ブラジルだけじゃない!ムスリムも多いスバルの城下町「群馬県太田市」
本日は群馬県太田市に来ております。太田は東京から約90kmに位置する群馬県南部の都市。ほぼ埼玉(群馬だけど)。
大田はいわゆる企業城下町です。市内にはスバル町って町名があるんです。スバルは元々は中島飛行機という航空機製造会社でしたが終戦後GHQにより解体され富士重工となり2017年にスバルとなりました。100年以上前から太田市とスバルは付き合いがあり現在も太田市を支えているのはスバルなんでしょう。
スバル群馬製作所本工場。こちらはスバルの自動車部門の工場です。1934年に工場ができ戦前は爆撃機を制作していました。
スバルの主な事業はご存知の通り自動車ですが、今でも航空機材の製造を手掛けているようで宇都宮のスバルは航空機を作っている工場なんだとか。航空機は民間用だけでなく軍事用のも作っているそうである意味不況に強い企業なんでしょうね。
そんな飛行機や自動車を作るスバルはマニアに人気のようで私もかつて「スバリスト」でした。スバルと言えば水平対向エンジン。低重心なのはスポーツカーにとってメリットがあるのでしょう。しかし燃費などの問題から水平対向エンジンを採用している自動車メーカーは少なく、現在はスバルとポルシェくらい。そんなほぼポルシェみたいな車。
私は以前スバルの水平対向エンジンではない車に乗っていました。それはサンバーです。
農道のポルシェ(水平対向じゃないけど)。ポルシェっぽいのはリアエンジンってだけ。現在はダイハツのOEMとなり農道のポルシェの名は廃れてしまいましたが、サンバーはよい車でした(水平対向じゃないけど)。
こちらはスバル太田工場の目の前にある和菓子屋さん。がっつりスバルに乗っかっています。せっかくなんでスバル車、乗っちゃいましょう。
こちらがスバル最中。ボンネットダクトとリアの形状からおそらく三代目インプレッサWRX STI。ここではスバルを代表とする車の味が味わえるんです。ちなみに味は普通の最中。
こんな感じでスバリストの聖地みたいな太田市。自動車メーカーの城下町ってだけでも特殊ですが太田市は他の町とは違った雰囲気があります。なんとなく異国感があるんです。
本日はそんなスバルな街を散策します。
こちらにはモスクがあります。
太田市は60カ国以上の外国人が住む群馬県内では伊勢崎市に次ぐ多国籍都市です。外国人の数は14000人ほどおり、人口の6%に当たるんだとか。その多くがブラジルなどの南米系。南米系の人が多いのは入館管理法が緩和された際に日系二世、三世が増えたのが理由でしょう。そして太田市に多いのはスバルがあるから。
トヨタのある豊田市や豊橋のあたりもそうですが、自動車メーカーの工場がある地域にはブラジル人が多く住んでいる傾向にあります。
普通の外国人割合であればベトナム、中国、韓国、フィリピンの順ですが太田市は少し違うようで
一番多いのがブラジルで3000人ほどで外国人の2割以上がブラジル人。そのあとはベトナム、フィリピン、中国、ペルー、インド、ネパール、韓国と続きます。こう見るとイスラム教の国ではないところばかりですが韓国のあとにつづくのはインドネシア、バングラデシュ、パキスタン。イスラム教信者が多い国の出身者は1000人ほど。実際のムスリムの数はもっと多いのでしょう。そんなわけで市内にはモスクができたのでしょう。
割合的にはブラジル人が多めですが、群馬には隣町の大泉町がブラジリアンタウンになっています。ブラジル人のコミュニティは大泉。こちらはムスリム系のコミュニティが形成されているのでしょう。
実際に市内にはハラルマークを掲げる店が結構あります。食べ物に禁忌の多いムスリムは日本で食事をするのは容易ではありません。でもこのようにハラル料理店があれば安心して食べられるでしょう。
こちらはダッカ料理店となっているのでバングラデシュ料理でしょうか。
インド風の炊き込みご飯。
ここ、インド料理屋じゃねーか。
インドっぽさが強めですが一応バングラデシュ料理。バングラデシュはイスラム教徒が多い国なのでヒンズー教の多いインドとは全く違う感じがしますがそんなことは無いようです。そもそもインド人は全員ヒンズー教ってわけではありません。
ほぼヒンズー教だと思ってましたがインド人のヒンズー教の割合は79%。8割以下なんです。ちなみにインド生まれの仏教は0.7%とかなり少ないです。ヒンズー教の次に多いのがイスラム教で14.2%ほど。たいしたことない割合に思えますがインド人の人口は14億人、つまり2億人のインド人ムスリムがいるんです。ヒンズー教が多いインドでは生きづらいって人が海外に居場所を求めるのでしょう。海外に渡るインド人でムスリムが多かったとしても不思議ではありません。
そんなわけでハラルインド料理屋が結構あります。これらの店はインド人がやっているのかそれともネパール人がやっているのか。
せっかく外国人が多い街に来てるんです。本場のどこの国かわからない料理食べたいですよね!ってわけでやってきたのは駅前にあったハラル料理屋さん。
ここに書かれてある国旗はフィリピン、南アフリカ、パキスタン、ネパール、インドネシア、ベトナム、スリランカ、インド。見事に佛教国が外れた国旗のラインナップ。ハラルって中東っぽい感じがしますが中東要素があるのはパキスタンくらい。異色なのはアジアンフードなのに南アフリカの国旗があることでしょうか。
ビリヤニが結構安めです。ビリヤニって1200円くらいして異常に量が多いのですがこちらの店は安いため量が適正なんでしょう。いつもお腹パンパンになるので少なめのビリヤニはうれしいです。
店の前にはパキスタンかインドかバングラデシュかそのあたり出身っぽい人が多くたむろしています。治安が悪そうな雰囲気がありますが、別に悪さをしているわけではありません。何語かわからない言葉が飛び交っている中で弁当を注文。なんか異国の気分が味わえます。
店前にたむろしているのはこの界隈で働いている人たち。ここに住む外国人は余暇で滞在しているわけではなく仕事をしに来ているのです。人によっては母国に家族を残して来日している人もいるのでしょう。稼ぐためには働かなければならない。そのためずっと働きづめ。終業後にこのようにして集まるのが日課なんでしょう。いわゆるアフターファイブ的なヤツ。でも酒は飲まないんでしょうね。大人になると知人と遊ぶのは飲みに行くくらい。酒がなければ関係をつなぎとめられないんです。でもイスラムの人は酒がなくても集まれるんです。これは神様がつなぎとめているのでしょうか、それともビリヤニがつなぎとめているのでしょうか
こちらがビリヤニです。相変わらず量多い件。