【Chinchin!】製鉄の神と性神の川崎金山神社【かなまら】
川崎大師駅です。これまで京急大師線というのに乗ったことがありません。そしてこれからも乗ることはないのでしょう。堀之内に住んでいたころは最寄り駅は川崎でしたが、実際は大師線の港町が近かったのかもしれません。しかし港町の駅がどの辺にあるのかも知らずに過ごしていました。
このあたりはほぼ工業地帯のような場所です。またここに住んでいたとしても自転車で川崎まで行っちゃう感じです。また車社会でもあるこの地で果たして大師線は必要なんでしょうかね。
まぁ必要なんでしょう。老人や子供にとっても必要なモノであり、そして観光客にとっても必要なものです。
駅の名前の通り近くには“川崎市で一番稼ぎのある寺”があります。そうです。川崎大師です。年始は佐野厄除大師か川崎大師かってくらいです。ちょうど稼ぎ時でもあるのでテレビでCMも流すわけです。そんな日本でも有名な寺がそこにあるわけです。
しかし私は一度も行ったことがありません。川崎で生まれ川崎に住んでいるのにもかかわらず一度も川崎大師に行ったことがないのです。目の前は散々通ってきました。とくに山林を購入してからは月に一回は目の前を通っているわけです。それでも行きませんでした。
ここが参道となっており、この先に行けば川崎大師の入り口があるみたいです。
少し近づいたのですが入り口まで若干遠いんです。そんなわけで行くのを諦めてしまいました。
今回、ここに立ち寄ったのは川崎大師に行くためではありません。私は川崎大師に一度も行ったことがありませんが、付近の神社であれば過去に何度か訪れています。
こちら若宮八幡宮という神社です。川崎大師よりも川崎大師駅に近い立地です。なんだったら若宮八幡宮駅でいいんじゃないんでしょうかね。
まぁ川崎大師の方が世に知れているからその駅名を名乗っているのですが、実は若宮八幡宮のほうが世界的に有名な場所なんです。
至って普通の神社です。街を歩けばだいたい神社はあるので毎回手を合わせていますがほかの神社ととくに変わりありません。一応表面上はそんな感じでしょう。
本殿があり、そして脇には稲荷神社が併設されている。ここ若宮八幡宮も他の神社と同じようなつくりとなっています。一応我が一族は仏教徒なんですが、信仰心が全くなくありません。仏教徒ですがどちらかというと寺よりも神社の方が居心地がいいんですよね。鳥居をくぐるのってなんだか身が引き締まります。この若見八幡宮もほかの神社と同じなんですが境内には金山神社というのが併設されており、その金山神社は若干様子がおかしいのです。
This is the Chinchin!!
有名になり過ぎた場所ですね。私もこれまで何度も来ています。
金山神社のご神体は男性器です。色物神社のように思われがちですが、ちゃんとした歴史があります。
そこまで古い歴史ではないようですが、川崎は今でも新日鉄がある街です。つまり製鉄の街なわけです。そうなるとそれにちなんだ神様を用意しなければなりません。金山神社とは金山彦神を祀った神社であり炭鉱や製鉄、鍛冶など金属に関することにご利益があるそうです。そして「かなやま」という言葉が「かなまら」に似ていることから性神としても信仰されているようでいつしか本堂にあるご神体は「かなまら様」と呼ばれるようになったとか。
川崎は鉄鋼の街でもありますが堀之内もあり南町もあります。性産業が盛んな場所ですのでやはりその手の神様も必要なのでしょう。いまでこそただの感染症という扱いですが昔は性病で死者もあったわけです。梅毒や淋病などは今では抗生物質で治るものも当時は不治の病だったわけです。出来ることは神頼み。遊女は皆このご神体に手を合わせていたのでしょう。治す薬がないのであれば後は神に祈るしかないというわけです。
それが現代でもまだまだ治らないと言われている病気があります。最近ではだいぶ研究が進み不治の病というわけではなくなり、また薬を飲んでいれば発病もしないということになっていますが、一昔前はエイズも性病で治らないといわれていた病気でした。当然のように神頼みをするわけで、この金山神社を知った外国人が訪日するようになったそうです。川崎大師は日本で有名ですが世界的には金山神社の方が有名のようです。
本当であれば4月の第一週の日曜日に金山神社に行きたかったのです。毎年春にこの神社で祭りがあります。祭りの名前は「かなまら祭り」です。町内をこの「Chinchin!!」が神輿に担がれ練り歩くわけです。まさに奇祭です。でも性病予防、安産祈願というちゃんとしたご利益があるわけです。たしか祭りの最後は男性器模したものと女性器に模したものををぶつけ合うというイベントもありました。
それを幼稚園の真横で開催しているわけです。
来場者の半数以上が外国人です。そしてLGBTの方々も多く参加しています。エリザベス神輿っていうのがオカマ向けの神輿でした。これに関しては直接見に行ったほうがよいでしょう。小さな女の子が飴を舐めていますがその飴が性器の形なんです。来場者数は3万人くらいです。年々増えているようですね。
性器信仰はそこまで珍しいものではなく、色々なところに結構あります。実際に新宿の花園神社にも性器が祀られている社があります。性病もそうですが、子を授かることは楽なことではなかったのでしょう。今のように医療技術が発展しておらず、場合によっては命を落とすことすらあったわけです。動物のプログラムでもある子孫を残すという点もありますが、昔は子供は労働力でもあり後継ぎでもあったわけです。今のような不妊治療があるわけでもないので、神に祈るしかなかったのでしょう。この金山神社で性器が祀られるようになったのが「安産祈願」が先なのかそれとも「性病予防」が先なのかはわかりませんが、まぁ堀之内があるあたりを考慮すると後者なのでしょうね。
いろいろな男根が境内に生えていますが、やっぱり黒光りしたご神体が一番です。ただどれもみな「一つ上のおとこ」のようですね。
タートルネックの神様はいないようです。
ここ数年かなまら祭りに行けておりませんので来年こそは「でっかいマラ、かなまら」を見に行きたいと思います。川崎大師はまた今度に。