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【宅建業法】建築基準法を学んで小屋作りに役立てよう

【宅建業法】建築基準法を学んで小屋作りに役立てよう

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小屋を作るためには建築行為をしなければならない。しかし何かを作るためには何らかの規制があるわけです。本日は建物を作ることの基準的な法律にあたる建築基準法を学んでいきましょう。

建築基準法の目的

建築基準法とは建築物の敷地、構造、設備及び用途に関する最低限度の基準を定めることによって、国民の生命、健康、財産を保護することを目的としている。

単体規定と集団規定

建築基準法の規定には建物の安全性、衛生面を保護するため全国一律に適用される単体規定、複数の建物間で必要なルールを定める集団規定がある。集団規定は建物が複数集まっている場所でのルールを定めるものだから、原則として都市計画区域及び準都市計画区域のみで適用される。なお、都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域であっても都道府県知事が指定する区域内については地方公共団体は条例で建築物またはその敷地と道路の関係、建築物の要請規律、建蔽率、建築物の高さ、その他建築物の敷地または構造に関して必要な制限を定めることができる。ただ建築物の用途に関する規制は定めることはできません。

建築基準法の適用除外

文化財保護法の規定により、国宝、重要文化財などとして指定され、または仮指定された建築物は建築基準法の規定は適用されない。また建築した当時は建築基準法例に適合していたが、法改正により現行法令に適用しない部分を有することとなった建築物を既存不適格建築物というが、法令に適合するように建て替える必要は無い。

防火壁

延べ面積が1000平米を超える建築物は防火壁によって各区画の床面積が1000平米以下となるようにしなければならない。ただし耐火建築物、準耐火建築物については、防火壁によって区画する必要は無い。

避雷設備及び昇降機

高さ20メートルを超える建築物には原則として有効に避雷設備を設けなければならず、また高さ31メートルを超える建築物には原則として非常用の昇降機を設けなければならない。

居室の採光び換気

・採光
住宅、学校、病院などの一定の建築物の居室については、最高のため窓その他開口部を設け、その採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積に対して住宅にあっては7分の1以上、その他の建築物については5分の1から10分の1までにおいて政令で定める割合以上にしなければならない。これらは日照を受けることができるものとする必要は無い。

・換気
居室には換気のための窓その他の開口部を設け、その換気に有効な部分の面積はその居室の床面積に対して20分の1以上としなければならない。ただし一定の換気設備を設けた場合はこの限りではない。

地階における住宅等の居室

住宅に居室、学校の教室、病院の病室などで地階を設けるものは、壁及び床の防湿措置その他事項について衛生上必要な政令で定める技術的基準に適合するものとしなければならない。

石綿その他の物質の飛散または発散に対する衛生上の措置

全ての建築物において建築材料に石綿を添付してはならず、石綿をあらかじめ塗布した建築材料を原則使用してはならない。居室を有する建築物において建築材料にクロルピロホスを添付してはならず、クロルピロホスをあらかじめ添付した建材を原則使用してはならない。また居室を有する建築物において、一定量を超えるホルムアルデヒドを発散させる建築材料を使用してはならない。

便所

便所には採光および換気のために直接が息に有する窓を設置しなければならない。ただし水洗便所でこれに代わる設備をした場合は不要である。

敷地の衛星及び安全

建築物の敷地には雨水及び汚水を排水し、または処理するために適切な下水管または溜桝その他の施設を設けなければならない。建築物の敷地はこれに接する道の境より高くなければならず、建築物の地盤面はこれに接する周囲の土地よりも高くしなければならない。

構造耐力

高さ60メートル超えの建築物は建築基準法例で定める耐久性等関連規定に適合する構造方法を用い、かつ、必ずその構造方法について国土交通大臣の認定を受けなければならない。
高さ60メートル以下の木造建築(階数3以上、延べ面積500平米超、高さ13メートル超、軒高9メートル超)のいずれかを満たすもの、階数2以上、延べ面積200メートル超のいずれかを満たす木造以外の建物、また高さ13メートル超、軒高9メートルを超のいずれかを満たす石造・レンガ造・コンクリートブロック造等は構造計算によって確かめられる安全性が必要とされている。

