これであなたも川崎マスター「ようこそ!かわさき検定」
今年のまだ寒かった一月のはじめころ、街を歩いていると気になるポスターを見つけました。
ようこそ!かわさき検定。そんな試験があったなんて知りませんでした。
もともと2007年に「川崎産業観光検定試験」というものが作られたそうです。川崎は横浜のような観光資源がなく東京のベッドタウンでしかない、あるのは工業地帯と光化学スモッグだけ。そういった印象を変えたかったのでしょう。2015年には明治の産業革命遺産として工業都市や工業機構が世界遺産として登録されました。川崎は昭和の戦時中に発達しましたが、いつか世界遺産に登録されるかもしれません。今のうちにツバつけとこうと思ったのでしょう。「川崎の観光資源は工業地帯だ!」と言い出したわけです。
そのための試験が「川崎産業観光検定試験」で観光地を案内できるエキスパートを育てようとしたわけです。2016年度よりもっと身近に感じられる試験としてリニューアル。要は難易度を落として間口を広げたのでしょう。そんな試験が今年の3月14日にあるわけです。
川崎国民としてこれは県民の必須試験「ア・テスト」、市民必須試験「川崎診断テスト」と同じに受験しなければならないのではないでしょうか。
ということで受けることにします。費用は1650円とだいぶリーズナブル。この試験に合格したところで得られるものは何もないです。あるのは川崎愛があるかどうかってところでしょうか。
「好きです かわさき 愛の街」がソラで歌えます。あれはゴミ収集車の曲ではなく川崎市民の歌(市歌ではない)なんです。市歌はどんな曲なのかは知りません。でもそれだけ愛してるのであれば受けるべき試験だし、受かるであろう試験です。
そもそも川崎にずっと住んでいるのであればわかって当然のことなのでしょう。自分の街のことを知らずに住むバカなんてこの世にいるはずがありません。
堀之内にある店全店、店名、システム、料金を暗記してました。
若いのがよいなら稲毛神社の近くの...とか、ベテラン?それだったら大師道に面した高級店...とか。でもその情報も15年前の話。特殊浴場は新設できませんが権利が譲渡され店名が新しく変わっています。最近できた店のことはあまり詳しくありませんが、堀之内の歴史に関しては誰にも負けないはず!
特殊浴場の話題は試験に出ない??そのように差別をするのが間違いだと思うんです。
観光のための試験なのであればソッチ系のお遊びの部分にもスポットライトを当てるべきなんです。
川崎は工業で発展した??いや、川崎は宿場町で遊廓があったから発展したんでしょうが!そこを見ずに何を見るのか。インバウンドで観光産業を盛り上げたいのであれば工業観光ではなくまさに堀之内がうってつけでしょうが。
中国人だってちんちんついてアルヨ!
取り乱しました。あくまでも公共性の高い試験です。公共性の無い堀之内関連の問題は出ないっぽいですね。それ以外のことが試験範囲なんだそう。最近銭湯に行くようになったのもこの試験が発端ですが、銭湯に関しても試験範囲外っぽいです。
特殊浴場も公衆浴場もかわさき検定の範囲外でした。
そもそも観光案内のために設けられた試験。特殊浴場じゃ観光案内ではなく無料案内所になってしまいますからね。
つまり、これまで生きて見聞きしてきた情報の大半はかわさき検定に有用ではないということです。まぁそれでも川崎で生まれ育ってるから他の地域の人よりかは知っている情報も多いと思います。
試験範囲は商工会議所が用意したパンフレットやガイドブックなど。川崎の歴史と観光地の情報が頭にはいっていれば選択問題はクリアできそう。あと記述式問題があるんですが、これが少し厄介。「中国人旅行客に川崎市の製造業見学ツアーを考えてください」といった応用問題が出ます。そのため営業時間や見学可能かどうかなどが分かっていなければ答えられない問題です。
問題は試験範囲ではなく試験時期です。
試験範囲を暗記すればよい。暗記するためには資料を読むこと。でも2月、3月は自営業者にとって確定申告で忙しい時期。これまで一年間何もしてこなかったツケを払わなければならない時期なんです。細い記憶を頼りに領収書や受領書とにらめっこをしなければなりません。そんなときに「シン・ゴジラのロケ地はどこか?」なんて記憶できないでしょ。
そんなわけなのでボクは勉強を諦めた。
一応試験範囲と呼ばれるものには目を通しました。選択問題はおそらくクリアできそう。記述問題がちょっと厳しそう。100点満点で70点が合格ライン。選択問題が35問。記述式が2問とのこと。つまり選択問題は1問2点の70点で記述式は1問15点の30点。選択問題でフルスコアが出せればどうにかできそうですが、ちょっとそれは難しそうです。
諦めたらそこで試合終了ですよ。でも時には諦めが肝心。
不在のドアを叩いても誰も出てこないんです。
まぁ全くダメってわけではありません。一縷の望みはあるはずです。だって選択問題です。4分の1の奇跡がここで起こるかもしれない。もしかしたら来年度は川崎の観光案内所で働いているかもしれません。