山林生活

ほぼ川崎!インドにある川崎のどこか「デリースラム街」

ほぼ川崎!インドにある川崎のどこか「デリースラム街」

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インド旅行って言ったら何をイメージしますか?
デリーの旧市街を巡り、アグラに行きタージマハル観光。バラナシでガンジス河を観光し、おいしいインド料理を食べ歩く。これが無難な観光ルートでしょうか。インド象に乗るってのも楽しそうですね。調べると色々なツアーがあるようです。

デリー市内にも多くの観光スポットがあります。

ムガル帝国時代の城塞「レッドフォート」。
世界最大のヒンズー教寺院「アクシャルダム寺院」。
ムガル帝国第二皇帝の霊廟「フマーユーン廟」。
インド戦争記念碑として建てられたインドゲート。

挙げると観光地があっちこっちにあります。そういうのを見てまわるもよいしムガル料理やパンジャブ料理などの北インド料理、アフガン料理やネパール料理などの隣国料理など様々な料理を食べるってのもインドの楽しみ方。インド旅行ってのは一つではなく様々な楽しみ方があるんです。楽しみ方は人それぞれなのでいろんなインドを楽しみましょう。ってわけで私はこれよりスラムに向かいます。

一番下衆なインド旅行。

私は海外のスラムをいくつか見てきました。ギャングが大量にいるスラム街とかではなくギャングが少量いるスラム街(いるにはいる)。少しだけピリッとした空気感はありますがごく普通の人たちが住む住宅街です。雰囲気は川崎区に近い感じ(まるで川崎区がスラム街と言ってるような言い方)。

そう。スラムは普通の街なんです。日本には現在スラムはありません。川崎市川崎区はスラム街!なんて言いますが実際のところは違うじゃないですか!?

日本にはスラムはないんです!
でも海外にはまだそのような場所があり、とくにインドは多くあるそうで、アジア圏だとミャンマー ラオス バングラデシュ カンボジア、その次にインドなんだとか。

ちなみに一番スラム人口が多いのは南スーダンで人口の94%がスラムに住んでいるようです(南スーダンはかなり気になる)。

インドも1980年代は貧困率が50%でしたが年々減少し現在は11%までなったそうです。インドは人口が多いので10%でも1億3千万人、ほぼほぼ日本の人口と同じくらい貧困者がいます。ちなみに日本の貧困率は15.7%。

やっぱ川崎区はスラム街っぽい。

日本のはあくまでも相対的貧困割合です。安心してください!日本には相対的に貧乏人がいるだけです!

なんの慰めにもなってない!

インドの貧困率は年々減少していますが市内にはあっちこっちにスラムがあるようです。認知されているスラムだけでも670以上、未指定を含めると1000以上あるようです。本日はその1000あるスラムの中の一つ、インディラ・カリヤン・ビハールに向かいます。

こちらはデリー南部オクラにあるインディラ・カリヤン・ビハールです。近隣は工場が多くある工業地帯ですがそのような中に小さなスラムがあります。スラム入り口には牛もしくは水牛がお出迎えです。神聖な動物として扱われている牛なのに扱いが雑です。

スラム入り口には水場があり住民が給水しているのが伺えます。スラム内部にある住宅は下水も上水もないため水は汲んで利用するスタイルです。

だいぶ細く地面は濡れています。濡らすことでホコリが舞うのが防げますがなにで濡れているかが不明のスラム内部の道。狭いですが比較的きれいに保たれています。
でも少し前まではだいぶ汚かったそうです。今は行政が定期的に清掃しているんだとか。

スラムの大きさは東京ドーム2つ分。その広さに4000戸以上の住居があり、人口は5万人以上。近隣を含めると推定10万人もいる混雑エリアのようです。スラムの規模はそこまで大きくないようですが敷地に対する人口割合が異常でデリーの中で最も混雑したスラムなんだとか。

スラムは中央に人がすれ違える程度の道があり、その道から枝葉のように脇道があります。スラムの外に出れる道が一本しかないため、めちゃめちゃ道が混雑しています。日本では消防法や建築基準法の関係でこのような街は新たに作られません。この街なみが見れるのもインドならではです。