建築確認

・建築確認とは
建築基準法のルールを守って建物が建てられようとしているかどうかを設計書の段階で事前にチェックする手続きを建築確認という。

・建築確認の要否
全ての建築工事に建築確認が必要とされているわけではない。建築確認をするのは事前にチェックする必要性の高いもの。例えば都市計画区域や準都市計画区域内で建物を建てる場合は建築確認が必要である。

都市計画区域、準都市計画区域、準景観地区内では新築および10平米超の増改築、移転をする場合は建築確認が必要。なお防火・準防火地域は10平米以内でも建築確認が必要になります。
その他地域では100平米を超える特殊工作物(映画館や学校、ホテルなど)については新築、10平米超の増改築・移転、大規模修繕および100平米超の特殊建築物への用途変更は建築確認が必要。木造(階数3以上・延べ面積500平米超・軒高9メートル超のいずれかに該当するもの)および木造以外(階数2以上・延べ面積200平米超のいずれかに該当するもの)は新築、10平米超の増改築・移転および大規模修繕については建築確認が必要となる。

・建築確認の手続き
建築主事または指定確認検査機関は建築確認をする場合、その確認に係る建築物の工事施工地または所在地を管轄する消防長または消防署長の同意を得なければならない。同意を得るのは建築主事や指定確認検査機関であり建築主ではありません。建築主とは建築物に関する請負契約の注文者又は請負契約に寄らないで自らその工事を行う者をいう。建築主事とは建築確認や完了検査などを行う公務員のことをいいます。都道府県や人口25万人以上の市には建築主事を置かなければなりません。市町村が建築主事を設置しようとする場合、あらかじめ都道府県知事と協議しなければなりません。

・建築主事等は確認申請に係る建築物の計画が構造計算適合性判定を要するものであるときは建築主から適合判定通知書またはその写しの提出を受けた場合に限り、確認を取ることができる。
建築主は申請に係る建築物の計画が構造上計算基準に適合するかどうかの確認審査を要するものであるときは、構造計算適合性判定の申請書を提出して都道府県知事等の構造計算適合性判定を受けなければならず、都道府県知事等は当該構造計算適合判定の申請書を受理した日から14日以内にその結果を記載した通知書を交付しなければならない。

違反建築物に対する措置等

・是正のための手続きの原則(本命令)
特定行政庁は建築基準法例の規定等に違反した建築物または建築物の敷地について違反を是正するために建築主、請負人、現場管理者、所有者、管理者、占有者に対して工事の施工の停止、相当の猶予期限をつけて除却、移転、改築、修繕、使用禁止、使用制限等、必要な措置を取ることを命じることができる。

・緊急時の手続き(仮命令と緊急命令)
緊急の必要があるときは特定行政庁または建築監視員は本来必要とされる手続きを省略して、使用禁止または使用制限の仮命令、違反が明らかな時は工事の施工停止の緊急命令をすることができる。

建築行政に対する不服申し立て

・特定行政庁、建築主事等の行った処分・不作為について不服のある者は、建築審査会に対して審査請求をすることができる。なお、不作為については審査請求は建築審査会に代えて、市町村長にすることができる。
・建築審査会の決済に不服がある者は、さらに国土交通大臣に対して再審査請求をすることができる。
・建築審査会に対して審査請求せずに裁判所に対して処分取消の訴え等の訴訟を提起することもできる。

建築協定

建築協定制度は住宅地の環境や商店街の利便を高度に維持増進することなどを目的として土地所有者等が建築基準法による最低基準を超えた高度な基準を定めることができる制度。落ち着いた街並みを維持するため、建築物の外壁の色や材質に関する基準を定めたり、建築物の用途に関する基準を定めたりすることができる。

