【湯船から墓場まで】小名浜のソープランドは社会福祉が整っていた
小名浜に来ております。
小名浜は東日本大震災で被害のあった地域です。
津波被害はそこまで大きなものではなかったようです。といっても3メートル以上の津波が到来しており全く無傷というわけでもなく、いわき市内で死者行方不明者が150名以上出ています。また福島は原発の問題を抱えております。いわき市もその問題は色濃くあります。
小名浜は昔より漁村でした。
魚を取り、それを売るのを生業にしてきました。しかし原発の影響で漁ができなくなったり、風評被害で売れなかったり。売れなければ商売にならない状態です。売れないため廃業する漁師の方もいるんだとか。
色々な問題を抱えておりますが、震災からある程度の年月が経ちこの付近も復興しました。
大きなイオンモールです。
最近では地方に行くとこの手のモールが出来てます。ほかの地域よりは大分静かです。このようなタイプの店でも客が来ずに店じまいをしなければならない場所もあるようです。小名浜のイオンはできてからまだ一年程度。来場者もそれなりにいるので、まだ大丈夫ではないでしょうか。小名浜は地元客だけでなく観光客も多いようですからね。
イオンモールの造りで気になったのが、一階は店舗ではなく駐車場でした。新しく出来た店は一階が駐車場で少し高くなっています。これも津波を経験したからなのでしょう。
徐々にですが復興は進んでいるようです。
ただ私がイメージしていた小名浜とは若干違いました。福島にある漁村。そのようなイメージだったのですが...。
お伝えしたように小名浜は古くから漁村でした。三陸海岸の端っこで良い漁場があったのでしょう。
時は経ち文明開化。燃料とする石炭がその当時必要でした。小名浜は福島で採掘された石炭を運ぶ港へと変貌を遂げました。小名浜から都内やほかの地域に運ぶため、ここが拠点となったわけです。
炭鉱の町・小名浜。
炭鉱の町と聞くとその当時はスゲー繁盛していたんだなぁというイメージがあります。
そうなんです。小名浜は当時かなり栄えていたようなのです。
漁村だった村が石炭を配送する港に変わったそうです。当然ながら人夫が集まるわけです。人が集まれば店もできる。店が出来ればさらに人が集まる。人がいれば酒を提供する店、泊まれるところを提供する店、そしてエロを提供する店も集まってくるわけです。
昔、小名浜は赤線街でした。
江戸時代に遊廓だったところが赤線街に変わるのが基本ですが、小名浜のように後発で出来たところです。
とくに石炭はその当時はかなり重要な燃料となっていたため街も潤っていたのでしょう。
人の三大欲求である性欲。ある意味人にとってのエロは生きるための燃料であり、石炭なのです。
それがこの街には必要だったため小名浜は赤線街を有する街へと変わっていきました。
そして他の街同様に戦後はソープランド街へと変わりました。
場所は小名浜の上町と中坪と呼ばれる場所です。東北では比較的大きなソープ街となっており、福島県では唯一の場所のようです。
そんな場所に来てしまいました。
今回小名浜にこのようなスポットがあるとは知らずに訪れました。
新しく出来たイオンモールに行こうと思いGooglemapを見ながら移動。そのGoogleマップに「ソープランド」の文字がちらっと写るじゃないですか。最初は目を疑いました。こんな糞田舎にそんな店があるはずないと。でもちゃんとその通り書いてあるんです。
そんなの見ちゃったら見に行かなきゃダメじゃないですか。
場所は海際です。そのため熱海とかにあるその手の店だと思いました。温泉街はそういうのを遊ぶ人用に用意されただけのものなんだろうと。しかし一つだけの店ではなく“群”であるのです。店舗が複数、“群”であるんです。
小名浜には東北最大のソープ街。
私、この手のお店は色々と調べていましたが、東北は札幌以外に疎く、この場所を知りませんでした。いや、知っていたのかもしれませんが、場所が遠くてアクセスし辛いから除外していたのかもしれません。これまで東北といえば青森、盛岡、秋田、仙台。これらは観てきました。福島も福島駅には行きましたが、とくにそういった店もなさそうだったので、福島県は残念なところだと思っていましたが、そうではありませんでした。
まさかの隠し玉です。
といっても私がただ知らなかっただけです。小名浜は有名なんでしょう。
記した通り小名浜は炭鉱の町として栄え、その際に赤線街に指定されました。売春防止法後はソープ街へ。炭鉱の町が廃れた後も東北一の風俗街として営業を続けているようです。
小名浜の風俗街は住宅街の中にあります。
湯房。これがソープランドを指すそうです。
和風湯房。これだと普通の飲食店にしか見えません。
和風喫茶的な店だと勘違いしてしまいます。名前からすれば温泉宿といった感じ。でも中身は違います。
がっつりとソープという文字が書かれた店もあります。
この感じ、地方にしかないですよね。法的な問題や周りの目、そして入店する人を気遣って、一見その手の店ではない雰囲気のところが多くなっております。
