【多文化共生社会へ】山梨県中央市の日系ブラジリアンタウン
東花輪駅に来ています。
この駅というより身延線ってJR東日本とJR東海のごちゃごちゃっとしたところだからなのか交通系ICカードが使えない駅があるんです。
キャッシュレスが当たり前となった時代に未だに現金商売をしているんだそう。
こちらの駅は山梨県内のJR東海の駅で一番利用者が多いんだとか。ちなみに一日当たりの平均利用者は697人なんだそう。
だいぶ少ないですが、あくまでも「JR東海管内」で「山梨県内」ってだけです。JR東海の路線は身延線のみ。
ごく普通の田舎の駅って感じですが、この駅に利用者が多いのにはわけがあるようです。
甲府駅まで12km。電車でも30分かからない場所です。山梨県中央市。英訳するとセントラルシティになるんでしょうか。全然駅前はセントラルな感じがしませんが、交通の便もよくのどかな場所です。駅前には飲食店が一軒だけあるだけ。よくある地方の駅って感じです。
ごく普通の住宅街です。
でもちょっと異色な商店があります。フェニックスブラジルという名の店。
どうやらこちらにはブラジル関連の生鮮食料品や雑貨が置いてあるお店です。店内には香辛料やソーセージ、なんだかわからない食材が陳列されています。店員は日本人ではない感じ。雰囲気はもろ海外の売店。
とりあえずそれっぽいのを買いました。日本でタマリンドのジュースなんて見かけませんからね。これ飲んでブラジルを味わおうと思ったんですが、製造国はタイでした。タマリンドジュース、ちょっぴり酸味があっておいしいです。タマリンドの焼酎割りとか美味しそうですね。
店に飾られている国旗はタイ、ベトナム。フィリピン、中国。
ぜんぜんブラジル感がない。
まぁタイとかベトナムは緯度的に同じくらいの暑さってことでしょうか。なんとなく食材も似た感じのがあるのでしょう。
ごく普通の田舎町ですがこのようにブラジリアン商店がある理由は、この付近にブラジリアンタウンがあるからのようです。
1990年、入国管理法が改正されました。それまでは日系二世までに対して在留資格を与えていたものが、改正により日系三世も就労制限なく入国できるようになり、それにより南米より多くの人が日本に押し寄せたそうです。
以前鶴見にある南米タウンに行きましたが、あそこもこの入国管理法改正を機に南米タウンとなりました。
山梨県は工場が多く働き口があったようです。そのためこの付近に多くの日系ブラジル人が移り住んだんだとか。
山梨県の在留外国人の数はおよそ16000人です。人口の多い甲府市が一番外国人が多くその数5552人。比率は2.9%程度です。外国人の割合は中国韓国が多く中国人は1610人、韓国人は1019人、次いでベトナムが605人となっています。やっぱり中国人はどこに行ってもいますね。
中央市の在留外国人の数は1706人ですが比率は5.5%と高めです。そして中国人は104人、韓国人は25人ですが、ブラジル人が1456人と突出しています。
県内でも中央市のブラジル人数は多く、甲府の三倍も住んでいるそうです。また山梨県には2672人のブラジル人がいるそうですが、半数以上が中央市に住んでいるようです。
そして中央市の中でも、この東花輪近辺のブラジル人の割合が多いんだとか。つまりここはブラジル人のセントラルシティなんです。。
このあたりの団地に多くのブラジル人が住んでいるようです。
山王団地という県営団地です。家賃は15000円前後とリーズナブル。一番古い建物は昭和49年に建てられたので約50年前でしょうか。
半数以上が日系ブラジル人なんだそう。
公団住宅であれば川口市の芝園団地のように外国人が増えるのはわかりますが、山王団地は県営住宅。
一般的に県営住宅や市営住宅などは入居審査が厳しいです。収入制限などをクリアしなければ入居資格はなく、入居資格があったとしても応募倍率が高く入居できないというのが今の住宅事情です。単身者だとまず入居は難しく、入居できるのは子供がいる家族に限られます。そんな感じで入居するのも難しい県営住宅ですが、ここには多くのブラジル人が住んでいるそうです。
ブラジル人が多いんだろうというのがわかる看板。日本語よりも先にポルトガル語が書かれています。
先ほど立ち寄ったフェニックスブラジルの前にある小学校では約2割の生徒が外国人で、その多くがブラジル人なんだそう。
bem devagar。速度を落とせという意味のようです。
街中には普通にポルトガル語が目に付きます。なんかちょっとだけ外国気分。
一時は日本に30万人ほどいたブラジル人も東日本大震災以降、帰国する人が多くなり現在は20万人ほどに減ったそうです。ここ東花輪も以前よりは少なくなったようですが、それでもまだ多く残っています。現在山梨県ではベトナム人が急増しており、もしかしたらベトナムタウンが出来る日が来るのかもしれません。そのため山梨県では多文化共生社会に向けて歩みを進めているようです。コロナの影響で渡航が厳しい世の中となりましたが、日本では移民政策に関心が高まっています。しかし外国人技能実習の問題や宗教や文化の違いからなかなか多文化共生とはいかないのが現実です。ブラジル人を受け入れた山梨県。山梨県は第一人者となれるのでしょうか。
こんな感じで東花輪に来ればブラジルを味わえます。
ってわけで本日のお昼は近くにあった蕎麦屋へ。
ぜんぜんブラジル関係ない。
やっぱり山梨といえば蕎麦でしょう(ホントはほうとう)。少し暖かくなったんで冷たい蕎麦が食べたいです。
とその前に山梨の名物「鳥もつ煮」です。鳥もつが名物となったのは1950年。甲府市内の蕎麦屋の店主が「鳥もつが捨てられてるのがモッタイナイ」ってことで考案されたのがはじまりなんだとか。味付けは砂糖醤油。串に刺さってない焼き鳥的なやつです。味濃い目でおいしいです。日本酒が合いそう。
あとは普通のせいろ。日本酒が合いそう。
本日は山梨県中央市にあるブラジリアンタウンに行ってみました。日本にはほかにもブラジリアンタウンがけっこうあるそうです。また違うところも行ってみたいですね。