山林生活

【札幌】菊水駅のところにあった白石遊郭跡地

【札幌】菊水駅のところにあった白石遊郭跡地

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豊平川を渡るとそこは豊平区と白石区になります。これから行くのは白石区の方。

札幌の発展は遊廓があったから。
開拓するためには開拓民が必要。しかし過酷な労働だと故郷に逃げ帰ってしまいます。逃げないようにするためにはどうすればよいか考えた時、楽しめる場所を作ればいいじゃん!ってことで遊廓を設置したそうです。これが正しかったようで開拓は予定通り進み札幌は北アジア最大の歓楽街へと発展しました。ただ性風俗が中心地にあるのをよく思わない人も多くいたそうで、遊廓反対運動も同時に起こっていたそうです。

実際に風紀は乱れ治安も悪くなっていたのでしょう。でも遊廓を無くせば賛成側が黙っちゃいません。そのため妥協案として「遊郭移設」の運びとなったそうです。

ススキノの隣村だった白石村は元々リンゴ園だったそうですが、天候不順で不作の年でした。
その時に話題に上がっていた遊郭移転の話。リンゴ園を潰して遊郭を作れば村もにぎわうんじゃない?と考えたそうです。天候に左右される作物を扱うよりも天候に左右されない遊女を扱うほうがよいでしょうってことで、薄野遊郭を白石村に移設することにしたわけです。移設となったので遊郭反対からも文句は出ないし、薄野からそこまで離れていませんので利用者にとっても都合がよい。そして白石村や薄野で働いていた従業員も納得できる案だったのでしょう。

遊郭移転は売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」の案だったわけです。
ただ実際はススキノに残った人もいて最終的にはススキノが歓楽街に戻ってしまいました。

この橋は豊平橋ですが、ここより一つ下流に一条大橋があります。一条大橋は白石村に遊郭を移転した際にわざわざ下流や上流の橋まで行くのは面倒だろうということで架設したそうです。エロの力は橋をも作るんです。

このあたりが白石遊郭と呼ばれたところです。現在は普通の住宅地となっていて、遊廓の名残はありません。

大門があってこの大きな道が遊廓の中央を通っていた道です。両脇にお店が並んでいたそうです。

菊水公園。ここが遊廓の端っこの方ですね。

このあたりに大門があったようです。

菊水公園には遊廓の歴史が書いてあります。

明治初期、札幌本府建設に集まった大工たちを目当てに料飲店や売女屋が増えたため、開拓使は街外れの薄野に札幌遊郭(一般に薄野遊郭と呼ばれた)を定めてこれらを一カ所にまとめた。
薄野が市街地化すると遊郭の移転が計画され、周辺の村は遊郭誘致に名乗りをあげたが、リンゴの病害虫で悩む白石村の果樹園主たちが遊郭用地を札幌区に寄付して誘致に成功した。
大正9年までに移転を終えた札幌遊郭は地名をとって白石遊郭と一般に呼ばれた。写真のように通りに面して30軒ほどの妓楼が建ち並び、通りの中央に小川が流れていた。遊郭の東西の端に大きな門があり、国道36号からこの門に至る道は大門通と呼ばれた。
戦後の昭和26年(1951)、札幌市の風俗取締条例制定とアメリカ軍の撤退で廃業する妓楼が相次ぎ、昭和33年(1958)の売春防止法完全施行で白石遊郭は姿を消した。

正式名称は札幌遊郭で通称が白石遊郭なんですね。移設されたのは大正9年。1951年に遊郭は解体され赤線に、1958年の売春防止法施行により解体したとなっています。

ちょっとぐらい残しといてもよかったと思うんですけどね。

こちらは菊水公園内にある菊水神社。ここに遊郭があった名残りです。
元々はススキノにあったそうですが遊郭移転の際に神社もこちらに移したそうです。

求めているものは何もありませんでした。
お風呂屋さん的な何かがあるかと思っていたんですけどね。ごく普通の住宅地でした。白石は治安が悪いと言われています。明治や昭和初期のころは豊平川の河川敷にスラム街がありました。また菊水のあたりは遊郭で戦後は赤線街になったのでしょう。その当時はあまりよい環境では無かったのでしょう。現在は河川敷のスラムも遊廓もなくなっています。区内には低所得者向けの公営住宅がありますが、現在は高齢者施設のような状態になっているのでしょう。少し前は治安の悪いところでしたが今は普通の街なんじゃないでしょうか。

というわけで癒しを求め銭湯へ。豊平区にある鷹の湯ってところです。
ここも先日行った銭湯同様にサウナはありますが入浴料に含まれているため450円で入ることができます。

お客さんは高齢の方が一名。ただ入れ替わりで出ていきましたので貸し切り状態でした。
そこまで大きな浴場ではありませんが熱めの湯とぬるめの湯の二つが用意されています。こういった気遣いが良いですね。断然熱めの湯です。
サウナはごく普通ですが、なんかにおいます。ブルーベリーガムのようなにおいがします。恐らく芳香剤を使っているのでしょう。
またこちらの水風呂も冷たいです。これ、北海道では当たり前のことなのでしょうか。そもそも関東よりも気温が低いので水道水も冷たいのでしょう。地下水もやっぱり冷たいのでしょうか。川崎でも何軒か水風呂が冷たい銭湯がありますが、札幌は今のところ100%冷たい水風呂です。これが北海道の公衆浴場の当たり前なのでしょうね。

風呂上りに隣にあった回転寿司屋へ。海のトリトンは北海道の回転寿司で有名なんだとか。ネタが大きいんです。これまでも旭川に行ったときに系列店にお邪魔しました。スシローやかっぱ寿司といった比較的安い回転寿司ではなく金沢まいもん寿司やここトリトンのような回転寿司だけどちょっと高いところに行くと地物の寿司が食べられます。カウンターだけの寿司屋はなかなか行けませんが、こういったところであれば値段もわかるし食べたいものも食べられるのでいいですよね。地方に行ったときは比較的行くことが多いです。

風呂上りに計ったのにこの体温。

オレ、死んでる!?

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