九州博多のエロの起源「福岡柳町遊郭」
福岡といえば中洲。
中洲には男の欲望を満たしてくれる店が複数あります。中洲には2000軒の飲食店があり、150軒ほどの性風俗店があります。まさにパラダイスといったところ。でも中洲が歓楽街となったのは明治以降。それ以前は別の場所に遊郭がありました。遊郭があったのは中洲の北西側、呉服町駅の近くにありました。御笠川のそば下呉服町に遊郭があったそうです。
旧住所名は下竪町。
シモが固くなるから下堅町だと思ってましたが字が違いました。
遊郭の名は柳町遊郭。遊郭があったのはこのあたりなんだとか。
京都の万里小路にあった二条柳町に倣い「柳町」としたそうです。その歴史は古く江戸の初期のころからあったそうです。幕末の志士・高杉晋作も柳町遊郭に立ち寄ったんだそう。追っ手を撒くために遊郭に潜伏したそうですが高杉晋作25歳の時。
ゼッタイ潜伏だけが目的じゃない!
私は高杉晋作終焉の地に行ったことがありますがそこも遊郭そばでした。
やっぱり潜伏だけが目的じゃない!
しかし遊郭は1911年に移設することになりました。
遊郭が移設されたのは九州大学が理由です。九州大学があるのは御笠川を渡った先にある馬出です。九州大学は旧帝国大7校のうちの一つで頭のいい人が集まる大学です。医学部の偏差値は全国で七番目なんだとか。
1886年に帝国大学令が公布され九州に大学を設置する話となり熊本や長崎が名乗りを上げました。当然福岡も大学誘致に名乗りを上げました。誘致が決まれば街も潤うわけで博多の実業家・渡辺與八郎って人が資金を提供し1903年に福岡医科大学が設置されました。
そして1909年に帝国大学昇格の話がでますが、隣接する土地に遊郭があるのは好ましくないと言われてしまいます。
大学は下竪町から徒歩で行ける場所。大学のそばに遊郭があるのは勉学をおろそかにする。遊郭は教育上良くないとされていました。
オリンピック開催に伴い風俗が摘発されるのと同じように大学誘致で懸念材料となっていたのが柳町遊郭だったのです。大学を作って知識人を育てる方が国益につながるわけで遊郭なんて潰せばよいのですが、そんなことをしたらエロい大人が黙っちゃいません。そのため與八郎は自身が所有していた住吉村高畑に遊郭を丸ごと移設させました。
與八郎「だったら俺んちの前でよくね!?」
なんか中洲の南新地の風俗街移設と同じような感じ。福岡の豪商は家の前に風俗持ってくるのが好きなようです。
このようにして遊郭を移設したことで九州帝国大学は1911年に開校することができました。
ちなみに福岡市には渡辺通りという町名があります。天神のど真ん中を通る道の名前ですが、名前の由来は渡辺與八郎にちなんでいるんだそう。鉄道設置に尽力し博多の基礎を作ったってことで名称を残したのが由来ですが、博多の性風俗の基礎を作った人だから名前が残ってるとも考えられます。
柳町遊郭は1910年末まで。
移設先の住吉村高畑にて新柳町遊郭として再スタートします。
歴史ある老舗の店にいくのも楽しいですが、新規出店の店に行くのも楽しい。新柳町遊郭は老舗がリニューアルオープンしたわけです。そりゃ大人気スポットになったようです。長崎の丸山、熊本の二本木とならんで花街として発展したそうです。
住吉村高畑は現在の中央区清川。このあたりに遊郭があったのでしょう。空襲被害に遭うも戦後も赤線街として続き、1958年の売春防止法施行により赤線は解体となりました。
電柱には大門の文字。遊郭があったことを感じさせてくれます。
また町内には旅館がいくつかあるようです。こちらは旅館三森屋ってところ。かつては赤線だった可能性が高そうですね。
こちらはすでに閉店したようですが三光園っていう料亭があったそうです。1926年に出来た料亭ってことなのでこちらに遊郭ができた後に開業したようです。政治家に人気の料亭だったそうですがコロナにより客が激減し2020年に閉業したようです。現在は福岡の不動産仲介業者が土地を取得しているそうで今後建て替えるのかそれとも史跡として残されるのか。どうなるのかはわかっていないようです。このように遊郭だった街並みは少しずつなくなっているようです。
こちらには日本では珍しい円形交差点があります。
このような形状になっているのはかつて遊郭があったのが理由のようでロータリーの中心には井戸があったんだそう。遊女が井戸に身を投げており呪われるから残してあるってウワサもあります。
中心地にほど近い清川。飲食店もありますがどちらかというとマンションなどの住宅が目立つ地域となっています。
少し歩けば歓楽街にも出れること場所は住み心地がよさそうです。もうここには遊郭っぽさはありません。
遊郭に隣接する柳橋連合市場。1918年からある市場。つまり遊郭がこっちに移ってから新設されたところです。戦後は闇市となり現在の街並みとなっています。住所は中央区春吉。春吉は立ちんぼのメッカなんだとか。
まさに「春」をするのに「よし」で「春吉」。
春吉のあたりは中洲と目と鼻の先。そのためラブホテルが結構あるんです。タイパタイパと叫ばれる世の中、ホテル目の前で客引きした方がタイパがよいのでしょう。
夜になりました。
夜の春吉です。こちらは春吉リバーサイド通りって所です。
ちょっと歩けば中洲があるので人の往来が激しい場所です。飲食店もありますがラブホテルが多めの場所。
こちらのセブンイレブン前が立ちんぼが集まる場所なんだとか。中洲にはホストクラブがあります。新宿の歌舞伎町と同じようにホストクラブに通うために身を売るって人が福岡にはいるのでしょう。そういった人たちが夜な夜なここに集まってくるのでしょう。天神には警固公園ってところがあります。そちらにも春を売る人が集まるみたいですが、やっぱり利便性の良いこの場所が立ちんぼのメッカのはず。そもそも春吉は古くから街娼が集まる土地でした。遊郭そばに青線街ができるのは世の理。ここは戦前から続く私娼窟なのでラブホができるのは自然の流れ。中洲の性風俗に行かずとも対岸のここでそのような遊びができるんです。
全然こねーし。
立ちんぼのメッカってのは嘘のようです。