道路とは

・建築基準法の道路とは
幅員4メートル以上の道をいう。

・いわゆる二項道路
幅員4メートル未満の道路であっても、建築基準法の集団規定が適用されるに至った際、すでに存在し、建物が立ち並んでいるもののうち、特定行政庁が指定したものについては例外的に建築基準法42条2項の規定により建築基準法上の道路とみなされる。

二項道路では原則として道路の中心線から両側にそれぞれ2メートル後退した線がその道路の境界線とみなされる。一方が崖や川などの場合、そちらに道路を広げられないので、崖や川から道路側に4メートル後退した道路が境界線とみなされる。

・6メートル区域
雪国など冬になると両側に雪が積み上げられ、4メートルの道幅があっても雪の影響ですれ違うことが難しい場所については特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域内においては4メートルではなく6メートル以上のものを道路とすることができる。

接道義務
建築物の敷地は道路に2メートル以上接していなければならない。このことを接道義務という。ただし敷地の周囲に空き地を有する建築物で特定行政庁が交通上、安全上、防火上、衛生上支障が無いと認めて建築審査会の同意を得て許可したものについては2メートル以上接していなくてもよいものとする。これに対し大型デパートなど大人数の人を収容する特殊建築物(階数3以上または1000平米超の建築物)については地方公共団体の条例で、敷地に接する道路の幅員や敷地が道路に接する部分の長さについて必要な制限を付加することができる。なお、付加することができるというだけで緩和はできない。

道路内の建築制限

境界標の設置費用は隣接する土地の所有者相互が等しい割合で分担する。
道路内には建築物を建築したり、敷地を造成するための擁壁を築造してはならない。例外として地番面下に設ける建築物、公衆便所や派出所など特定行政庁が通行上の支障が無いと認めて建築審査会の同意を得て許可した者、公共用歩廊などで特定行政庁が周囲の環境に害する恐れが無いと認めて建築審査会の同意を得て許可したものは道路内の建築制限を受けない。

壁面戦による建築制限

街区内における建築物の位置を整えその環境の向上を図ったり、商店街の買い物客の通行スペースを拡大したりする目的で、道路境界線と建物との間に一定の空間を確保するための壁面線がしていされることがある。壁面線は特定行政庁が建築審査会の同意を得て指定する。壁面線が指定されると、建築物の壁やそれに代わる柱、高さ2メートルを超える門・堀は指定された壁面線を超えて建築できない。

用途規制

都市計画により定められた12種類の用途地域に従い、それぞれの用途地域に具体的に建築できる建築物の種類を定めているのが建築基準法の用途規制。ただし用途規制により建築できないとされる建築物について、公益上や無得ないと認められる場合で特定行政庁が許可したものは建築できる。

