令和の伊能忠敬「ゼンリン」による地図の博物館「ゼンリンミュージアム」
せっかく小倉にいるので小倉城でも見に行こうと思います。
小倉駅から小倉城に行くためにはこの怪しい路地を突き抜けなければなりません(ここ以外にも道はあります)。
突き抜けると紫川にぶつかります。
常盤橋を渡った先に役所や小倉城があります。
常盤橋の手前にあるモニュメント。こちらは伊能忠敬の記念碑です。
伊能忠敬は先日墓参りしました。墓参りしたばかりの人に関する記念碑を見つけるってのは感慨深いですね。
日本を旅しているとなんだかんだで伊能忠敬に触れる機会があります。まぁ全国行脚したって話ですからね。どこにいってもこういったモニュメントがあるのでしょう。
ここ常盤橋が九州測量の出発地点で長崎街道の起点となる場所。
長崎街道は先日佐賀の嬉野温泉にお邪魔しました。この橋を越えて長崎街道を進めば嬉野温泉のワンピースにたどり着けるんですね。
東京の日本橋と同じように常盤橋は街道の基点。江戸時代の雰囲気が出るように木造で作られています。
長崎からはるばる小倉までやってきて、常盤橋を渡って左手にあるのが旭町遊郭。
九州は旅人へのホスピタリティが凄い。
こちら、ゼンリンが入居しているビルです。ゼンリンといえば地図マニア集団。21世紀なのに歩いて地図作ってるわけですからね。ほぼほぼ伊能忠敬とやっていることが同じ。
一軒一軒家を見て表札確認してるヤバイ集団です。現代の伊能忠敬といって過言ではありません。そんなゼンリンが博物館やってるようなのでちょっと寄ってみたいと思います。
ゼンリンミュージアム。入場料は1000円と少し高めです。
でも地図好きなら一度は行っておくべきところ。地理検定三級なのでおさえとかなきゃですよね。
伊能忠敬は17年の歳月をかけ日本中を歩き回り日本地図を完成させたそうです。
私も伊能忠敬を師と仰ぎ、東海道を日本橋から京都まで頑張って行きました(歩いたとは言ってない)。
けっこう地図観るの好きなんですよね。このコロナで海外旅行に行けないときは地図やストリートビューを良く眺めていました。
地図を見て楽しめるのは伊能忠敬やゼンリンのようなヤバイ集団がいるからできることなのでしょう。
ミュージアムの内容はゼンリンだけあって地図のミュージアムです。展示されているものの多くが日本地図で古代から現代の地図に至るまでの歴史を知れます。
世界から見た日本の地図がでてきたのは16世紀初めころ。まだそのころは国際交流がありましたが江戸時代となり鎖国が始まると地図製作が思うようにできなくなります。単純に入国できないので地図も作れないし、海沿いを船で移動するにしても寄港できなければ食糧や水を確保できない。このようなことから日本の北側は未知の領域だったそうでその当時の日本地図はかなり適当だったようです。でも19世紀になり正確な地図を作ったのが伊能忠敬でした。実測で測ったのでその当時では世界で一番正確な日本地図だったようです。
館内はほとんど撮影不可。この伊能忠敬が作った地図は撮影オーケーでした。
普段見ている日本地図と変わりありません。
これを歩いて計測したんだからやっぱ伊能忠敬ってやべーヤツだったんでしょうね。
これは小倉の地図で2Dデータに高さ情報を加えて3D化しているんだそう。
ゼンリンは住宅地図がかなり使えるし、今だとコンビニで地図データが取得できます。Google地図では足りないところを補完してくれるんです。一軒家の場合は各家庭の名前が表示されているのも素晴らしいです。
できればミュージアムにも過去の住宅地図をいっぱい集めて展示してほしかったですね。各家ごとに名前が入っている江戸時代の地図とかまさにゼンリン住宅地図の祖じゃないでしょうか。まぁ同和関連の問題などがあるので展示すると面倒なことが起こるのかもしれませんが、街の成り立ちを知るうえでは重要な情報ですからね。
入館者には無料でマグネットがもらえます。
地図は人間の思想の変化を示す敏感な指針である。
人間の作ったもので、文化と文明を映し出す
これほど優れた鏡は他に存在しない
ノーマン・J・W・スロワー
地図が鏡なのであれば、ゼンリンはまさにヤバイ集団ってことです。
地図の歴史を知れるという点では良い博物館でしたが、ゼンリンの神髄となる部分が見れなかったのはちょっと残念。世界の古い地図よりも人海戦術で作っている現代の住宅地図の方が価値があると思います。
こちら小倉城です。中は見なくてもよいかな。
小倉にはレンタサイクルがあります。ハローサイクリングのアプリで使えるので都内のと共通です。
ただサイクルポートが小倉駅数キロ圏内にしかありません。ここからレンタサイクルで博多まで行けたりするといいんですが、博多にはサイクルポートがないんです。博多と久留米、そして長崎にサイクルポートが出来れば長崎街道を旅できますね。
現状はサイクルポートが無いので今回は自転車を借りません。これより飯食った後は少し小倉駅付近から離れます。