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【沖縄中南米鶴見自治区】なぜ鶴見は沖縄タウンであり南米タウンなのか?

【沖縄中南米鶴見自治区】なぜ鶴見は沖縄タウンであり南米タウンなのか?

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川崎で銭湯に入りこれより鶴見に向かいます。

鶴見区は川崎のとなりにあります。鶴見川を渡れば鶴見区だと思っていたのですが、その手前から鶴見区なんだとか。
鶴見は横浜に行くときに通ることはありましたが立ち寄るのことは少なく、あまり詳しくありません。

辰巳湯から歩いて鶴見に向かったのですが、川崎から鶴見に行く道がありません。日東緑地というところが市境になっているみたいですが、そこが渡れないのです。どうやらここは昔川崎運河とよばれ1980年ころまで河川だったそうです。現在は緑地化されているようですが、当時は運河だったため川崎と鶴見を行き来する道は限られているようです。

この日東緑地を越えれば鶴見区。そのため鶴見川の東側も鶴見区のところもありますが、ほぼ川崎と同じだと思うんです。
もう川崎でいいんじゃないでしょうか。

このあたりは川崎鶴見自治区になります。地名は潮田というところ。
川崎や鶴見沿岸部は塩の名産地だったんだとか。川崎区にある塩浜という地名も塩田があったことに由来しているそうです。ここ潮田も同じように塩田だったのかもしれません。でもそれは明治よりも前の話。川崎も工業化により塩田がなくなり工場街になりました。工場ができれば人手が必要。そのため当時日本が統治していた朝鮮から人を呼び、川崎で働かせたそうです。

【朝鮮人街】不法占拠で出来た街、川崎池上町コリアンタウン
【朝鮮人街】不法占拠で出来た街、川崎池上町コリアンタウン

川崎市の工業地帯に川崎区池上町という街があります。ここはJFEスチールの土地ですが、なぜか住宅街が広がっています

川崎にコリアンタウンがあるのはそれが一つの理由となっています。朝鮮よりも川崎で働く方が収入がよかったのでしょう。地方よりも都心で働く方が仕事もあるし収入もよい。今の時代も変わりありません。こんなわけで人が集まるんです。そしてそれは朝鮮だけではありません。

琉球、沖縄はその当時かなり劣悪な環境でした。明治末期から人口が爆発的に増えましたがやせた土地のため食糧生産が追いつかず、毒のあるソテツでも食べなければ生きていけない状態になったそうです。毒抜きができれば食材になりますが、正しい毒抜きがされていないソテツを口にした人が中毒により死亡するのが相次いだんだとか。いわゆる「ソテツ地獄」と呼ばれるものです。沖縄も貧しい生活を強いられており、本土に出稼ぎに行く人、または売られてくる人もいたそうです。

現在川崎競馬場となっていますが、競馬場のある川崎区富士見は富士瓦斯紡績という繊維メーカーの工場があり、そこには沖縄出身の女性が1000人ほど働いていたそうです(かわさき検定情報)。

朝鮮人は桜本へ、沖縄人はどこに行ったのかというと、その先は鶴見だったようです。現在でも鶴見には沖縄タウンがあるんだとか。それを見に今回鶴見に行くこととしました。

現在では沖縄出身ってだけで差別されることはなくなりましたが、昔は差別の対象だったそうです。沖縄人の入店拒否や差別が普通にあったそうです。爪弾きされたものが生き抜くためには差別される者同士でコミュニティをつくり生きていくしかありません。鶴見に多くの沖縄人があつまり手を取り合ってどうにかこうにか生き続けたのでしょう。それが今でも残っているってことですね。

鶴見沖縄県人会会館。ここが琉球鶴見自治区の中心でしょうか。

沖縄の物産センターになっております。沖縄食材もここであれば手に入るのでしょう。

こちらでは軽食も取れるそうです。

場所は仲通商店街というところ。もっと沖縄のお店がいっぱいあるんだと思っていたのですがそうではないようです。数軒沖縄料理屋がある程度。

あとはなんかすごい昔懐かしいパチンコ店があります。パチスロは沖縄が最初ですからこちらも沖縄っぽい店ってことでしょうか。

こんな感じで沖縄っぽさは限られていますがここは沖縄タウンのようです。でも沖縄タウンでありつつも若干違う店もあります。

潮田マーケットという昭和の雰囲気がある看板。でも沖縄でも鶴見でもない何だか日本っぽくない雰囲気です。

イートインコーナーがあるんですが英語表記です。いや、英語ではなさそう。スペイン語?ポルトガル語でしょうか。

店の様子がおかしいんですよね。南米っぽい雰囲気があります。利用者も店員も日本人ではありません。
どうやら鶴見はブラジル人をはじめとした南米の人たちが多く住んでいるんだとか。

鶴見は横浜市ですが横浜に住む南米人の45%が鶴見区に住んでいるそうです。鶴見区の人口は28万人いるそうですがそのうちの3.4%は外国人で中国、韓国に次いで三番目に多いのがブラジル人なんだそうです。

鶴見にブラジル人が多いのにはちゃんとした理由があります。

記した通り川崎などの京浜地区は明治以降工業化により地方から多くの人が出稼ぎに訪れました。朝鮮人と沖縄人が今でも多いのはそのためです。日本は先の大戦で敗退、沖縄はアメリカ領となりました。アメリカにとって沖縄はアジアを監視するために必要な拠点。そのため米軍の基地が建設されました。基地ができ潤う人もいたのでしょうが、農地を奪われた人もいたそうです。
またそれと同時に始まった移民政策。琉球政府主導により1945年~1969年までの間に3241人が南米のボリビアに移民したそうです。新天地でより良い生活を夢見たのでしょう。しかし移住先のボリビアでは過酷な状況が続き、半数はアルゼンチンやブラジルに引っ越したんだとか。