寺院・教会・神社・派出所・公衆電話・診療所・公衆浴場・保育所は全ての地域で建築が可能。
住宅・公共住宅・寄宿舎・下宿、住宅に付属する店舗・事務所等、老人ホーム・身体障碍者福祉ホーム、図書館・博物館・美術館は工業専用地域以外建築が可能。
学校(幼稚園・小・中・高等学校)については工業専用地域および工業地域以外建築が可能。
美容院・店舗・飲食店(二階以下かつ150平米以内)は第一種低層住専と工業専用地域以外は建築可能。
店舗・飲食店(二階以下かつ500平米以内)は第一種低層住専と第二種低層住専と工業専用地域以外は建築可能。
自働車車庫(二階以下かつ300平米)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住宅以外の地域は建築可能。
病院、学校(大学・高専・専修・各種学校)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、工業地域、工業専用地域以外は建築可能。
事務所は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専以外は建築可能。
店舗・飲食店(1500平米以内)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、工業専用地域以外は建築可能。
自動車教習所、工場(原動機を使用し50平米以内)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専以外は建築可能。
店舗・飲食店(3000平米以内)、ボーリング場・スケート場・水泳場は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、工業専用地域以外は建築可能。
ホテル・旅館は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、工業地域、工業専用地域以外は建築可能。
カラオケボックス・ダンスホールは第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、第一種住居地域以外は建築可能。
マージャン屋・パチンコ店、店舗・飲食店(三階以上または10000平米以内)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、第一種住居、工業専用地域以外は建築可能。
倉庫業を営む倉庫、自働車車庫(三階以上または300平米超)、自動車修理工場(150平米以内)は第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、第一種住居、第二種住居地域以外は建築可能。
工場(原動機を動かし150平米以内)は近隣商業、商業、準工業、工業、工業専用地域のみ建築が可能。
劇場・映画館・ナイトクラブ(客席200平米未満)は準住居・近隣商業、商業、準工業地域のみ建築が可能。
劇場・映画館・ナイトクラブ(客席200平米超)、店舗・飲食店(10000平米超)は近隣商業、商業、準工業地域のみ建築が可能。
料理店・キャバレーは商業・準工業地域のみ建築が可能。
個室付き浴場は商業地域のみ建築が可能。
特殊(卸売市場・火葬場・汚物処理場)については第一種低層住専、第二種低層住専、田園住居、第一種中高専用住専以外の地域で都市計画で位置が決定しているものでなければ建築ができない。
なお、幼保連携型認定こども園については工業地域及び工業専用地域においても建築が可能。
田園住居地域では農作物の直売所、農業レストランなど農業の利便を増進するために必要な店舗、飲食店に限定されます。
用途指定のない区域においては10000平米超の店舗、飲食店、劇場、映画館等は原則として建築できません。
建築物の敷地が異なる用途地域にある場合、その敷地全体が敷地の過半の属する地域の用途規制を受けます。

建蔽率

・建蔽率とは
建蔽率とは建築物の建築面積の敷地面積に対する割合をいう、敷地面積に適度な空地を設けることで日照・採光・通風を確保するとともに火災の延焼を防止する目的とした規制。

・建蔽率の規制と緩和
商業地域の建蔽率は80%、その他の用途地域は都市計画で定められるが一定の場合は建蔽率が緩和される。
特定行政庁が指定する角地に建築物を建てる場合は建蔽率が10%緩和される。また防火地域内に耐火建築物を建てる場合は20%緩和され、そのほかの地域でも10%緩和される。これらは100%が限度となる。

第一種低層住専、第二種低層住専、第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、工業専用地域は30~60%が原則となり角地であれば10%、防火地域内で耐火建築物の場合は10%が加算できる。

工業地域は50~60%が原則で角地であれば10%、防火地域内で耐火建築物の場合は10%が加算できる。

第一種住居地域・第二種住居地域・準住居地域・準工業地域は50、60、80%を原則とし、角地であれば10%、防火地域内で耐火建築物の場合は10%が加算できる。

近隣商業地域は60、80%を原則とし、角地であれば10%、防火地域内で耐火建築物の場合は10%が加算できる。

商業地域は80%を原則とし角地であれば10%が加算できる。

用途地域無指定区域は30~70%を原則とし、角地であれば10%、防火地域内で耐火建築物の場合は10%が加算できる。なお特定行政庁が土地利用の状況などを考慮し当該区域を区分として都道府県都市計画審議会の議を経て定める形となります。

・建物の敷地が建蔽率の規制数値の異なる複数の地域に渡る場合、それぞれの地域の建蔽率の最高限度の数値にその地域に係る敷地の敷地全体の割合に乗じた数値の合計がその敷地全体の建蔽率の最高限度となる。

容積率

・容積率とは
容積率とは建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合をいう。延べ面積の大きな建物は収容人数が多いため、容積率による規制をして大きな建物を建てられないようにしてある。

・容積率の緩和
共同住宅の強要の廊下または階段の用に供する部分の床面積は建築物の延べ面積に算入しない。
建築物の地階にある住宅・老人ホームなどの部分の床面積はその建築物全体の住宅部分の床面積の3分の1までは延べ面積に算入しない。
一定の昇降機の昇降路の部分の床面積は建築物の延べ面積に算入しない。