工業地の近くなのでここに住む人の多くが工員。
工業地帯は1958年にできたそうでそのころからここにスラムがあるのでしょう。

インディラカリヤンビハールから大通りを渡った北側。こちらの道はオクラエステートマーグ通りです。この界隈は自動車整備工場などがあるエリアです。

インドではカースト制度が残っています。カーストによる差別は禁止されており職業選択の自由はインドでも認められていますが、実際は選択の幅は限られ就ける仕事にも制限があるようです。地方から出てきてもできる仕事が限られているのでしょうか。インドの工場は世界で最も危険な職場と言われており労働災害による死者や負傷者が多い国のようです。まさにこの界隈にはそういった職場があるのでしょう。そしてそこで働く人の多くはスラムに住む人で、およそ5万人がこの界隈に住んでいるんだとか。

工場地帯に隣接するようにスラム街があります。こちらはサンジェイコロニーというところです。
ハルケシュナガルオクラメトロ駅が最寄り駅で駅から徒歩20分の所にあるサンジェイコロニー。この界隈には4500ほど住居があり、およそ5万人が住んでいます。その多くが地方移住者でウッタル・プラデーシュ州からの移住者が最も多いんだとか。
デリーに隣接するウッタル・プラデーシュ州はインドで最も人口が多い地域ですが失業率20%超えで州内に仕事がないため州外へ移住する人が多いそうです。デリーに来れば仕事があるのでしょうか。

ここでは路上で布を選別している人を見かけます。色ごとに布を分けて再利用するんだとか。いわゆる内職的な仕事でしょうか。作業をしているのは多くが女性でした。ここは結構活気があるスラムのようです。

インドではスラムを商業利用しているようでスラム見学ツアーってのがあるようです。とくにここのサンジェイコロニーは一番スラムツアーを組まれる場所のようでネット上で探すと色々なツアーがでてきます。価格は2000円~1万円とピンキリ。ガイドがついて地元の人と交流できるんだとか。ホテルまでの往復送迎に安全が守られるツアーのようで安全にスラムを巡るならばツアーはよさそうです。利用者の多くは欧米人のようです。

ちなみにこのようなスラムツアーは日本にもありその行き先は川崎なんだとか。

川崎にはやっぱりスラムがあった!

ニューデリー駅の東側。ザーキル・フセイン・デリー大学の裏手、タゴアロードに面してスラムがあります。デリー駅の近くにあるスラム街。高級ホテルなどがあるコンノートプレイスから車で5分くらいの距離です。
こちらはハズラト・クワジャ・ミール・ダード・コロニーってところ。町名のクワジャ・ミール・ダードは人の名前です。
クワジャ・ミール・ダードとはデリーの詩人。18世紀のムガル帝国時代活躍した人でイスラム教の聖者なんだとか。

ダードの墓があるため町名にその名がついたようです。ここのスラムは9000人が住んでいるそうです。地図で見るとかなり狭いです。

コロニーに隣接して高層ビルがあります。この一画だけ取り残された感じです。
けっこう薄暗い路地が多いです。昼間ですがかなり暗い場所があります。夜は絶対に立ち寄れなさそうな場所です。

こちらがダードのお墓です。南京錠がされており中は見れませんでした。ムスリムの聖人が眠っている墓があるコロニー、そのためこの界隈はムスリムが多いんでしょうね。

先の二つはヒンズー教徒が多いスラム。このように地域によってスラムも特色があります。

本日はスラムを三軒巡ったのですが一軒目で疲れてしまいました。普段の街歩きのつもりで立ち寄ったのですが普段の街とは違って気を張るので疲れるんです。
危険な目にはあいませんでしたが絶対に危険にさらされないとも限らないスラム巡り。常に周りを意識しなければなりません。でも街の中はごく普通なんです。少し衛生的ではないけどほかの街と変わりません。なんだったら日本でも見れる街並みで、ほぼ川崎で見た光景です。

やっぱり川崎にはスラムがあるみたい

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