ミリオン出版「GON!」によって人間形成された末路
私が若いころ、ミリオン出版というところが出版していた「GON!」という雑誌を愛読していました。
いわゆるカストリ雑誌でエロ・グロ・ナンセンス、B級雑誌、アングラ雑誌、サブカル雑誌、中途半端なエロ本などと形容されるような雑誌でした。
その当時はメインカルチャーは普通の人。あえて人とは違うことをする人は素晴らしい。サブカルチャーは特別の人というような風潮で、マイノリティであることがかっこいいといった具合でした。本当にそのサブカルチャーを愛している人にとっては、にわかサブカリストというのはいい迷惑です。私も当時そのいい迷惑の一人でした。
「Quick Japan」と「GON!」
当時のサブカル本として有名だったのは「Quick Japan」です。「GON!」はサブカルとは違いちょっと異質な感じでした。
この二冊を愛読していた私は当然ながらまともな青年期を過ごしてきていなかったのでしょう。
この二冊に関しては同じサブカルっぽい感じの雑誌ではありますが、内容は少し違います。
前者の「Quick Japan」についてはどちらかというとライトなサブカルチャーで、大衆向けに近いけれど大衆が興味を抱かない部分に焦点を当てていた感じでした。音楽やファッション、小説、映画、舞台など少しおしゃれなサブカルチャーといった感じです。
場所で表すと下北沢や吉祥寺、原宿といった感じ。
後者の「GON!」についてはディープで、フィクションかノンフィクションかわからないといった感じのものが多く、違法スレスレ、なんだったら記事にして本当に大丈夫なのか?というようなものもありました。今のカルチャーで例えるのであれば2ちゃんねるやユーチューバーの「○○やってみた」とかを雑誌で掲載していた感じです。
場所で表すと歌舞伎町、山谷、吉原といった感じ。
私はどちらかというと後者の「GON!」の方が好きで、毎号購入していました。
実際に好きな街も下北とか原宿よりも歌舞伎町とか道玄坂上とかそんな街の方が居心地がよかったです。
見ることのない闇社会についてや、廃墟、心霊スポット巡り、風俗関連などから「吉野家の牛丼の牛肉量を店舗ごとに調べてみた」とか誰も興味を持たなそうだけど、ちょっと気になる記事が掲載されていました。雑誌自体は薄いのですが、文字は小さく、読み応えのあるものだったと記憶しています。私が活字を読んだとすればこの雑誌ぐらいだったのでしょう。出版社であったミリオン出版で働きたいとも思った時期がありました。街探索とか廃墟巡りが好きになったのもこの雑誌のおかげだったのだと思います。
そんなサブカル雑誌がコンビニでエロ本の脇に売られているんですからそれもすごいことですよね。
しかし、2001年頃に「GON!」は休刊。
『実話GON!ナックルズ』という名前に変わり、中身もリニューアルされてしまいました。
『実話GON!ナックルズ』はどちらかというとエロが主体となってしまいました。男性向けの雑誌であり同社はエロ本も出していたのでそちらにシフトしたのでしょう。それまでの体当たり的な記事が減ってしまい、それで読まなくなってしまいました。
先日、実話ナックルズを雑誌を出版しているミリオン出版が消滅。
消滅といってももともとあったグループ会社に吸収された形ですが、ミリオン出版という名前がなくなってしまうことにさみしさを感じてしまいました。当時のワクワク感をまた味わいたいものですが、コンプライアンス的な問題などがあり、同じようなものは出てこないのでしょう。そもそもネットが普及している今だとネタは出尽くした感じなんだと思います。新しさもなく、そしてつまらないと感じてしまうのでしょう。
あの頃は良かったなー(懐古厨)。
恐らく今がダメなのではなく、私がダメになっているだけです。
時代の流れについていけないから「昔はよかったー」となっているのだと思います。時代の流れについていけているのであればユーチューブとかを見るのでしょうが、そこに食指が動きません。私はダメ人間ですね。
そんな雑誌を読んでいたからこんな感じで少しおかしな人間に育ってしまったのかもしれません。でも、悔いはありません。少しおかしいからこそ山林を購入したわけだし、もともとまともでは無かったところに光を当ててくれたのかもしれません。そのため「GON!」には感謝しかありません。
「GON!」を読み、行きついた先は山林だった。ただそれだけのことです。
山林開拓や小屋暮らしはサブカルチャー的な要素がある
そもそもサブカルチャーの定義がよくわかっていないのですが、メインカルチャーの対義語、付随するものと考えるのであれば、メインカルチャーはマジョリティ、サブカルチャーはマイノリティ。アウトドアとかキャンプではなく土地もってそこに住もうとかいう稀有な趣味や考えを持つ人なんて少数派つまりはサブカリストなんだと思います。
過酷なのに小屋暮らしをしたいと思う人はドMなのでしょう。
そして実際に小屋暮らしをしている人はドMでありドSなのでしょう。
そんな誰もやらないようなことを率先してやっているから、見ている人にとっては楽しいのかもしれません。私はそこまでアブノーマルな癖を持っているわけではなく至って普通です(自称)。小屋暮らしを実践している方を悪くいっているわけではありません。信念を突き通しているというところが素晴らしいと思います。私のように「にわか」ではほかの方の足元にも及びません。
ただ、私のように山林生活や小屋暮らしに対しての「にわかユーザー」というのは結構いるんだと思います。これはその当時サブカルチャーブームがあったころに「にわかサブカリスト」がいたように、にわかBライファーというのは存在するのでしょう。
「楽しい」の前に「面倒」という気持ちが出てしまうわけですからダメなんでしょうね。
不便を楽しむ。不便は不便です。
そんなわけで山林に行っていません。まだ車中泊ができる環境ではありませんが、一応足はあります。でも行くの面倒なんですよね。
あと一応受からない可能性が極めて高いのですが宅建の試験も控えております。試験前に一回くらいは行きたいと思いますが、滞在はまだ少し先になりそうです。