・用途地域、前面道路の幅員によって定められる容量率規制の具体的数値
第一種低層住専、第二種低層住専地域は50、60、80、100、150、200%を都市計画で定め、それと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の40%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。

第一種中高専用住専、第二種中高専用住専、第一種住居、第二種住居、準住居地域は100、150、200、300、400、500%を都市計画で定め、それと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の40%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では60%となる。

近隣商業地域、準工業地域では100、150、200、300、400、500%を都市計画で定めそれと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の60%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では80%となる。

工業地域、工業専用地域では100、150、200、300、400%を都市計画で定めそれと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の60%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では80%となる。

商業地域では200~1300%(100%ごと)を都市計画で定めそれと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の60%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では80%となる。

用途地域無指定区域では50、80、100、200、300、400%を都市計画で定めそれと前面道路の幅員が12メートル未満の場合は前面道路の幅員の60%を乗じて算出される数値と比較して小さい方を容積率の最高限度とする。特定行政庁が都道府県都市計画審議会の議を経て指定する区域では80%となる。

・建物の敷地が容積率の規制数値と異なる複数の地域に渡る場合は、それぞれの地域の容積率の最高限度の数値にその地域のかかる敷地の敷地全体に占める割合を乗じた数値の合計が、その敷地全体の容積率の最高限度となる。

防火地域・準防火地域の規制

・防火地域・準防火地域とは
防火地域・準防火地域とは、耐火性能の高い建築物などの建築を推進することにより火災の拡大を抑制しようとする地域。
耐火建築物とは鉄筋コンクリートなど、準耐火建築物は鉄骨造、準耐火構造の木造など、技術的基準適合建築物とは一定の基準を満たす木造などのことを指す。

・防火地域内の規制
地階から数えて階数が3以上、または延べ面積が100平米を超える建築物は耐火建築物としなければならない。これら以外の建築物は原則として耐火建築物または準耐火建築物にしなければならない。このように防火地域内では原則として準耐火建築物か耐火建築物のみしか建築できないが、延べ面積が50平米以内の平屋建の付加建築物で外壁及び軒裏が防火構造のものであればこの規制から外れる。
防火地域内にある看板、広告塔、装飾塔その他これらに類する工作物で建築物の屋上に設けるもの、または高さが3メートルを超えるものは、主要な部分を不燃材料で造り、または覆わなければならない。これらは準耐火構造などにするのではなく燃え難ければよい。

・準防火地域内の規制
地階を除く回数が4以上、または延べ面積が1500平米を超える建築物は耐火建築物としなければならない。地階を除く回数が3以上で且つ延べ面積が500平米以上、1500平米以下の建築物は耐火構造または準耐火構造にしなければならない。地階を除く階数が3でかつ500平米以下の建築物は耐火構造、準耐火構造または技術的基準適合建築物としなければならない。
なお、準防火地域内では、木造の建築はできるが、その外壁及び軒裏で延焼の恐れのある部分を防火構造としなければならない。

・防火地域・準防火地域内に共通の規制
建築物の屋根の構造は、一定の技術的基準等に適合するもので、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの、または国土交通大臣の認定を受けたものでなければならない。
建築物は、その外壁の開口部で延焼の恐れのある部分に、防火戸その他防火設備を設けなければならない。
外壁が耐火構造の建築物はその外壁を隣地境界線に接して設けることができる。

・建築物が防火地域等の内外にわたる場合
建築物が防火地域等の内外にわたる場合、最も厳しい地域の規制が適用される。ただし建築物が防火地域または準防火地域外において防火壁で区画されているときは、防火壁外の部分については、その地域の規制が適用される。

