お風呂屋さんが二種類ある。遊廓だった宿場町「嬉野温泉」
長崎県には三大遊廓の一つである丸山遊郭がありました。昔は人気の歓楽街でしたが、終戦後に遊郭を解体。現在は料亭が数軒あるものの、その手のお遊びができる街ではなくなりました。さらには長崎県自体が性風俗に対してダメゼッタイの姿勢。丸山遊郭どころか県内にはその手の店が無いようです。このように長崎は健全な街となりました。
街が健全だとしてもそこに住む人たちが健全になるわけではありません。夜遊びしたい、女遊びしたいとなるわけです。
しかし長崎ではそういったオイタはできない。そうなると近県まで足を延ばすしかないわけです。
有名なところといえば福岡県の博多にある中洲でしょう。
しかし片道150kmの距離もあるのでもっと身近なところには無いものだろうか??
それがどうやらあるんです。長崎県の隣の佐賀県に。しかも県を跨いだすぐそこに。
そんなわけで本日は佐賀県の嬉野にある嬉野温泉郷にきました。
嬉野温泉は長崎県との県境からおよそ5kmほどの距離。佐賀県の端っこになります。名前の通りここには温泉があるようです。
嬉野は長崎街道の宿場町だったようです。長崎街道は長崎市から小倉までで宿場数は23。嬉野宿は長崎から数えて7番目の宿場町でした。距離は長崎からおよそ60km。昔の人は一日30~40kmほど歩いたそうなので長崎を出て二日目にここに泊まる感じでしょうかね。
嬉野温泉は日本三大美肌の湯なんだとか。
嬉野の「嬉」は「女」に「喜」と書くため美肌になるのにはうってつけの名前ですね。ただ温泉地としてやっていくのは大変のようです。
明治大正は陸路がメインでしたので街道沿いにある温泉地は人気スポットでした。しかし交通手段が増え、また高速道路が整備されると街道沿いにある温泉地は下火になります。
九州には別府温泉があります。東京人が九州の温泉地に行こうと思ったとき、真っ先に出るのが別府温泉でしょう。やっぱり有名温泉地は人気があります。何かしら名物があると客も集まるのですが、例え名湯だとしても温泉だけでは経営は厳しいようです。
東北を回った時も温泉地を巡りました。天童温泉は将棋の駒とスナック推しでしたね。あちらも色々苦労しているんだと思います。
最近この手のご当地アニメが多くなっています。自治体もこれで観光客を望める、制作側も一定の視聴数を確保できる&ノベルティも売りやすいのでしょう。
ゾンビランドサガのマンホールを設置すれば聖地巡礼をする人がここまでくるので一石二鳥なのでしょう。
松雪泰子と江頭2:50くらいしか自慢できない佐賀県ですが、こんな感じで知名度を上げようとしています。
温泉地にあるリサイクルショップです。
看板もだいぶリサイクル感があります。夢市場。夢がありますね。
これは、探偵ナイトスクープに出るようなパラダイス何じゃないでしょうか。これも観光スポットに昇華するかもしれません。
何売ってるかわからない店に立ち寄るの大好きなんですよね。本日休業というのが悔やまれます。
何でもかんでも捨てるのはよくないこと。サスティナブルな社会、SDGsを目指しているのでしょう。
誰かのゴミが誰かの宝になるかもしれないわけです。ここにあるのは宝なんです。
「俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世の全てをそこにおいてきた」
ありったけの夢をかき集め~♪ 捜し物を探しに行くのさ~♪
一見すると温泉のように思えますが風呂は風呂でも特殊な風呂屋です。
向かいの店舗は風俗王。まさに少年ジャンプの世界。
ゴムゴムの実で伸び縮みするのって...。
軒数は少ないですが、このあたりに何軒か集まっています。
「嬉」の文字は「女性と楽しむ」が由来とも言われています。これが「嬉野」の語源なんじゃないでしょうかね。昔は慰安旅行先として嬉野温泉が選ばれたそうです。バブルの時期は年間200万人以上の観光客が訪れたんだとか。