それから20年後の1990年、入国管理法が改正されました。それまでの入国管理法では日系一世、二世に対して定住者の在留資格が与えられましたが、この改正により日系三世も就労制限なく入国できるようになりました。日本経済が好景気の時期、南米よりも日本で働く方が収入がよかったのでしょう。そんなわけで「元沖縄人の南米人」が「元沖縄人の鶴見人」の多くいる鶴見に集まってきたそうです。これがブラジル人が鶴見に多い理由です。つまり日系ブラジル人や日系ボリビア人っていっても元をたどれば沖縄ってことですね。

こちらはペルー料理屋さん。ペルー料理なんてそんな食べないんでここで食事をするのもよいですね。でも色々悩んだんですがここでは食べません。

思ったんです。ここは沖縄タウンです。そのため沖縄料理屋があります。また南米タウンなので南米料理もあります。でも沖縄料理は沖縄に行けば食べられます。南米料理も南米に行けば食べられます。南米に行かなくても都内には似たような店があるのでしょう。
ここは沖縄タウンであり南米タウンという異色な場所です。であれば沖縄と南米を融合したものを食べるのがよいんじゃないか!と思ったわけです。それができるのはここ鶴見だけでしょう。これは「鶴見料理」になるわけですね。

というわけで行った店は沖縄料理と中南米料理を出してくれるという店です。

沖縄料理とラテン料理がぁ~、つるみでぇ~、出会ったぁ~

17時過ぎですがまだ準備中。30分ほど待つも開く気配なし。お店のドアが開いているため声をかけると準備中の看板を下げるのを忘れていたようです。

とりあえずビール。ここは沖縄らしくオリオンビールをチョイス。オリオンビールって軽くて飲みやすいので好きなんですよね。
実は沖縄に行ったことが無いんです。北海道は仕事で何度も行っています。そのほかの都道府県は車中泊の旅もしたし、車で回りました。唯一沖縄だけ未踏の地なんです。今では片道10000円で行ける沖縄です。でも行っちゃうと47都道府県全て制覇しちゃうんです。全制覇をするのであればそれなりの心意気ってのが必要だと思うんです。そんなわけであえて沖縄に行かないようにしています。ゴーヤチャンプルーもソーキそばも泡盛も好きなんですけどね。全ては沖縄ではなく沖縄料理屋でしか食べていません。

酒のアテに島らっきょうを注文。島らっきょうの時期は冬らしく、春は出始めのもので小さいですが柔らかくおいしいです。

エンパナダという南米料理。具入りのパン。食感などは違いますが肉まん的な立ち位置でしょうか。

肉とチーズ、トマトが入ったエンパナダです。ミートソースのパイ包み焼きみたいなヤツ。味が濃くておいしいですね。
基本的に暖かい地域は汗をかくため塩分強めのものが多いのがいいですね。

さて、メインディッシュを頼みたいと思います。南米料理はエンパナダを食べたので今度は沖縄料理を頼みたいです。でも沖縄料理は散々食べてきています。そのためちょっと変わったものが食べたいです。メニューを見ると「ヤギ」があるそうです。
ヤギ料理は沖縄名物なんだそう。ヤギ汁ってやつですか。沖縄では育てたヤギを絞めて食べるんだそうです。屠畜法でヤギを解体するためには届け出など色々面倒な作業がありますが、一般的に捌かれているようですね。ヤギは生でも食べられるんだとか。そしてこの店にはヤギの刺身とヤギ汁、ヤギ肉そばがあります。

刺身の前にまずは汁物を頼むべきでしょう。お腹空いてるんでヤギ肉そばですかね。おそらくソーキそばのソーキがヤギ肉になってるやつだと思います。こちらを注文しました。

店主「ヤギは食べたことありますか?辞めといた方がよいですよ。食べたことが無いなら出せません。」

多分においがキツイとかそういうのが理由なんでしょう。食べ残されたくないのでしょうね。その気持ちもわからなくありません。でも、臭いのって大丈夫なんです。獣肉は比較的食ってるし、大久保では犬肉も食べました。犬に比べればヤギなんて大したことないでしょう。
さすがに犬食べたことがあるなんて言うとヤバいやつだと思われるので「羊はラムよりもマトンが好きです」とアピールしたのですが、初見の客にはヤギを出せないようです。その後も出せない理由を言われました。

別に悪い人ではないようです。おいしい食事を取ってほしい、それが理由っぽいですね。うちのヤギ肉は冷凍だけど沖縄であれば絞めてすぐに食べれるから新鮮なんですという話も。

つまり、沖縄に行くしかないってことでしょうか。

ヤギ肉を熱く語られました。これは本場で食べてくるしかないでしょう。この店のヤギ汁は食べたことがある沖縄人専用のもの。生半可な素人が手を出すものではないようです。まさか鶴見で沖縄行きが決まるとは思いませんでした。

というわけで普通の沖縄そばを注文。かつお出汁のきいたスープ、おいしいですね。

鶴見駅の周りも散策したいですが本日はこれで終了。鶴見駅前は別の機会に。

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