でもこの感じがいいんです。どちらかというと「ここに入るの見られたら絶対に恥ずかしい」くらいの破廉恥な感じのほうがいいんです。最近そういうのがなくなったのが残念です。でもこのように小名浜に行けばそれが味わえます。
このあたりの店は客引きが店前に立っております。
法令によって風俗店の客引きは禁止されています。そのため川崎でも外で客を引くことはありません。店内から声をかけることはありますが、外に出て客に声をかけることはしません。でもこのあたりは普通に外で声をかけてきます。歌舞伎町とかで声をかけるえげつないようなやつではありません。比較的優しい感じで「もう予約とかされてますか?」くらいの優しい声かけです。
しかも声をかけてくるのは年配の女性。
一般的にソープの客引きは黒服と呼ばれる黒のスーツに髪を整髪料でべったりと整えた男性のイメージです。しかし小名浜の客引きは女性。50代、人によっては70代の女性が客引きをしています。飛田新地のやり手ババア的な感じなのでしょうか。
声をかけられたのでこの街の話を聞きました。
記したの通りここは炭鉱の町で昔は賑わっていたんだとか。今は当時のような人の往来は少なくなり、活気も無くなったそうな。漁村も放射能の影響で鳴かず飛ばず、近くにイオンモールが出来たもののここに人が来ることはない。ただ震災によって建設関係や原発関係の人が来るようになっているんだとか。原発で潤い、そして原発により街が破壊されたものの、再度原発によって生き長らえている。なんとも言い難い関係です。
ちなみに女性が客引きをしているのは日中で夜は男性の客引きがメインとなるそうです。日中の女性の働き場所をしっかりと確保しているわけです。
ソープランドという若干グレーな店ではありますが、地方の仕事不足解消に一役買っているのでしょう。
若いころは店内で働き、湯から上がっても外で働けるシステムがあるわけです。
湯船から墓場まで。これこそが社会福祉ってやつじゃないでしょうか。
ソープランドもあり、そして一般住宅も普通にある。また飲み屋街も普通にあります。ここの人にとってはソープランドはただの湯房です。中で何が行われているかなんて別に気にする必要はありません。風呂釜が壊れればそこに行けば風呂に入れるくらいで考えているのでしょう。
実際に東日本大震災の際に、この界隈のソープランドは無料でお風呂が入れるように手配したのだとか。家が全壊し、行き場をなくした人にとって、お風呂に入れるのはよかったのでしょう。この手の美談は阪神淡路大震災の時もありました。
女性からすればあまり入りたい風呂ではないですが、社会貢献をしている点ではその手の店も捨てたもんではありません。とくに小名浜のソープ街は地域密着型です。例えお上が許さなかったとしてもそれが根付いており周りに迷惑をかけないようであれば存続させるのは重要なことでしょう。
東北最大のソープ街。その名を残していきたいです。
いわき市は震災で風評被害も多い地域です。そのため東北支援の一環として、皆さま小名浜に訪れましょう。電車では行けないある意味「日本一遠いソープ街」かもしれません。女の子は県外から来ている人が多いため小名浜とは関係ない人が多いかもしれません。でもそこには色々な困難を乗り越えた歴史があるはずです。
そうです。食べて応援です。
被災地支援です。食べ物を食べることで農家の人の支援になるでしょう。しかし一般的な食べ物を扱わない方の支援にはなりません。サービス業の方だって支援を望んでいる人がいるのです。
慈善事業。これはあくでも慈善事業の一環であり、何ら後ろめたい気持ちになる必要はありません。
人助けです。困っている人を助けるのに理由が必要でしょうか。誰かに咎められることがあるのでしょうか。誰にも怒られず、そして皆が幸せになる。
少なくともその土地の企業が潤ってくれるわけです。これこそが人助けってやつなんじゃないでしょうか。
小名浜にはそのような店が多数あります。
同地域内だけで30軒ほどあるそうです。比較的「鎌倉」という名の店が多く感じました。
ここは鎌倉よりも美しく、輝かしい街。
震災後もしっかりと営業し、そして復興までしています。これは奇跡の村ではないでしょうか。
村の形態が若干グレーではありますが、これこそ文化遺産とかに認定されるべき場所だと思うんですけどね。
地元に根付き、地元を守った場所です。ここにしかない場所です。皆様、支援をお願いします。
なんだか鎌倉御殿って聞いたことがあると思って調べたのですが、やはり熱海に同じ名前のところがありました。
そして千葉にも雄琴にも「鎌倉」の名がつく店舗がありました。
もしかして地元企業じゃない?これでは復興支援という名目からはずれてしまう?
ん!? まちがったかな。
とはいっても震災の傷はまだ癒えていません。
もし福島に行くことがあれば、この奇跡の村に訪れてみてはいかがでしょうか。
是非お金を落としてください。復興支援は誰にも文句は言われないはずです!