山林生活

消えた綱島の温泉旅館。はじまる綱島の高級住宅街

消えた綱島の温泉旅館。はじまる綱島の高級住宅街

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本日は綱島に来ています。
ちょうどお昼時だったため綱島街道沿いにあるお蕎麦屋さんでそばを食べます。

蕎麦屋に来たら日本酒を飲む。これこそ蕎麦屋の醍醐味です。神奈川で飲むならば、神奈川の酒を選ぶべきでしょう。
ってことで本日の日本酒は神奈川県の山北町にある酒蔵の「隆(りゅう)」です。やっぱり蕎麦には日本酒がよく合います!

江戸時代もこんな感じで街道沿いの蕎麦屋に立ち寄って蕎麦をアテに一杯ヤッたんでしょう!と思ってたんですが、どうやら現在の綱島街道は昭和になってから整備されたそうです。とくに綱島駅より北側の丸子橋までの道は日吉に慶応義塾大学が新設されるときに整備された道なんだとか。

綱島は東に矢上川、西に早渕川、南に鶴見川と三方川に囲まれている地域で、地名の由来も「津」の島で、綱島は中洲のようなところでした。一応鎌倉街道沿いではあるものの人の往来の少ない場所だったのでしょう。いわゆる田畑が広がる郊外の田舎のようなところで川で囲まれているため雨が降ればたびたび洪水が起き、農作物の被害があったようです。

そのため明治になってから水害に比較的強い桃の栽培を始めたそうです。それにより綱島は桃の一大名産地になりました。当時は「西の岡山、東の綱島」といわれるくらいだったんだそう。そんなド田舎だった綱島があることがきっかけで大正以降、有名な歓楽街へと移り変わりました。本日はそれを見てまわります。

大綱橋のそば、こちらにはラヂウム霊泉湧出記念碑があります。これが歓楽街だった証でしょうか。

1914年、綱島駅から大綱橋を渡り鶴見川を越えた先にある樽町で井戸を掘削していたところ温泉が湧き出たようです。温泉発見後すぐに永命館という最初の温泉旅館ができました。1926年には綱島駅の前身にあたる綱島温泉駅が開業。それにより温泉街が形成されました。1935年ころには50軒ほどの温泉旅館が軒を連ね、東京からそこまで離れていないため「東京の奥座敷」と呼ばれていたそうです。
旅館が増え、利用客が多くなれば下世話なものが出てくるのが世の常。いわゆる芸者遊びができる花街へと発展したそうです。当然そっち系のお遊びもできたのでしょう。また綱島温泉にある旅館には「離れ家」という本館とは別の建物に宿泊できるシステムがあったそうです。周りの目を気にすることなくプライバシーが保てる離れ家ですが、そんな秘密が守られている場所に行く人は、秘密を守らなければならない人だったのでしょう。不倫や浮気をしている人たちが現在のラブホ的な使い方をしていたそうです。当時はまだ姦通罪があり不貞行為は2年以下の懲役です。今の時代は大丈夫ですが、当時は靴下履いてないだけで罪に問われたのです。そんなわけでそのような人たちが集まる人気スポットだったようです。

しかしそんな大人気だった綱島温泉も太平洋戦争の開戦時に廃業命令が下されます。綱島温泉駅は綱島駅に改称され、温泉旅館も軍関連の寮や宿泊施設に変わりました。このようにして一度は温泉街ではなくなりました。
終戦後、隣町の日吉にある慶応義塾大学の日吉校舎が進駐軍により接収され、綱島の温泉旅館は特殊慰安所の役割をするようになりました。それにより綱島温泉は再度復活したそうです。結局はエロが中心になっていますけど。

こちらは樽町しょうぶ公園ってところです。こちらの公園の名前はこの近くにあった「綱島菖蒲園」に由来しています。

綱島菖蒲園は1933年に東急電鉄が客誘致のため開園したそうです。しかし1938年の鶴見川大水害により閉園したそうです。綱島温泉を一大観光スポットにしようとしていたのでしょうが、自然災害でそれは叶わぬ夢となりました。

こちらにはビジネス旅館と書かれた建物があります。現在は休業もしくは閉業しているのかもしれませんが、かつての温泉地の名残りでしょうか。

綱島駅の東口側にはほかにもかつて旅館だった建物が見受けられます。温泉が湧き出たのは鶴見川を渡った先の樽町でしたが、綱島駅は鶴見川の南側でした。かつての綱島温泉駅は東口しかなく、その当時は東側のこの辺りが歓楽街だったのでしょう。現在の街の中心は駅の西側になります。

