【参りました】元青線地区だった山形天童温泉のスナック街
山形駅より少し北上したところに天童市があります。同市には天童温泉という温泉街があります。
温泉県といえば大分県、それと群馬県です。群馬も温泉が多いですが山形にも結構温泉街があるようです。天童温泉は結構有名な温泉街なんじゃないでしょうか。
将棋で有名な天童市。将棋の駒と温泉。あとはさくらんぼ。これだけでどうにかやっていっているそうですが、現在は山形市のベッドタウンとなっているようです。
天童温泉は明治末期に地域住民が灌漑用に井戸を掘ったところ温泉が出たのが始まりなんだそう。山梨の石和温泉も井戸を掘削していたらお湯が出たという話でした。石和温泉は1961年にできたので歴史は浅く、天童温泉も近代にできた温泉地なので他の古くからある温泉地とは様子が違うのでしょう。
天童はもともと秋田や酒田に向かう主要箇所だったため宿場町だったようです。そこに温泉が湧けばフィーバーしますよね。仙台からもそこまで離れていないため一時は人気スポットとなりました。でもそれも高度経済成長期のころまで。バブル崩壊とともに他の温泉街同様に衰退してきました。さくらんぼと将棋の駒だけでは観光産業としては乏しく、なかなか脚光を浴びずにいるようです。本日はそんな天童温泉にスポットライトをあてたいと思います。
巨大な将棋の駒。ホテル王将の看板の王将です。天童温泉の顔です。
ホテル前には無料で入れる足湯があります。お湯は柔らかく、3月の寒い季節にはちょうどよい湯加減です。足湯だけじゃなくざっぷり浸かりたいですね。
近隣の店舗も将棋を前面に出してきます。
「と」つまり成金の店ってことでしょうかね。
こちらは「と横丁」という屋台村。2020年1月にオープンしたんだそう。総工費6100万円。中小企業庁から3700万円ほど補助金を受け地域復興のために作ったそうです。
温泉旅館は基本的に食事つきのプランです。そのため飲食店経営は難しく、あるのはお酒が主のスナックやバーになります。でも皆が皆食事つきのプランを選びたいわけではありません。山奥の秘境のようなところでないのならば外で食事をしたいと思う人も多いでしょう。特に訪日外国人相手であれば「温泉は食事がついてくるもの」という固定観念がないのでこういった居酒屋に人が集まる可能性があります。
しかしオープンしてすぐに新型コロナウイルスにより渡航制限。目当てだった外国人旅行者はゼロ。三密、外食自粛によりかなり厳しい状況に置かれています。GOTOトラベルキャンペーンも値引きを最大限生かすのであれば食事つきプランを選ぶでしょう。横丁の居酒屋は日本人にとって日常空間。非日常を味わいたいのに日常の居酒屋にはいかないでしょう。かなり厳しいんだと思います。
テーブルも将棋盤になっています。
将棋の駒の95%は天童市で作られているんだとか。将棋の駒の産業ってのは結構ニッチです。現状オンラインのネットゲームが主流になってきています。縁側で将棋盤に駒を指すのは憧れますがなかなか買わないでしょう。
将棋が指せると楽しめそうですね。将棋は駒の動かし方が分かる程度で全然勝てません。森田将棋というゲームを持っていましたが全然勝てませんでした。
橋にも将棋の駒を採用。
大通りの脇を見るとチラホラスナックと思われる店があります。このあたりは飲み屋街となっています。昔は青線地区だったそうで、現在は飲食店街となっています。先の将棋盤が置いてあったところも同じ飲食店街のところ。
日中なのでどこもやっていません。雨はおさまりましたが天候が悪く人もほとんどいません。
温泉街といえばエロです。熱海にも似たような店があります。
そもそも温泉旅館がそれを推奨しているところもあります。やはり温泉だけで喰っていくのは楽じゃないんです。例え湯質が良かったとしても所詮はお湯に過ぎません。温泉旅館は療養のためではなくアミューズメント施設なんです。食う寝る遊ぶの「遊ぶ」の部分を何らかの形で補完しなければなりません。「ピンク」が必要なのはこれが理由です。
温泉旅館はコンパニオンプランの対応をしているのでしょう。団体客を招いてお酌をする女性を同伴させる。時にはすこし過激なサービスがあることも。そういう人が温泉地にお金を落とすんです。
温泉地にある飲み屋街も温泉旅館と共存しているのでしょう。温泉が無ければ飲み屋は成り立ちません。しかし飲み屋が無ければ温泉旅館が成り立ちません。二つがあるから温泉街が成り立っているところもあるんです。
もちろん品が悪い、イメージを損なうという意見が出るのもわかります。でも表向きにはしていませんが温泉旅館も結局は同じようなサービスを提供しているわけです。そもそもこの飲み屋街も青線街だったわけです。
無くすなら無くす、採用するのであれば採用する。中途半端が一番良くないと思うんです。クリーンな温泉旅館を目指すのか、それとも淫靡で肉欲が飛び交う温泉旅館を目指すのか、どちらかに偏った方が潔いと思います。中途半端にこの温泉旅館はコンパニオンが呼べない、こっちは呼べる。ノーマルはオーケーだがピンクはNGとか旅館によって対応が違うのが好ましくないんです。組合があるのならば舵を取り、方針を決めた方がブランドイメージを確立させやすいでしょう。
断然天童温泉にはエロ方針を願いますが。
街並みを見る限り子連れ親子が行きづらい感じでしたからね。もともと青線があったような場所です。根底にそれがあるのならば改善をするのではなくその道を究める方が良いのでしょう。
1990年代は年間130万人ほどの観光客がきていたそうですが現在はその半分に減ってしまっているようです。どの旅館も経営は明るくなく、旅館だけでなく飲食店も火の車です。すでに王手をかけられている状態。ここから起死回生を目指すには極振りするのが一番でしょう。ゴキゲン中飛車で攻めの一手です。
本日は天童温泉か少し先の銀山温泉に泊まろうと思っていました。しかし銀山温泉は一人客を受け入れておらずそもそも値段が高いんです。天童温泉もスナック街を巡ってお腹いっぱいとなりました。本来であればこのあたりに宿泊するつもりでしたが、今後のルートのことを考えて仙台の方に移動します。仙台で一泊し北上します。仙台までは高速で1時間ちょっと。
仙台は晴れています。
仙台の繁華街は前回巡りました。
そのため本日の夜散歩はお休み。明日のために体力温存です。
本日のご飯はダンピングで200円以下になった鶏肉の入った謎のご飯で。