【福岡】塩辛が美味い!天麩羅処ひらおで酒盛り
毎年この時期になると博多にいます。生憎の雨ですがこの時期は仕方がありません。
そしてちょうど山笠祭りの時期だったのですが、一度も祭りを堪能しておりません。
博多祇園山笠は博多どんたくよりも大きな博多の大祭。この祭りが終わると九州は夏本番となるようです。夏を迎えるための祭りって感じでしょうかね。そしてその祭りは二週間もやっているようです。それだけ長いんだからちょっとぐらい祭り気分を味わうべきなのかもしれませんが、全然味わっておりません。
お祭りは好きなんです。でも人混みが苦手。
新宿の花園神社の祭りですら人が少ないタイミングでしか行きません。このような大祭は人が多いのでそもそも行きたいと思えないんです。個人的には町内会が主催する小さな祭りくらいがちょうどよいです。ただ町内会の祭りだと、出店がしょぼいですからね。
祭りといえば出店でボッタクリ価格の焼きそばとかタコ焼きとかを食べるのが風情なんだと思います。明らかな闇社会の人たちが、子供たちに世の切なさと儚さ、そして無情な社会を教えるための通過儀礼のようなものです。子供はここで世の理を学び、大人になって行くわけです。
昔は当然のように屋台はそんな感じだったんですが、今は屋台も“光営業”の時代へと変わっているのでしょう。この通過儀礼を受けていない子供が大人になった時が心配です。
このおみくじハズレしか入ってねぇじゃねーか!
こんなこと言い出す大人が出てくるのでしょう。
そもそも都内だと屋台なんて祭の時くらいしか見ませんが、博多の場合だと日常的に屋台がありますからね。わざわざ祭りの時に行かなくてもいいわけです。そもそも仕事で博多にいるのでお祭り騒ぎをしている場合ではありません。また基本的に屋台ってそこまでのものがあるわけでもありません。雰囲気を楽しむためのものです。
お祭り行った感があればそれでいいわけです。私は山笠祭りを十分楽しみました。
しかし、大祭となると厄介なのがホテル事情です。この祭りの集客数は350万人ほどのようです。祭りの日数が長いという点もありますが、夏祭りでは一番人が集まるんだとか。そうなると博多付近の宿は満室状態となってしまいます。実際に部屋が取れず、中心地から離れてしまいました。
予定では仕事終わりに中洲で“異業種交流会”の予定だったのですが、それが叶わず。タクシーで移動するのも結構な金額の距離。かといって終電でホテルに戻るのもなんだか悲しい。それであれば「博多に来なかった」と自己催眠をかけ、ホテルに籠るしかありません。
とはいっても何か食べなければなりませんので食事をどうにかする必要があります。
福岡は九州一番の大都市です。そのため栄えているのですが、栄えているのは博多の周りだけ。少し離れれば住宅街でさらに離れれば田園風景といった感じになってしまいます。住宅街も都心の場合は駅前に店があるのですが、福岡の場合は駅前に全然店がないんです。
少し離れれば車社会。そのため駅前に店があっても経営が成り立たないのでしょう。
どうせ車で移動しなければならない。それだったら博多の中心地まで車で行き、帰りは代行を使えばいい。わざわざ寂れた駅前の飲み屋で飲む必要は無いわけで、中心地から外れた駅前にはその手の店もなく、また飲食店もないのでしょう。
コンビニが一軒、飲食店が二軒。
ホテルの周りにはこれしかありません。地方では車無しでは生きていけません。それが人里離れた山奥で無かったとしても、車がないと不便なんです。今回、レンタカーはないためこの三軒でどうにかしていくしかないわけです。
ホテル目の前にある飲食店。天ぷら屋なんですが、のぼりに「いかの塩辛」の文字が書かれております。天ぷら屋なのに塩辛が名物なんてちょっと気になるじゃないですか。
塩辛は自分で作ったこともあります。ご飯にも合うしお酒にも合います。そして塩辛好きなんです。そのため行く先々で塩辛があればとりあえず頼んでいます。これまで色々な塩辛を食べてきました。ぬか漬けなんかと同じで塩辛でも塩加減や肝の量などで味が全く違うんです。
そして結構ハズレの塩辛も多くあります。
この店はどうなんでしょうかね。
店の感じからすると大衆天ぷら屋といった感じでしょうか。
天丼ではなく天ぷら定食で食べられます。天ぷらを食べたい時に天丼は違うんです。天丼は天丼として食べるタイミングがあり、天ぷらは天ぷらとして食べたいのです。とくに酒呑みの私としては天ぷらをアテにして飲みたいので天丼は違うんです。
そして問題の塩辛に関してです。
今回この店に入ったのは塩辛が名物だから。それも注文しなければなりません。
なんだか塩辛の値段が高いです。
飲み屋の御通しで500円くらい。そう考えると塩辛の小で630円は妥当な金額とも言えなくないですが、天ぷら定食が770円に対し、塩辛小が630円っていうのはすこしおかしいのではないでしょうか。店の風貌から考えても塩辛は200円くらいで提供されるべきもののような感じがします。
値段が高くて尻込みしてしまう。しかし今回この店に入った理由は塩辛を食べるため。
値段が高いということはそういうことなんでしょう。せっかくなんだから食べたいと思います。
天ぷら屋なので塩辛とビール、そして天ぷら定食を注文。天ぷら定食は“健康に気を使って”野菜天ぷらを選択。天ぷらを食べている時点でアウト。しかもそれを酒のつまみにしているのでツーアウト。さらには塩辛ですからね。
どうやらこのお店は揚げたてを提供してくれるようです。揚げた順にトレイに入れてくれます。
「持ち帰り用の塩辛はお帰りの際に声をかけてください」
券売機に書かれていたのはお土産用のやつでした。
塩辛はテーブルに置いてあり、食べ放題です。牛丼屋の紅ショウガと同じようなスタンスのものでした。
塩辛食べ放題っていいですね。天ぷらがなくても酒がすすみます。
そして名物と銘打っているだけあり美味しいです。ワタの加減や塩加減が絶妙です。なんだったらこの塩辛だけでずっと飲むことができる感じです。
酒の種類がもう少し増えると居酒屋感覚で利用できるんですけどね。天ぷらも一品ごと頼めるようですので。
まずは天ぷら定食を頼む。ご飯は後でとお願いする。
そして天ぷらが出来上がるまでは漬物と塩辛をアテにビールを一杯飲む。塩辛も無料だし漬物も無料です。
天ぷらが出来上がれば日本酒に移行。天ぷらを単品で追加するのも自由。〆はご飯とみそ汁。
この一軒で全てを済ませることができるわけです。
私が行った天ぷら屋は「天麩羅処ひらお」というところで福岡ではそれなりに有名なところなんだとか。値段がリーズナブルで庶民に愛されている天ぷら屋さんのようです。たしかに値段は手頃です。そして揚げたてで旨い。こういう店が家の近くにあると通っちゃいますね。関東でリーズナブルな天ぷら屋だと天丼てんやになっちゃいますからね。酒も飲めて天ぷら定食も食べられる店となるとなかなかないんです。多少しっかりした店じゃないとこのクオリティの天ぷらは出てこないんですよね。
そんなわけで関東進出を期待しております。
そして、塩辛ですがキャンセルすることができました。
持ち帰ってもよかったのですが、このあとまっすぐ帰るわけがないので。塩辛持って飲み歩くわけにもいきませんからね。