イトーヨーカ堂のある駅の西側です。私の綱島のイメージはこの近辺です。現在綱島には温泉旅館はありません。戦後は遠くの箱根や伊豆に行くよりも近くの綱島温泉だったのでしょう。最盛期だった1960年には温泉旅館が80軒ほどあったそうです。しかし東海道新幹線が開通して以降、都心から伊豆方面へのアクセスがしやすくなりました。綱島温泉はラジウム鉱泉ですが湯温は18度と低いため加温しています。熱海や箱根の温泉は源泉かけ流し。アクセスがしやすくなればそっちに客が流れるでしょう。そんなわけで温泉利用者は年々減少していました。そして2008年にイトーヨーカ堂のそばにあった「浜京」が閉店したことで綱島温泉の旅館は全て廃業となりました。

かろうじて看板に「浜京」文字がありますが、現在はコインパーキングになっています。

かつての温泉宿だったところは高層マンションになっており、綱島は「東京の奥座敷」から「東京のベッドタウン」に変わりました。

こちらは「レジテンス水明」というマンションですが、かつては「水明楼」というかなり大きな割烹旅館があったところなんだそう。屋号が残っているのはなんかいいですね。

温泉地の名残りはほぼ残っていませんが、電柱には「温泉」の文字が見れます。

また商店会の看板にも温泉の文字があります。

とくに綱島のこの近辺はいかがわしい店が少ないです。

あることにはあるのですが、軒数も少ないんです。またキャバクラもあるにはありますがこちらも少なめです。

郊外の街であればスナック街みたいなところもあるのですが、ほんの少ししかないんです。ある意味特殊な街です。横浜も遠くなく渋谷にも一本で出れる立地のため、そういう店はいらないのでしょうかね。

唯一、鶴見川沿いにあるこれがしっかりと綱島温泉の血を受け継ぐところではないでしょうか。温泉ではないけど、温泉地にあった「離れ家」と同じ連れ込みスタイルのホテル。そういう店がこのあたりには無いため、綱島ではデリバリー的な何かを利用するほかないようです。

こちらは「新綱島駅」です。同駅は今年の3月開業しました。東急新横浜線が開業したのは知っていましたが、綱島に駅ができていたのは知りませんでした。しかし綱島駅とは100mほど離れた場所にあります。このように離れている理由は綱島駅前の土地買収が難しかったからなのでしょう。

綱島駅の周りはごちゃごちゃして道が狭いです。その狭い中を路線バスが行き来し混雑しています。綱島の界隈は陸の孤島のような場所があり、駅から離れているためバスを使用する人が多いです。そしてバス利用者は綱島駅に集まるためそれも混雑する理由となっています。道路が整備されれば利便性もよくなるのでしょうが、道路拡張も思うように進んでおらずバスの往来が渋滞のもととなっています。

東急新横浜線の新綱島駅ができたことで今後は利用者が分散されるようです。それにより多少は混雑も緩和されるのでしょう。

新綱島駅自体は開業していますが付近はまだ工事中で、近々マンションが建つそうです。まだできていませんがすでに完売しているってのがすごいですね。綱島菖蒲園では失敗しましたが、今回の駅建設では成功したようですね。人口が増えれば街も発展するでしょう。このようなマンションがいくつも建ち、綱島は武蔵小杉と同じように高級住宅街へと発展するのでしょうね。スナックやキャバクラは少ないものの駅界隈には飲食店もあり、イトーヨーカ堂もあります。電車一本で渋谷にも横浜にも出れる好立地です。そして掘れば温泉が湧くスポット。また駅前に温泉施設ができるかもしれません。住むのには最適な場所でしょう。

さて、最後にせっかく綱島温泉にきてるんです。温泉に入らなきゃですよね!
温泉旅館はありませんが、綱島駅付近には銭湯があり、そちらには温泉があるんだとか。ってわけで富士乃湯さんにお邪魔します。

綱島駅付近には二軒銭湯がありますが富士乃湯にはサウナがあるのでこちらを選びました(サウナは別料金)。
サウナは6人まで入れる広さで結構熱め、水風呂は20度、ととのい椅子が三脚あります。湯船はジェットバス、電気風呂、そして黒湯です。黒湯の湯温は44度と高め。黒湯は川崎でみるやつと似たような感じですが、一応綱島温泉に行ったってことでよいでしょうか。

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