第二の中洲「雑餉隈」にあったサロンはリラクゼーションの店へ
本日は博多区にある雑餉隈駅に来ております。
雑餉とは「人をもてなすための酒や食物」という意味があります。このような名前となったのは神宮皇后が三韓征伐の際にこの地に食糧を集めた、大宰府政庁の時代に食糧倉庫があったなど様々な由来がありますが、食べ物や飲み物が街の名前の由来になったから。
当地のことを知らなければまず読めない難読地名。難読地名だから逆に知っているってところもありますが、郊外の駅にもかかわらず有名なのはそれなりに理由があるからです。
こちら武田たばこ店ってたばこ屋さんがあります。現在はたばこ屋として営業をしていないようですが、あの三年B組の先生のご実家なんだとか。そういえば海援隊の「母に捧げるバラード」でたばこ屋ってフレーズがありました。ここは聖地のような場所なのでしょう。
皆さんいいですか。人という字はですねぁ、人と人が支え合っているように見えて片方の人しか支えていないんです。まさに強者と弱者、現在の日本の縮図なんです。底辺の人たちが上級国民を支えることで人という字が成り立つんです。
ここはそんな聖地の場所です。
こちらには新しい建物がありますがソフトバンクの前身の会社「ユニゾン・ワールド」の創業地なんだとか。創業者の孫正義の生まれは佐賀県鳥栖。在日朝鮮人が集まる集落で生まれたそうです。高校二年の時にアメリカの高校へ留学。そしてアメリカでソフトウェア会社を起業し日本に戻り1981年にこの地にてユニゾンワールドを設立しました。もうその時に入居していた建物はありません。孫さんも雑餉隈に事務所があった時は飲み屋街に足を運んでいたのでしょう。
そう、雑餉隈が有名なのは飲み屋街があるから。
福岡市の歓楽街といえば中州です。西日本最大の歓楽街で中洲に行けば思う存分楽しめるでしょう。でも中洲は観光地みたいになっています。値段も観光地価格だし気軽に遊ぶことができない。
もう少しゆっくり過ごしたいって人が雑餉隈にくるようです。第二の中洲といわれる雑餉隈。天神大牟田線の雑餉隈駅と鹿児島本線の南福岡駅に挟まれた一帯が繁華街となっています。
こちらのは銀天町商店街があります。
いわゆる地方にあるアーケード街で第二の中洲というわりにはシャッターが閉まっている店舗が目立ちます。まぁ朝なので閉まっていただけなのでしょう。
わき道にそれるとスナックがあります。なんとなくちょんの間っぽい雰囲気の建物がありますがおそらく普通のスナックです。
路地裏の小料理店も普通の小料理店なのでしょう。このように雑餉隈は健全店が多くあるんです。
でも少し歩くとちょっと怪しい看板があります。キャンパスと書かれた看板。店名の脇には風営法届出済みと書かれてあります。
風営法の届け出は様々な業種があり、例えばゲームセンターも届出をしなければならないしパチンコ店も届出が必要。バーやキャバクラも届出が必要です。こちらの店が何の届出をしているかわからないしどんな店なのかもわかりませんが、名前の様子からピンサロの可能性が高そうです。
そうです。雑餉隈が有名なのは飲み屋街だけでなくサロン店が多くあるから。
かつては雑餉隈に多くのサロン店があったそうです。しかもそこにあったのは西川口を源流とした必殺拳NK流の一派。そういった店が乱立していました。しかしそれらの違法店舗は保護者などの苦情が相次ぎ摘発されていったようです。現在は限られた地域に細々と営業しているだけのようです。この店は唯一の生残りでしょうか。
こちらは筑紫通りです。道路に面して飲み屋が結構あるようです。
フィリピンや韓国の店が多いようですね。ごく普通の呑み屋があるだけのようですが路地に入ると少し怪しい感じの店があります。
クラブやスナック、バーといった店がこの付近には乱立しています。普通であれば一カ所に集まるのですが雑餉隈は広範囲です。そして裏路地にあるのではなく大通りに面したところに飲食店があります。
ここには南福岡料飲組合があります。雑餉隈の飲み屋街と言っていますが実際は南福岡駅の方が近いです。
南福岡のあたりは第四師団が駐屯する陸上自衛隊の福岡駐屯地があります。
ゼッタイに自衛隊の人、飲み屋街に貢献してる。
福利厚生の一環なのでしょう。
ある意味雑餉隈にある飲食店らしからぬ飲食店は日本の国防に一役買っているようです。
実際に軍部があったからこの界隈の飲食街は発展したんでしょうね。
ただ飲み屋に紛れて違う業種の店があります。
リラクゼーションという万能な言葉。自衛隊員は肩こりが酷いのでしょうか。裏路地にはマッサージ店と思われる店が複数あるようです。
かつてピンサロが乱立していた地域はリラクゼーションを称した店が乱立しています。雑餉隈は摘発があった地域。当然ピンサロは淘汰されたわけですがその代わりにリラクゼーションエステが増えたようです。これらの店はおそらくあっちの方をリラックスする店なのでしょう。看板からは何の情報も得られませんが、雑餉隈という土地柄、そして路地裏、控えめな看板。これらを合わせると導き出される答えは一つしかありません。
真実はひとつ。これ、アレだな。
かつては赤線地帯だったと言われる雑餉隈。その後はピンサロ街となるも2006年に福岡オリンピック誘致の話が持ち上がります。東京オリンピックの際に都内のピンサロが摘発されたように国際的なイベントがあるとやり玉に挙げられる風俗業界。違法風俗店であれば摘発の対象となるのは必然。福岡へのオリンピック誘致は叶わなかったものの誘致の思惑に巻き込まれた違法風俗店は一掃され20年ほど前にすべて消えてなくなりました。現在この界隈にある風俗店は数軒だけ。あとはリラクゼーションを称した店くらいです。
おそらく客引き行為禁止の看板ですが、「利用者になるように誘い掛ける行為」と書いてあります。回りくどい言い方ですがおそらく街娼のことを言っているのでしょう。どうやらこのあたりには立ちんぼがいるようです。
街娼がいる街にはそれを仕切る人も出入りするもの。こちらはスナックに掲げられた入店禁止の看板。
ヤクザ風、組関係、刺青をした人、未成年、泥酔者、同業者、過去にトラブルのあった人。これくらいであれば一般的ですが「サングラス・雪駄・下駄履きの人」って書いてあります。福岡の著名人と言えばビッグ3と言われたタモリさん。タモリのトレードマークと言えばサングラスですが県民栄誉賞を取ってもいいお方を拒否するスタイル。まぁでもサングラスはカタギじゃない人がかけてる可能性があるので仕方ないでしょう。
でも雪駄・下駄履きも禁止されてるんです。
雪駄は「雪」の字があてられてある通り、水がしみないようにかかと部分が金属で補強されています。そのため歩くと音が鳴るので江戸の頃に侠客の間で人気の履物だったようです。今の時代に雪駄履きの人は珍しいですが、雑餉隈では多くいるのでしょう。
雑餉隈、江戸時代から転生した人がいる説
本日は第二の中洲と呼ばれる雑餉隈に来ました。かつては違法風俗店が乱立していましたがその当時とは違い少し落ち着いたようです。でもスナックやクラブは街に溢れているため夜はにぎやかとなるのでしょう。次回雑餉隈に来る場合は夕方以降にします。