡りをして日銭を稼いでいました。それもパチンコ屋が多くあった渋谷だからできたことです。
こちらは109前にある吉野家です。おそらく私が吉野家の中で一番食べた店です。昼ご飯はケンタッキーのデリバリーか、ここの吉野家の二択でした。連日食べ過ぎて牛丼が嫌いになったこともありました。
パチンコ街の奥深く。現在こちらにはなぜかわからないけどパチンコの景品を買ってくれる古物商がいる地域になっていますが、かつては怪しい店が多くありました。今ではオンラインカジノが当たり前な世となりましたが、その当時はビデオゲームが賭け事に使われていたのです。
この辺りには10円ポーカーがありました。要はゲームセンターのメダルゲームで賭け事をするやつです。表向きはゲームセンターと同じ五号営業ですが、実態はメダルが換金できるシステムとなっているわけです。ゲームだけ提供するのであれば違法ではありませんが、換金した時点で違法。
ギャンブル狂いが行く店ですが、営業母体はその辺のヤクザ。遠隔操作されており当然勝てないようになっています。唯一勝つ手段は勝ったタイミングで終わりにして二度とその店に行かない形です。ただそんなことを繰りかえしていたら怖い人に目を付けられるでしょうね。
現在の井の頭線脇のパチンコ店はエスパスだけになってしまったようです。たしかにその当時から日拓エスパスは頭一つ出ていました。競争が過激化して客の並びがどんどんひどくなり、最終的には抽選となるくらい毎日100人くらいの行列が出来ていました。
エスパスは強いですね。ここの社長の奥さんは神田うのなんですよね。エスパスは新宿にもあり、歌舞伎町にあったパチンコ村もエスパスに飲まれてしまいました。かつては溝の口店で遠隔問題がありましたが、それを経て今では大きな企業になりました。ただ右を見ても左を見ても系列店という状況ではなかなか勝ち目はなさそうです。とくに最近の台は出玉がしょぼい割に勝敗の判断が難しくなっているようです。高設定の台でも負けるリスクがそれなりにあるようです。良い台をゲットしたのに負けるんじゃ...
それはただのギャンブルですよ。