でも現在は寂れている感じです。一軒だけおもてに客引きがいましたが他の店は静かです。
手前左の「歌麿」はすでに閉店している様子です。既得権があっても客が来なければどうにもならないのでしょうね。
温泉地にある風俗街はなかなか営業を続けるのは楽ではないんでしょうね。
そういえば以前日本橋から京都まで東海道を移動する旅をした際に道を逸れておごと温泉に立ち寄りました。嬉野温泉よりも規模は大きかったですが同じように閉鎖された店舗もありましたね。
既得権があるとはいえ周りから疎まれる業種である性風俗店。大々的に宣伝もできないから受け身の商売です。今回のコロナウイルス蔓延はかなり影響を受けているのでしょう。濃厚接触の申し子みたいな存在ですからね。
そして温泉に客が来なければ呼び込む相手もいないわけです。
嬉野温泉の場合、頼みの綱が風俗過疎地の長崎県民でしょうが、性の力は偉大で近場で済ますよりも150km離れた福岡まで遠征するのでしょう。温泉にも入れて女遊びができる程度では客は来ないんです。やっぱりもっとキャッチーなコピーが欲しいですね。ちなみに嬉野のとある店のウェブサイトには「日本最西端最先端」と書かれていました。
ここ嬉野温泉は日本最西端(沖縄返還前)のソープ街。
1972年まではこのキャッチコピーが使えたんですよね。
長崎に店がないからここが最西端だったわけです。でも今は沖縄が最西端になっていますのでこれは使えません。
ここ嬉野温泉は日本本土最西端(沖縄を除く)のソープ街。
どう頑張っても沖縄が最西端。
飲み屋街もシビアな状況のようです。夜になるとどうなるかわかりませんが、空き店舗も目立ちました。温泉旅館はオールインクルーシブのところが多く、食事も飲みも旅館内で済ませその後部屋から出ない人もいるでしょう。社員旅行や仲間内で温泉地に行くのであれば飲みに出かけることもあるのでしょうが、そういった会合もコロナでなくなっていますからね。
こちらはカフェですが外観はなんとなく旅館っぽいですね。
こちらはカフェーらしかった所。
ソープランドがあるとおり、ここ嬉野は以前遊郭のあった場所でした。宿場町で温泉地である嬉野の定めでしょうかね。その当時は人気の歓楽街だったんでしょう。しかし法改正により遊廓が解体。その後は赤線へと変わったそうです。全てが性風俗に鞍替えしたわけではなく、一部は赤線へ、女郎屋だったところが芸妓の置屋となったところもあったそうです。このように遊郭解体を機に性風俗店と芸妓置屋に袂をわけましたが、どちらも温泉地には必要な存在で持ちつ持たれつの関係が今でも続いているようです。
死ぬまでには一度くらいお座敷遊びもしてみたいですね。ピンクの方も経験がないためそっちも気になりますが。
町内にある足湯です。ここだけでなく何か所か無料で入れる足湯があります。
この足湯も聖地巡礼スポットになっているようです。
せっかく温泉地にいるわけです。足だけでなくちゃんと湯舟に浸かろうと思います。
公衆浴場の「シーボルトの湯」ってところ。嬉野温泉にはシーボルトが立ち寄っており、それにあやかりこの名前を付けたんだそう。公衆浴場なので入浴料は420円と安いです。気軽に温泉に入れるのっていいですね。
美肌の湯といわれるだけあって湯質は弱アルカリ性で重曹泉のようです。ぬるぬるするやつでした。都内の温泉はだいたい黒湯なのでこういうのに普段は入れるのはいいですよね。そもそも都内のは冷泉なので同じものではないですね。
風呂上がりのフルーツ牛乳。やっぱりこれが一番です。
公衆浴場もあるし特殊浴場もある嬉野温泉。特殊な方は温泉かどうかは存じませんが、嬉野には二つの選択肢があります。今度ここに来るときは温泉旅館に泊まりたいですね。その時はコンパニオンを呼んでツイスターゲームをするつもりです。