敷地面積の最低限度

全ての用途地域で都市計画により200平米を超えない範囲で敷地面積の最低限度を定めることができる。そして用途地域に関する都市計画により、建築物の敷地面積の最低限度を定めた時は、最低限度未満の敷地には建物を建てられない。ただし敷地面積の最低限度が定められた場合であっても、以下のようなものであれば例外的に建築できる。
・建蔽率の限度が10分の8とされている地域内で且つ防火地域内にある耐火建築物。
・公衆便所、派出所など公共上必要な建築物。
・その敷地の周囲に広い公園などの空き地を有する建築物で、特定行政庁が市街地の環境を害する恐れがないと認めて許可したもの。
・特定行政庁が用途上または構造上やむを得ないと認めて許可した建築物。

低層住宅専用地域・田園住居地域内における規制

・外壁の後退距離
建築物の外壁またはこれに代わる柱の面から敷地境界線までの距離を必要な場合は都市計画法において1.5メートルまたは1メートルを限度に定めることができる。

・高さの最高限度
建築物の高さは10または12メートルのうち都市計画において定められた建築物の高さの限度を超えてはならないものとする。

敷地の周囲に広い公園、広場、道路などの空地を有する建築物で住宅街の環境を悪化させる恐れがないと特定行政庁が認めて許可した者、学校などの建築物で特定行政庁がその用途によってやむを得ないと認めて許可した者については、例外的に高さの限度を超えて建築することが出来るとされている。

高さ制限

・傾斜制限
道路傾斜制限
建築物は前面道路との関係でその高さと形態に制限を受ける。そこで敷地と前面道路の反対側の境界線から敷地上空に向かって一定の公売で斜線を引き、建築物はその傾斜の内側に建てなければならないとするもの。こうすることで建築物が道路に与える圧迫感を取り除き、道路の通風や採光を確保できるようになる。この道路斜線制限は道路の環境を守るためのものだから住宅街であろうと工業地帯であろうと規制の必要がある。そこで都市計画区域および準都市計画区域内のすべての地域に適用がある。

隣地傾斜制限
隣地傾斜制限は隣地の通風や日照などを確保するための制限。隣地境界線上の高さ20メートルまたは31メートルの位置から建築物の敷地上空に向かって用途地域別に定められた勾配で斜線を引き、建築物はその傾斜の内側に建てなければならない。制限の対象となるのは高さ20メートルまたは31メートルを超える建築物。したがって建築物の高さが10メートルまたは12メートルに制限されている第一種・第二種低層住居地域および田園住居地域には適用されない。

北側傾斜制限
北側傾斜制限は北側にある敷地などの日照を確保するための制限。真北方向の前面道路の反対側の境界線または真北方向の隣地境界線の5または10メートルの高さから建築物の上空に向かって一定の勾配で線を引き。建築物はその線の内側に建てなければならない。北側傾斜制限は住環境の保護の必要性が高い。第一種・第二種低層住居専用地域、田園住居地域およびデイ一種・第二種中高層住居専用地域にのみ適用される。ただし日影規制を受ける場合は日影規制が北側の敷地の日当たりを直接保護するので第一種・第二種中高層住居専用地域には北側傾斜制限は適用されない。

・日影規制
日影規制とは住宅地の中高層建築物が周囲の敷地へ落とす日影を一定の時間内に制限することにより、直接的に日影を保護するための規制をいう。
同一敷地内に二つ以上の建築物がある場合にはこれらの建築物を各一つの建築物とみなして適用される。
日影規制の対象区域外にある建築物であっても高さ10メートルを超え、冬至日において対象区域内の土地に日影を生じさせるものは、当該対象区域内にある建築物とみなして日影規制が適用される。

こんな感じで色々と規制があるわけです。ただセルフビルドで建てるとなるとそこまで大きなものは建てられません。上記内容以外でも規制されるべきポイントがいくつかあります。そちらに関しては試験が終わった後にでも勉強するとしましょう。

ちなみに小屋作りをする人は以下のページを見るとなんとなくイメージができるかと思います。

セルフビルドで小屋を建てるための建築確認の要否について
セルフビルドで小屋を建てるための建築確認の要否について

10平米以下の建物であれば建築確認は不要。 ネットだとこのような書き込みがあり、私も漠然とこんな感じで思ってい

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