ヤクザうどんとは言わせない!修羅の国で食べる、カタギうどん
北九州のイメージってあまり良くないです。
治安が悪いってのも一般的な治安の悪さではなく結構狂気な治安の悪さのイメージがあります。
ヤクザがいるとかはどこの街でも存在します。ヤクザ同士の抗争で発砲事件があるってのも川崎でもありましたので比較的どの町でも起きてることなのでしょう。でも北九州は住宅街でロケットランチャーが見つかるなんてことがあるんです。
ヤクザ同士の抗争でロケットランチャー使うんでしょうか?それとも戦争おっぱじめようとでもしていたのでしょうか。
修羅の国なんて揶揄されていますが、北九州はまさに核戦争後の世界。この小倉でもモトクロスに乗った肩パッドつけたモヒカン野郎が「汚物は消毒だぁ」と言いながら火炎放射器ぶちかますんでしょ?そしたらなんか北斗神拳伝承者が現れるんでしょ?
ちなみに福岡県では手りゅう弾を見つけると10万円もらえるそうです。普通の街で手りゅう弾が道端に転がってます?でも10万円もらえるってことはそれで生計も立てられるわけですよね。今回の旅で2個くらい見つけられれば儲けもだせそうです。
地方都市で住みやすい街ランキングで一位らしい小倉ですが、まぁ修羅の国という二つ名は外せないのでしょう。それもこれも暴力団の勢力が強すぎるから。
福岡県は指定暴力団工藤會の活動地域で事務所が小倉にあるそうです。
工藤會はまさに“暴力団”という名の通り暴力で物事を解決する組織として知られ、アメリカでは「ヤクザの中でも最も凶悪な団体」と指摘していたんだとか。一般的にはヤクザはカタギには手を出さないなんて言われますが、ここでは一般市民も標的にされることがあったんだとか。
ただそれも2010年前後までのことで現在は大分下火になっているようです。
福岡県警が撲滅に向け徹底した結果、700人以上いた構成員は200人程度に落ち着き、さらにはその内の半数は現在服役中。四代目、五代目組長は殺人などの罪で2021年8月に死刑と無期懲役の判決が地裁で出たばかり。即日控訴し次は高裁に移りますが、このように修羅の国はかなり変化しています。
※写真はイメージです。
工藤會は飲食店や風俗店へのみかじめ料、違法薬物密売、違法風俗あとは公共事業への介入などが主なシノギのようで、みかじめ料と公共事業への不当介入は暴力団排除条例で潰していったのでしょう。密接関係者となった事業者は名前を公表され二度と日の当たる場所に出れなくしたわけです。こうすることで工藤會の収入源を断っていったようです。福岡県警の尽力により、現在の北九州は安全な街へと変貌を遂げたわけです。
「汚物は消毒だぁ」をしてたのは警察の方でした。
こちら、本日おじゃまするうどん店です。うどんといえば福岡です。
なんだか宮崎からずっとうどん食べていますが小倉は肉うどんってのが有名なんです。どきどきうどんってやつで牛のほほ肉を甘辛く煮たやつが乗ってるうどんなんだとか。
今回なぜこちらの店を選んだのかというと、元々こちらの店主は工藤會の幹部、つまりヤクザだったそうです。
北九州も他の地域と同じく、違法な中国エステや飲食店が台頭した時期があったようです。
顔役である工藤會に面通しせずに店を出店するわけです。そんなことをされたら顔を潰されるのと同じです。そのため中国人犯罪の排除という名目のもと、中国人の息のかかった店に襲撃や放火を繰り返していたそうです。
うどん屋の店主は中国人エステ店に放火をした罪に処せられ8年服役。服役の際にヤクザから足を洗ったそうです。そして刑期を終えた後、地元小倉でうどん店を始めることにしたんだとか。
記した通り工藤會は一般人にも手を出す組織。そこに属していた幹部だった人間が、「もうやめたから大丈夫!」と言ってもなかなか受け入れられないでしょう。例えどんなに優しく接してきたとしても「でも、元ヤクザでしょ」の一言で片付けられてしまうんです。
そんなヤクザのうどん屋に行くことにしました。
小倉名物よもぎ肉うどん「元祖京家」という店。
店主が一人。この方が元組員だった人です。一声挨拶をして肉うどんと天ぷらを注文します。
昨日の夜も天ぷらを食べましたが天ぷら屋が福岡は多いです。しかも安いんです。
うどん店もかき揚げではなく天ぷらを出してる店が多いです。
なぜヤクザをやめてうどん屋なんでしょうか。やっぱり以前から粉モンを扱ってたから...。
うどんなのに白くないです。
麺が緑なのは「薬草が混ざってる」って言い方は誤解を招くから合法ハーブ。
ヨモギです。ヨモギが練り込まれたうどんです。
麺つゆは関東人好みの濃いめの味付け。ヤク...ヤクミは青ネギ。肉は煮込まれていて柔らかいです。
この肉で白い米食べたいですね。少し脂っぽいですが、このヨモギが緩和してくれます。ヨモギ餅っぽい味がほのかにするんですよね。食感はラオスで食べたカオピヤックセンっぽい感じ。
このモチモチ感はいいですね。タピオカ粉とか入れてるんじゃないでしょうか。
麺が緑色なのでたぬきうどんにしたら「緑のたぬき」になりますね。
ヤクザうどんとか色物としてしか見ていませんでしたがちゃんとしたものを提供してました。
そもそもこの方は工藤会に所属していたころも幹部だったわけです。その辺のチンピラと違い努力していたのでしょう。努力している方向がその当時は間違っていただけで、方向さえ間違えなければこのようにやっていけるわけです。
しかし皆が皆ヤクザをやめてカタギに戻れるかというとそうではないのでしょう。何もできないからヤクザになるしかなかった人もいて、辞めたとしても元に戻るしかないって人もいるわけです。この辺ってすごい難しい問題ですよね。
とくにヤクザは社会の風当たりはよくないです。
ヤクザには人権が無いのは当たり前となっています。そして辞めたとてすぐに一般人扱いをしてくれるわけではありません。
法律上でも五年間は“ほぼヤクザ”という扱い。そして五年経ったとしても“元ヤクザ”とずっと言われ続け、一般人には決してなれないんです。
でもこうやって更正できる人もいるのです。これらは市民の協力なしではできないことでしょう。実際に近隣の人の協力はあったそうですし、また福岡県警もバックアップしているそうです。更正できた実例があれば後に続く人も現れるわけです。
不良が更正したところで何も偉くなく、普段から真面目に生きてる奴の方が偉い。たしかにその通りですが更正する手段を潰せばまた悪いことに手を染めてしまいます。ヤクザをやめると誓った人には温かい目で見てあげてください。
ちなみにうどんは福岡なので腰がなく柔らかで店主の方も物腰は柔らか。
笑顔も素敵ですが、眼の奥のほうが鋭く怒ったらヤバそうな雰囲気があります。長年そっちに属してたわけですからね。
小倉に行った際は是非カタギうどんを。